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宝石の子供達  作者: 港瀬つかさ
黄の騎士団長コンビ関連

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46/54

綺羅星(ガレルドとアスティー)

 その2人は、黄の王国において最高の人物と呼ばれている。



 明るく短い銀の巻き毛に黄金色の瞳を持つアスティー・ピルゲーナ。長い漆黒の髪に藍色の双眸を持つガレルド・マレバリア。前者は大貴族ピルゲーナ家の次期当主にしてアイル騎士団の団長。後者は養子ながらマレバリア家の次期当主であり、リーダス騎士団の団長。共に優れた才能と容姿を持つ2人は、唯一無二の親友として知られている。


「アス、何やってるんだ?」

「んー。いや、両雄並び立たずって言葉があったなぁ、と思って。」

「……俺とお前の事か?」

「そこで謙遜せずに自分が出せるお前って凄いと思うぞ。」

「お前もな。」


 サラリと言い返されて、アスティーは言葉に詰まった。しかし、彼は次の瞬間平然と口を開いた。手の中で弄んでいたグラスを取り落とさなかった自分を、他の誰が何と言おうと褒めてやりたくなったガレルドである。


「間抜けの国王以上に優れた俺だぞ。他の誰が叶うと思う?」

「……お前、それ不敬罪。」

「安心しろ。誰も聞いてないし、我が家の使用人達は聞いていても聞き流す。」

「……主に似たんだな。」

「お前のところも似たようなモノだろう?」

「否定はしないがな。」


 ソファの上でふんぞり返る親友を見て、ガレルドは肩を竦めた。アスティーは立ち上がると、ガレルドの頬に手を伸ばす。うっすらと頬に残る傷跡は、手合わせの際にうっかりアスティーが負わせた傷だった。拮抗した腕前だからこそ手加減などできない2人である。どちらかが怪我をするのは、別に珍しい事ではなかった。

 頬に触れた指先、それに、ガレルドは掌を重ねた。傷跡ごと、包み込むように触れる。戸惑うような素振りはなかった。ただ、少し拗ねたような顔をするアスティーがいた。


「治してやろうか?」

「いらない。肝に銘じておくさ、お前に負けないように。」

「俺は消したいぞ、その跡。」

「そういうな、アスティー。俺達が実力拮抗なのは昔から解っている事だ。」


 そして、だからこそ彼等はこうして共に在るのだ。両雄並び立ち、共にいる為に生きている。愛する王国を守る為に、この国の守護の両翼として。そして何より、大切な相棒を守る為に。



 輝き誇る一対の英雄が、黄の王国には存在する。

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