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ハーレム目指して何が悪い  作者: かいむ
第1章 異世界と冒険者
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第6話 エルフ

 朝起きると知らない天井だった。


「……そうか、異世界に来たんだ」


 昨日考えた結果、一人では目立つし、何があるか分からないと思った俺は、奴隷を買おうかと思っている。出来れば魔法が使えるとうれしい。俺が使えないからな。


 それに俺はこの世界の常識に疎いから、そこら辺も聞きたいし。ついでに可愛い女の子がいい!


「よし、今日は奴隷商に行こう!」


 何だか独り言が多くなってきた気がする。マズイな早く話し相手が欲しい。


 俺は食堂でご飯を食べて、宿を出る。町は朝早くから活気があった。皆早起きだな。


 奴隷商の建物に着く、建物は意外と綺麗で大きいかった。中に入って受付に話し掛ける。


「すみません、ハヤトと言う者ですけど、オスカーさんは居ますか?」


「少々、お待ち下さい」


 奥に入って行く。少しすると戻ってきた。


「こちらにどうぞ」


 ついていくと、応接間に案内された。ちゃんと、オスカーさんが対応してくれるみたいだ。少しすると、相変わらず高そうな服を着たオスカーさんが現れた。どうも奴隷商ってのは儲けるみたいだ。


「ハヤト様、本日は来て頂いてありがとうごさいます」


「ええ、オスカーさんのおかげでギルドに登録出来たし、賞金を手に入れる事もできました。ありがとうございます」


「いえ、こちらこそ。それで、今日はどのような用件で?」


「実は奴隷を探しに来ました」


「それは、どの様な奴隷ですか?」


「その前に聞いておきたいんですが、奴隷は、どんなやつがなるんですか?」


 俺は気になっていた事を聞く。


「奴隷は犯罪者か身売りなどが殆どですね」


「犯罪者の場合は危険じゃないんですか?」


「大丈夫ですよ、主人の命令を聞く様に魔道具を付けていますので、犯罪行為をさせるなどの命令以外には逆らえません」


 魔道具か、魔法があるから当然か。まあ、自分が買った奴隷に殺されたくはないからな。


「魔法を使える、できれば可愛い女の子はいますか?」


 やっぱり可愛い女の子の主人になりたいでしょ。しかも命令を聞くって言っている。男の夢だな。


「魔法を使える女の子ですか? ん~、あっ、そういえば、エルフの若いのが居ました。女の子と言えるかは微妙ですが」


「マジですか!!」


 エルフか、エルフと言ったら美人と相場が決まっている。本当にいるとは、驚きだ。


「でも、エルフは値が張りますよ」


 高いのか、相場がどれくらいか分からないから分からん。だが、三万セールまでならいける。男の夢の為だ! 全財産を投げ出してでも買ってやる。


「とは言っても、命の恩人ですしあのエルフは少々口が悪いので、少し安くしますけど。一旦連れて来させますので少し待っていて下さい」


 そう言って、出て行った。エルフか、楽しみだな。俺は知らず知らずの間に笑みを浮かべていた。




「こ、これは……」


 思わず声が出た。


 オスカーさんと共に、エルフが入って来た。透き通る様な銀髪と吸い込まれそうな緑のつり目を持ったエルフだった。美人だ……、物凄く美人だ……。


 背は俺と同じぐらいだ。何と言ってもスタイルがいい。体は細いのに出る所は出ている。あの胸に顔を埋めたい。


「いかがですか。なかなかでしょう。ちなみに処女ですよ」


 見とれているとオスカーさんが話し掛けてきた。


 し、処女!


