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77 七罪集結

『傲慢』リズの尻を叩いた。パシンッ。


「きゃうんッ!?」


『強欲』ヨーテの尻を叩いた。ペチンッ。


「あふぅん!?」


『暴食』ミキの尻を叩いた。ドタプンッ。


「ハラショー」


『色欲』レリスの尻を叩いた。エロインッ。


「うふふ……」


『嫉妬』アナコの尻を叩いた。パシットッ。


「はにゃーッ!?」


『怠惰』スズモンの尻を叩いた。ドモンッ。


「ござるッ!?」


 そして、すべての『七凄悪』を統率するオーク王妃、ライレイの尻を叩いた。

 パシピカリンッ。


「あの、ゴロウジロー様……!?」


 ついでにヴァルキリー、メイデの尻も叩いた。ペッ。


「私だけぞんざいじゃない!?」


 こうして、我が前に『傲慢』『強欲』『暴食』『色欲』『嫉妬』『怠惰』の『七凄悪』が勢揃いした。

 残る『憤怒』の『竜玉』を持っているのは我がオヤジだし、その力は僕に継承されているので別によかろう。

 とにかく、今僕の前にいるオーク最強の七戦士、他。

 しっかり全員お色気たっぷりのオーク娘と化していた。

 おっぱいは大きいし、尻は丸い。腰もくびれている。


 何故こんなことになったのか、経緯は省く。


「……あの、何でアタシたち、呼び出されるなり尻を叩かれたのかしら?」

「ゴロやんにお尻を叩かれる。その痛みが快感……!」


 とりあえず、二十八万のオーク娘を代表する形で彼女ら七人、他に来てもらったわけだが、今お尻を叩いてみて改めてわかった。


 彼女たちの尻の奥、骨盤という台座の上に安置された子宮に、新たな命が宿っているということを。


「この僕が父親か……」


 そう思うと、両目から塩水が溢れだしてきた。


「うわッ!? なんなの!? いきなり泣き出した!?」

「最近のゴロやん、情緒不安定……!」


 リズやヨーテ辺りは付き合いも古い方なのでツッコミが手慣れている。


「あのー、ウソのようなホントの話なんですけど……」


 見かねたライレイが解説してくれた。


「ゴロウジロー様は、お尻を叩いた反響音で、女性が妊娠しているかどうかわかるんだそうです」

「マジでッ!? 万能最強だとは思っていたけど、そっちの方面まで何でもありなの!?」

「……と、いうことはウチら全員ご懐妊? ついに念願のゴロやんの子種ゲットだぜ?」


 僕の子供を生ませろ生ませろ言っていたのは、オーク娘たちと出会って以来からずっとだからな。

 やったー! と皆それぞれに喜びを表明する。


「でも、尻なんか叩いてどうやって妊娠確認できるのよ? ペシペシ」

「……反響と言っても、フツーの尻と肉圧は変わらない気がする。より高い研究が必要。ペシペシ」


 リズとヨーテは、ライレイの尻で執拗に実証を試みていた。


「私のお尻ばかり叩かないでください!」

「「わー、王妃が怒ったーー!」」


 なんだこのコミカルな雰囲気?


「ふふふ……、まさか二十八万のメスオークを一挙に懐妊させてしまうとは、さすがゴロウジロー様ですわ」


『色欲』レリスが、妖艶に笑った。


「最強たるゴロウジロー様の血統を受け継いで生まれる二十八万の精鋭。その強さを想像するだけで絶頂してしまいそうですわ。これから襲いくる天界軍との戦いも、すべからく優位に進めることができるでしょう」

「それが問題なんだ……!」


 僕は震える声で言った。


「は?」「へ?」「はい?」「ハラショー?」「うふふ?」「にゃッ?」「ござっ?」


 もうすぐ父親になる。

 僕を襲うその事実は、同時に僕に恐ろしい想像をさせた。

 基本オークはオスしか生まれない。しかし半分ヴァルキリーの血統を受け継ぐ僕の種からは、男の女も生まれてくることだろう。

 息子はどうでもいい。割とマジでどうでもいい。

 しかし娘の方は、きっと母親たちに似て美しく可憐に育つことだろう。

 想像しただけで、可愛さに手が痺れてきそうだ。

 きっと可愛い、必ず可愛い。

 そんな娘たちの父親になれるなんて! 僕はなんと幸せな男なんだ!

 ああしかし! だがしかし!


「そんな可愛い娘たちが……、もし天界軍に襲われて……! レイプなり殺されたりしたら……!」


 そんなことを想像するだけで……。


「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 僕はそこら中を転げ回った。


「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ゴロウジロー様!?」

「どうしたのゴロウジロー!?」

「しっかり、気をたしかに」

「ゴロウジローが壊れた!?」


 辛すぎる!

 想像しただけで辛すぎる! 何か前にもあったような気がするこの展開!


「……ぼ、僕は決めたぞ」

「え?」


「天界軍を滅ぼす! 可愛い娘たちが生まれてくるより前に、娘他に危害を加えそうなヤツらを一人残らず根絶やしにする」

栄えある77話目に『七凄悪』集結というミラクルが書けました。

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