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002

お嬢様見つかる

 タスクは大きな屋敷に案内され、リビングのような部屋にいた。

 少女を大人達に託して、立ち去るつもりでいたが、タスクの首を、少女ががっちりフォールドしており、引き離そうとするとタスクが苦しがるわ、更に何とか引き離そうとすると、悪い夢でも見ているのか、泣きながら悲鳴をあげる少女に根負けし、とりあえず屋敷までタスクが連れて帰った後、通されたのだ。


 ついでなので夕べから何も食べていなかった事をさり気無くアピールする(単に腹の虫が悲鳴をあげただけなのだが)。

 屋敷に到着すると、待ち構えていた執事や乳母たちが少女をゆっくり引き離し、何処かへ連れて行く。


 急に軽くなった背中をぐっと伸ばし、黒い短髪を、動物がよくする動作のようにぶるぶる振ると、少年は肩をまわした。

 少女のお尻を剣で固定して運んでいたので、がっしり剣を掴んでいた事を思い出したタスクは腰帯に剣を差し込なおした。


 正直、お小遣いの一つも渡してくれるか、何か食べさせて貰えるかと期待したが、そんな様子は無くてガッカリする。

 一度だけ金髪を夜会巻きにしたメイドが、お茶とお茶菓子を持って現れ、また出て行った。

 出して貰ったお茶を飲み、菓子を胃袋に満たしつつ、最初は天井に吊るされた大きなシャンデリアを見上げていたり、革で出来たソファの弾力を確かめたり、クッションの細かな刺繍を指でなぞったりしていたが、次第にそれも飽きてくる。


空腹時に甘い物を食べると気持ちが悪くなると初めて知る。

気分が悪くなって来たので、お茶をおかわりすると、少しマシになって来た。

 ソファに斜めに腰掛けたまま、肘掛に文字通り肘を掛けて、視線のみで床を見下ろす。

 左手で自分の顔を支えながら、床のタイル状に張り巡らされた大理石を数えてみたが、15枚目でやめた。


 鎧姿の男が、ドアをノックすると同時に入室して来たからだ。

「この度は、タィンヒル王国クルセウス家領主のご息女フィオナ様を救って頂き、誠に感謝する。」

 男はタスクに握手を求め、しっかり力強く手を握りつつ自己紹介する。


「私は、この領内の騎士団長に従事しているアール=レビンソンだ。今年28歳になる。」

 氏名と一緒に年齢も言ったのは、少々不自然でもタスクの年齢が解るかと思っての行動だ。


 とかく冒険者は苦労が顔に滲み出るせいか、見た目より年齢が若い事が多いので、14~5歳に見えるタスクも、実はもっと若いのかも知れないと思って尋ねてみたのである。

「タスクです。…10歳だ。」

 少年はあっさり名乗って年齢も伝えてから、求められた握手に応え、鎧の男を見上げる。


 タスクの身長は、160cm程だろう。

 方やアール=レビンソンは、頭一つ分背が高い。

 180cm超えているだろうか。

 西大陸特有の掘り深い顔立ちに、淡い色をした茶髪を後ろに撫でつけた、澄んだ濃い青色の目がタスクを優しく見下ろしていた。


 タィンヒル王国と言えば、西大陸で大きな国では無い。

 常に隣国ブリッジーン王国との交流が悪いとかで、小競り合いで勝ったの負けたのと領土の鬩ぎ合いを繰り返していると言う話はよく聞く。

 タスクも詳しい世情を知らないものの、その程度の噂は耳にしていた。


 流石にクルセウス家は、タィンヒル王国の西側国境警備を行っており、ジュード=クルセウスが国境領土の管理についてからと言うもの、一度として隣国に領土を明け渡した事が無い。

 と言う細かな評判までは知らないが。


 ただ最近、前国王が退位したんだか、誰ぞが死んだとか、新国王が生まれたとか、即位式が盛大に行われたとか、暗いニュースから明るいニュースまで揃っている忙しい国だと風の噂で聞いた程度である。


 タスクが自身の記憶をまさぐっていると、アール=レビンソンと目が合い、素直で宜しいと褒められた。

 何でだ?と首を傾げていると、精悍な顔立ちに優しげな微笑を向けながら、騎士団長殿はアールと呼ぶように指示した後、タスクの簡単なプロフィールと事情説明を求めた。

 あっさり年齢まで教えてくれるんじゃ、もっと突っ込んだ事を聞いても問題無さそうだと踏まれた事をタスクは知らない。


 氏名:タスク

 年齢:10歳

 北欧大陸出身の冒険者で家族は無し。

 北欧大陸から東大陸経由で、西大陸へ旅をしている。

 さして目的は無いが、西大陸をあらかた一周したら、南大陸へ渡る予定。


 何とも簡単な自己紹介を済ませ、タスクはさっさと森での一件を話し始めた。

 アールはもっと色々聞きたそうにしていたが、それは後でも良いと思い直したのか、少年の言葉に耳を傾けた。

これ以上直す箇所が無い。と思って更新していても何かしらあるものですね。

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