 た、多分、奴隷の価値に関わってくるんだろう。


 俺は思わず唾を飲み込む。是非とも欲しい。


「い、いくら何ですか?」


 恐る恐る聞いてみる。頼む、俺の手が出る値段で。


「ハヤト様には恩もありますし……二万セールでどうでしょう?」


「買います!!」

 

 即決した。俺は言ったそばから金貨二枚を渡す。


「あ、ありがとうごさいます。では契約をしますから立って頂けますか」


 するとエルフも近くに来た。近くで見るとより綺麗だ。


 オスカーさんは俺の手を、エルフの右手に着けている腕輪に持って行く。オスカーさんが短い呪文を唱えると、腕輪が光った。


「これで、ハヤト様が主人になります」


 俺が驚いて、呆然としているとオスカーさんが話し掛けて来る。これでいいのか? 特に何ともなかったが。


「奴隷を解放したい時は、腕輪に触りながら呪文を唱える事で、出来ます。また、奴隷には住む所と必要な食事を与える義務があります」


 そう言って、解放の呪文を教えてくれる。


「えっと、俺はハヤト。これからよろしく」


俺はとりあえず、エルフとコミュニケーションを取る事を試みる。


「…………」


 反応がない。


「え~と、君の名前は?」


「……それは命令ですか?」


「いや命令じゃないけど、教えて欲しいなと」


 エルフはキリがないと思ったのか、不機嫌そうに答える。


「私はミルシアです」


 ミルシアはそれっきり黙ってしまった。先が思いやられるな。


 俺は、オスカーさんに挨拶して、ミルシアを連れて外に出た。とりあえずミルシアの装備を整えようと思いミルシアに尋ねる。


「ミルシアって、魔法を使えるんだよね?」


「はい、使えます」


「何か武器って要るの?」


「ナイフがあれば」


「防具は何か着けるの?」


「必要ありません」


「じゃあ、服は要るよね」


「要ります」


 会話が弾まない! ミルシアは聞かれた事を答えるだけで、会話が続かない。


 とりあえずミルシアが要ると言った、ナイフを買った。五十セールの安いのでいいと言う。多分護身用だろう。ずっと魔法を使う訳にもいかないだろうから。


 服屋ではフード付きのローブを買った。いかにも魔法使いっていう格好だ。


 他にも下着や普段着を少し買った。合計、百五十セールになった。


 一通り装備を整えたし、ギルドに登録しに行こう。


「ミルシア、ギルドに登録しに行くよ」


「はい」


 さっきからミルシアの、受け答えは短い。……悲しいな、やっぱり奴隷として買ったから、俺、嫌われてるのかな。


 ギルドに入ると周りから注目された。ミルシアは美人のエルフだからな。エルフと言えど、このレベルは中々いないはずだ。


 受付には昨日のミリアさんがいた。


「すみません、この子を登録したいんですけど」


「はい、この用紙に記入して下さい」


 俺が登録料の十セールを払っている間に、記入し終わっていた。


 名前だけで他は空欄だ。……まあいいか。特に問題はないし。


「ミルシアさんですね。ギルドの説明はいりますか?」


「いいえ、俺が説明しときますから大丈夫です。さあ、ミルシア行くぞ」


 そう言ってギルドを出る。向かいの宿屋に入ると、シミルさんがいた。


「すみません、二人部屋に変えてほしいんですけど」


「おや、奴隷でも買ったのかい? 別に料金はこのままでいいよ」


「ホントですか?ありがとうございます」


 シミルさんに二人部屋に案内してもらうと、一人部屋と大きさはあまし変わらない部屋に、ベッドが二つ置いてあった。


「では、ごゆっくり。食事はもう大丈夫ですよ」


「じゃあ、今から食事にします」


 俺はミルシアをつれて食堂に行った。ここでも、やはり注目される。


 食べ終わって、風呂にも入って部屋に戻ると、ミルシアはもう既に部屋にいた。俺はミルシアにギルドの説明をした。元々知っていたらしく、殆ど必要なかった。


 それが終わると、することがなくなった。


「あ~、もう寝るか?」


 俺はそう言って自分のベッドに入る。そして、寝ようとしていると、後ろから声を掛けられる。


「何もしないの……?」


「えっ」


 驚いた、俺の気持ちを読まれたかと思った。俺はミルシアの事が気になって眠れそうになかったからな。同じ部屋であんな美人と寝るなんて出来そうにない。


「そりゃ、したいけど。ミルシアが嫌そうだったから」


 俺は無理矢理とか、嫌いなんだ。


「……なんで?」


「えっ」


 よく聞こえなかった。


 すると、ミルシアはベッドに入って行った。まあいいか。


 俺も何とか夢の世界に旅立った。


ご感想お待ちしています。


2012 2/02 加筆修正

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