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62 事後

「いい加減にしろッ!!」


 いい加減怒られた。

 僕とライレイは並んで正座状態。

 その正面でメラメラと感情を憤らせるは、『七凄悪』の一人『傲慢』のリズだった。

 その顔が、ハイビスカスの花もかくやと言うほど真っ赤になっているのは、怒りのせいかはたまた羞恥心のせいか。


「まず……、ゴロウジロー!」

「はいッ!?」


 その声音の鋭さにビクリと姿勢を正してしまう。


「別にさあ、アンタがどこで誰とセックスしようなんて問題ないわよ……! そりゃ今やゴロウジローはオークの王様で、目につくメスは誰だろうと犯せる権利があるんだから。その点についてはアタシも口出ししないわよ。アタシだってそれくらいの分際は弁えてるわよ。……しかし!!」


 ドゥン!!

 とリズの指から放たれる閃光。

 彼女の必殺技シャイニング・プライド。

 恐らくは臨界に達して血管ぶち破れそうな昂ぶりを、ああしてガス抜きしているのだろう。

 だって、今あらぬ方向に放ったあの閃光。女体化する前より威力高いんですもん。

 ……あ、遠くの山が吹っ飛んだ。


「長すぎなのよ! ライレイを犯したまま朝から昼になって夜になって、また朝になってもアンアンアンアン繋がりっ放し!! アタシらが止めなかったら今でもヤリまくってたでしょう!! バランスを考えなさすぎ!」

「誠に申し訳ない……!」


 実のところ、オーク城に寝泊まりするオーク娘たちはすぐさま僕の不在に気づき、急いで探してまたすぐ僕を見つけたのだそうな。

 しかしその時、僕はライレイと真っ盛り中。

 普通ならここで頭引っ叩かれて、行為を止められるだろうが、そこはリズが前述した通り、今や僕はオークの王様。

 王様のおセックスを止める権限は誰にもないということで、しばらく放置。

 しかしあまりにも長く続くため、キレたリズが閃光放って無理やり止めた、と言うのがここまでの経緯であった。


「……ゴロやん、どういう心境の変化?」


 と尋ねてくるのはリズの背後で静かに佇んでいる『七凄悪』のさらなる一人、『強欲』ヨーテだった。

 心なしか、視線に恨めしさがこもっているような……?


「今までウチらがレイプしてくれって迫っても頑なに拒否ってたのに。今日になっての唐突な心変わり。ライやんをグチョグチョのドロドロになるまでレイプして、あとの掃除がとても大変だった」


 いや……。

 こちらも脱童貞だったので加減がわからなかったというか。


「それにレイプじゃないですし、合意の上でのラブラブセックスですし」

「レイプよりも激しかったよ……?」


 まあ、あれなのですよ。

 ガイアとの対話を経て、僕にも思うところがあったというか。

 どっちにしろ僕が種をバラ撒かないと、オークは滅びちゃいますからね。

 やるべきことは決まっていた。あとは僕の気もちの整理がつくかどうかだったのですよ。


「そんなことどうでもいいわよ!!」


 怒り心頭のリズが、ついに膝から折れて崩れ落ち、床をバシンバシン叩きだした。


「問題は! なんでライレイは犯しておいてアタシのことは犯してくれないのよ!? アタシも犯してよ! アタシだってゴロウジローの女なのよ!!」

「うん、いいよ」

「「えッ!?」」


 僕の快諾にリズどころかヨーテまで虚を突かれた困惑顔。


「あの……、今なんて言ったの?」

「だからリズともセックスするよ? あとヨーテとも、ヨーテが望んでくれればだけど」

「する! します、するです、ゴロやんとセックスする!!」


 ヨーテの口調が今までにないレベルでの早送り。


「ええぇ……? でも本当にいいの!? これまで頑なにそっち方面の展開にはいかなかったのに」

「気持ちの整理は一通りついたしね」


 と言いつつ、リズの手を引っ張って抱き寄せる。


「あっ……!?」


 抱きしめながら、服の中の色々なところに手を忍び込ませる。


「あっ、あっ、そんなゴロウジロー……! 積極的で素敵……!」


 リズは早くも目をトロンと潤ませた。


「うにゃーー!! ゴロやんゴロやん! ウチが先! ゴロやんの子種全部ウチが貰うの!!」

「うっさいわね! 今はアタシの番なの! シッシッ、あっちい……! ッ!? にゃうんッ!?」


 僕の愛撫を受けながら、ヨーテと吠え掛け合うリズ。

 面白そうなのでもう少し可愛がろうと思ったが……。


「その前に……!」


 いやらしい手の動きを止める。


「えッ!?」

「決めなければいけないことがある」


 決めなければいけないこと。

 それ何かと尋ねたら。


「王妃を決めようと思う」

「「おうひ?」」


 声を揃えて復唱するリズとヨーテ。


「ご存知の通り僕はオークたちの王になった。これからオークたちを率いてまとめていかなければいけない」


 そのためにも、我が統治を補佐してくれるパートナーが必要と言うことだ。

 僕の手が離せない時に緊急の指揮を取ったり、悩んだ時相談に乗ってくれたり、そういう相手が欲しいなと言うことだ。


 実質上ナンバー2。

 そして僕がはっちゃけたおかげで僕以外はすべてオーク娘になっちった以上、ナンバー2は必然的に僕にもっとも近しい配偶者ということになり……。


「つまりは王妃と言うことなのだ。僕が王だから」

「「はいはいはーい!!」」


 リズとヨーテが一斉に手を挙げた。


「その王妃って、アタシよね!? アタシのことよね!? なにせアタシは『七凄悪』でもっとも優れた『傲慢』を持つアタシこそが王妃に……! あ、あとおっぱい揉む手は止めないでください!」

「何言ってるの。ウチですよウチ。ウチこそがゴロやんの王妃になって……! あとウチのことも抱きしめて色々揉んでお願いします……!」


 二人とも躍起になっているところ申し訳ないが……。


「王妃になる人は、決めてある」

「「えぇー……?」」


 それが誰かと言うと……。

 ここに最初からいて、それなのにまだ一言も発していない人。


 ついさっき処女を失ったばかりの僕の女。ライレイさんなのですが……。

翌日より一日一話の掲載ペースとなります。

これからもよろしくお願いいたします!

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