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act20それぞれの夢

×月○日

琉依がみんなにイギリスへ行くことを告げてから数日…、ちゃんと考えるからずっと琉依とは会っていない。その間に琉依はちゃんと自分の未来に向けて準備しているに違いない。頑張っている琉依の為にもちゃんと考えないといけない……いけないのだけど……。

 

 琉依の衝撃の告白から数日が経ったが、私達はいつもと変わらない日々を過ごしていた。ただ、今までと違うのはその場に琉依がいないという事……。

 琉依が正式に退学を申請した時、やはり教授達から止められたらしい。だが、そんな教授達の熱意よりも琉依の決意の方が強かった為、しぶしぶ受理していたと琉依が教えてくれた。


 あれから、琉依は着々とイギリスへ行く準備をしている。困らない程度の英会話は出来ていたし、パスポートも持っている。荷物を整理して、送るだけの準備……。琉依は自分の夢を叶える為にちゃんと行動している。


 でも、私は?

 私は何の為にイギリスへ行くのか。琉依と一緒にいたいから? それなら、自分は何をしたいのか琉依に言える? 自分も琉依のように夢があると、琉依の前で堂々としていられる?


 「なっつみ〜! さっきから何、ボーっとしているの?」

 考え事……。自分のこれからの事を考えていました。そういえば、図書館で梓と蓮子と調べ物してる途中だった。

 蓮子は梓と顔を合わせている。ふと、蓮子が持っていたカタログに目が移った。

 「介護士……? 蓮子、アンタ介護士になりたいの?」

 「まぁね。一応、社会学部で福祉を学んでいますから?」


 梓は医者になりたいとずっと言っていた。伊織はデザイナー、渉は体育教師……みんな、ちゃんと夢を持っている。

 自分一人が置いていかれてる気がした。私も昔から得意だった英語を生かした仕事に就きたいと思って、国際学部を受験した。それなのに、みんなよりも夢に突き進めていない……。

 「みんなも頑張っているんだね」

 「だって、ずっとやりたいと思っていた事なんだもん。中途半端では投げ出したくないからね」

 中途半端……。梓が言ったその言葉は琉依も言っていた。


 「あれ? 何しているの?」

 三人で夢について話をしている中、浅井クンが大量の資料を持ってやって来た。資料には、弁護士という文字がたくさん記されていた。

 「尚弥、あなた弁護士になりたいの?」

 蓮子が尋ねると、浅井クンは資料を机の上に乗せて梓の隣に座った。

 「うん。だから、法学部に編入しようと試験勉強中」

 何にも興味が無いと言っていた浅井クンもちゃんと夢に向かっている。また、置いていかれているよ。

 「凄いね! 弁護士の勉強は大変そうだから頑張ってね」

 「倉田の医者になる夢も凄いよ。俺も“影の浅井”から表に出れるように頑張るよ」

 こうしてみんな夢に向かって頑張っているのに、自分は何をしているのか……。自分のしたい事もわからないまま、琉依について行こうとしていた。私は、また琉依に甘えてしまう所だったんだ。


 「槻岡サンは、どうするの?」

 浅井クンが尋ねてきたこの質問の意味は分かっている。

 “宇佐美とイギリスへ行くの?”

 この間までなら、笑顔で頷いていたはずだ。でも、今は……。

 「君の未来は、宇佐美や他人ではなく君自身が決める事なんだよ」

 彼の言葉には、どうしていつも私の心を動かすほどの力があるのか……。

 「うん、ありがとう」

 本当に不思議だね……。彼のおかげで、さっきまで落ち込んでいたのがもう元気さを取り戻している。


 図書館を出て蓮子たちと別れると、バッグから一枚の紙を取り出した。


 “退学届” 


 そう書かれた紙を確認すると、きれいに折って再びバッグの中に入れた。そして、歩きながら携帯を取り出して電話を掛ける。


 「琉依? 今から家に行ってもいい?」

 琉依から了承を得ると、電話を切って琉依の家へ向かう。


 私はやっぱり琉依が大好き……、一緒にいたいです。

 心の中に一つの決意を秘めて、私はあなたの家に向かう。ちゃんと考えた私の気持ちをあなたに伝える為に……。


 好きだよ、琉依。

 これからもあなたを愛している……。




20話完了です! 本当にありがとうございます!

これからも頑張りますので、よろしくお願い致します!

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