三日目 前半
朝食後、アリスが護衛三人とリックとエライアスの五人を連れて、倉庫に向かう。
「今から三人分の耐圧潜水服を運びます」
そう言うとアリスは倉庫を開いた。
倉庫には大量の段ボールが積んであり、その奥に耐圧潜水服が五着置いてあった。
「あれを加圧室まで運んで下さい」
「わかりました」
ベックがそう言い、五人は耐圧潜水服を手分けして運ぶ。
ジョニーとチャップマンは上半身を、ベックとリックは下半身のパーツをそれぞれ持ち上げる。
エライアスは軽々と一人分の潜水服を担ぎ上げた。
「力持ちだな」
ジョニーがそう言うと。
「まあな、伊達に機関士やってねぇよ」
エライアスがそう返し。
「機関士は力だけじゃ務まらないけどな」
と続けた。
三着の耐圧潜水服が加圧室の中、正確には加圧室前のロッカーが並んだ部屋に運び込まれた。
部屋ではアリスとニアが待っていた。
「お疲れ様です」
アリスはそう言うと、「では早速三人は準備して下さい、終わったら呼んで下さい」と言って、部屋を出ていった。
「潜水服を着る手伝いをしてくれないかい?」
ニアがそう言ったので、五人でニアに潜水服を着せる。
続いてベックに、最後にリックに潜水服を着せて、アリスを呼ぶ。
アリスはケースと大きな銃を持って来た、ケースは大きく頑丈そうな金属製のケースだ。
「回収した物はこのケースに入れて下さい」
と言ってケースをリックに渡す。
「わかった、任せてくれ」
と言って、リックはサムズアップする。
次にアリスはベックに銃を渡す。
「高性能の水中銃です、ショックウェーブを放ち、レーザーポインターを内蔵しています。大抵の生物は撃退できるでしょう」
「なるほど、助かる」
ベックはスリングに腕を通し、銃を肩に掛ける。
「準備完了だな」
リックはそう言うと、加圧室の扉を開けて中に入る。
ニアがそれに続いて中に入り、最後にベックが「行って来る」と言って中に入る。
「操舵室に向かいましょう、三人を通信でサポートします」
そう言ってアリスは操舵室に向かった、三人もアリスに続いて操舵室へ向かう。
彼はそれを見た、光、陸への希望。
それの一部が開き、何かが出てくる。
彼は自らの願いの為、三人を観察する事にした。
三時間後、探索から帰って来た三人から、食堂で一同は話を聞いていた。
「予想はしていたが酷い有り様でした、金属の塊があちこちに散乱していて、原型を止めていませんでした」
ニアがどんな様子だったかを話していると、「済まない、トイレに行って来る」とリックが言い、外に出ていった。
リックはトイレに行く途中、床が濡れている事に気付いた、疑問に思いながらもリックはトイレに向かう。
(後で皆に報告しよう)
ふと、後ろから足音が聞こえたので、リックは振り向いた。
次の瞬間、リックは頭を吹き飛ばされて絶命した。
リックの帰りが遅いので、手分けして探しに行く事になった。
暫くすると、アリスの叫び声が艦内に響き、叫び声の元に全員が向かう、そこにあったのは…。