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Deep blue   作者: 星成流星
7/18

三日目 中

そこにあったのは死体だった。

血の臭いや汚物の臭いが混ざりあった臭いが辺りを満たしている、テラテラと輝くピンク色の物体が腹部から飛び出していて、死体を見た者はそれが何であるか即座に理解する。良く見ると腹部には喰い千切られたような痕跡が残っていた。頭はなくなっていて、背骨が飛び出している。現実感の無い光景。しかし飛び出した白い骨、肋骨、そこから滴り落ちる紅い雫が濡れた床に落ちる度にピチャッと音を立て、これは現実だと思い知らさせる。

チャップマンがへたりこむアリスを即座にその場から連れ出し、近くの部屋に入って行く。

「見るなっ!」エライアスはそう叫びミカエラの視界を塞ぐように彼女を抱き締める。

アルバートは死体に駆け寄り監察を始める。

ニアは酷く青ざめていて、ウィリアムは口元を押さえる。

ナギサは何故か表情を変え無ずに立っている。

ジョニーはベックと共に銃を構えて警戒する。今ここにメンバーが全員いる以上、何より人にこんな事が出来ない以上、警戒するのは当たり前だった。

「皆と食堂で待っていてくれ。自分はもう少し死体を調べる」

アルバートはそう言った。

ベックが「ジョニー、チャップマンと一緒に食堂で全員を守ってくれ。俺はアルバートを守る」と言った。

「わかった、皆食堂に行くぞ」

ジョニーはそう言うとチャップマンとアリスを呼び、皆で食堂に向かって行った。


ジョニーは武器を食堂にベックが持って来た水中銃に持ち変え、入口を警戒していた。

食堂では誰もが暗い表情をしていた。

当然の事だ、閉鎖空間で仲間が慘殺されたのだから。

「もうおしまいだ」

誰かがそう呟いた。

「今のは誰だ」

チャップマンがそう言う。

「今のは誰だ!何でそんな事を言うんだ!」

チャップマンが怒鳴る、ウィリアムがそれを聞いて縮みあがり、チャップマンがウィリアムに詰め寄る。

チャップマンが腕を振り上げる。

「やめて下さい」

アリスが止める。

「まだ通信機は生きてます、助けを呼ぶ事ができます。今私達が争えば、生存率が下がるだけです」

「アリス…」

チャップマンは腕を降ろし、「済まない、つい感情的になった」と謝った。

「良いんだ、僕も少し取り乱した」ウィリアムも謝り、二人は和解する。

ちょうどその時、ベックとアルバートが部屋に来た。

「検死結果を話そう」

アルバートは入って来るなりそう言ったアルバートにアリスは「いえ、まずは助けを呼びましょう」と言った。

「助けを呼ぶ方が優先か」

それを聞いてアルバートは納得し、「なら皆で操舵室に行こう」と言った…。



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