表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーレム目指して何が悪い  作者: かいむ
第1章 異世界と冒険者
17/54

第16話 ダンジョン探索

 ダンジョンの入口に着いた時には、もう日が落ちていた。


「もう、暗くなったし今日は外で野宿にするか」


「はい、ちょうどあちらに良い開けた場所が有りました」


「じゃあそこに行こう」


 そこで野宿する事にした。俺は今まで背負っていたでかいリュックを下ろすと、中からテントを出して張る。


 テントなんて張った事がなかったから手間取り、ミルシアに馬鹿にされながらも張る。


 木の枝を集めて来て焚火をする。食事は持ってきた食材を焚火で温めて食べた。思っていたよりは旨かった。


 見張りを交代でする事にする。先にミルシアがする事になったから、俺はテントに入って横になった。眠気はすぐに襲ってきた。




「ハヤト様、起きて下さい」


 ミルシアに起こされる。もう交代の時間か、早いな。全然寝た気がしない。


「ふぁ~、了解交代だな」


 俺は欠伸をしながら起き上がり、ミルシアと見張りを交代する。


 ミルシアは俺と代わると、すぐに寝たみたいだ。寝息が聞こえてくる。見張りって言っても何もする事がない。ハッキリ言って暇だな。


 そういえばこの世界に来てからもう一週間ぐらいか? いや、まだかな? よく覚えてないな。


 こっちでは、毎日の内容が濃すぎて、もう一ヶ月はいる気がしてくるから不思議だな。実際は一週間たったかどうかってところなのに。


 地球の何のないダラダラした生活が懐かしいな。でも、こっちに来れてよかったのかな、俺にとったら。あのまま、あっちの世界でいたら、碌な大人に成らなかっただろうし、今の生活は大変だけど、俺は満足してるしな。




 気が付くと、いつの間にか朝になっていた。ヤバッ、俺寝てた! 見張りの意味ないじゃん。急いで周りを見るとミルシアが、気持ち良さそうに寝ていた。


 よかった。何もなかったみたいだな。それに寝ていたことも気付かれてなさそうだな。


 俺はホッとしてミルシアを起こしに行く。


「ミルシア、朝だぞ~。起きないと目覚めのキスを――」


「必要ありません!」


「そ、そうか……」


 ミルシアはガバッと起き、俺から離れる。そんなに嫌だったのか。へこむな。


 飯を食ってすぐに、ダンジョンの洞窟に向かう。


 ダンジョンの入口は、特にどうって事はない普通の洞窟みたいな感じだった。


「なあミルシアここで良いんだよな? めちゃくちゃ普通の洞窟だけど」


 俺は不安になって聞く。


「ええ、ダンジョンと言っても、元は普通の洞窟なので仕方がないのでしょう」


 中は意外と広く、5人くらい並べる幅に天井も結構高い。二、三メートルはあるんじゃないか。


 暗いのを予想していたけど、壁や天井が薄く光っていて、案外明るい。


 進んでいくと、すぐに別れ道が現れる。やっぱり中は入り組んだりしているのかな? ダンジョンというだけはあるな。迷いそうだ。


「なあ、どっちに行く?」


「どうしましょう? 私もどうすれば良いか分かりません」


「ん~、あれだ。ずっと同じ壁を伝って行くとかは?」


 俺は迷路で使う方法を提案する。


「そうですね、悪くはないですね。ただ、時間が掛かるでしょうが」


「まあ、それしかないからしょうがないだろ。迷うのは嫌だし」


 右の壁を伝って行く事にして、ずっと右側を進んで行く。すれと、すぐに別れ道にたどり着く。


 やはり右に進む。


 別れ道に着く。


 右に進む。


 別れ道。


 右。


 別――


「って、魔物はどうした! ダンジョンには沢山いるんじゃないのか!」


 俺は肩透かしに会い、思わず叫んでしまった。


 何でこんなに何も出ないんだ? ここがダンジョンじゃないのか、と心配になるだろう。


「静かにして下さい! 多分、他の冒険者が先に倒しているんでしょう」


 ミルシアに睨また。ス、スミマセン。


「そうなのか? でも、その割に他の冒険者に会わないけど」


「このダンジョンが結構広いからでしょう。それに、たまたま私達と同じルートを先に進んでる人でもいるのでしょう」


「でも、今からルートを変えると迷うし、まあ楽だし、このまま行くか」


「そうですね」


 その後も右側に沿って歩き続けると、前から猿みたいな魔物が出て来る。


「ミルシア、やっと出たぞ!」


 魔物を見つけて、何故か嬉しくなるという矛盾。


「来ます。気を付けて下さい」


「えっ!?」


 猿を見ると、杖の様な物を持っていた。


「キャキャキャキャー!」


 猿が奇声を発すると、杖の先に火の玉が現れる。


「キー!」


 杖が振られると人の頭ほどの火の玉が飛んで来る。


「うわっ!」


 油断していた。まさか魔法を使うとは。避けきれないと思った瞬間、突然水の玉が飛んできて、火の玉と衝突する。


 水が蒸発するような音が聞こえ、辺りが水蒸気で覆われる。


「ハヤト様! 大丈夫ですか?」


「ミルシア、ありがとう助かった!」


 俺はミルシアに礼を言いながら、左の剣を抜く。俺は水蒸気の中に突っ込む。魔力を剣に込めると剣は火を纏う。俺は思い切って、魔物がいると思われる所に切り込む。


 俺の右手には確かな手応えがあり、火に覆われる魔物。


 火が消えると地面には魔石が残っていた。魔石は綺麗な緑色で透明だった。大きさは拳ほど。


 魔石を回収してミルシアの所に行く。


「焦った、魔法を使える魔物がいたのか!」


「ええ、私も知りませんでした」


 ミルシアも知らなかったのか。う~ん、魔法を使えるのは珍しいのかな?


 とにもかくにも、次は先手を打たれない様に注意しよう。


 その後も、右沿いに進んで行く。魔物は何体か出て来たけど、みんな単体ですぐに倒せた。


「疲れてきたな~」


「そうですね。もう結構な時間が経っていると思います」


 ダンジョンの中にいると太陽がないから、時間の経過が分からなくなる。ほとんど、歩いてるだけなんだけど、すごく疲れる。


「そろそろ、何処かで休もうぜ」


「ええ、休める場所を探しましょう」


 探すって言っても、あまり魔物がいないから何処でも変わらない気がするけど……。


 少し進むと、ちょうどいい具合に開けた所に出た。


「よ~し、ここで休もう!」


 俺とミルシアは座って、持ってきた食べ物を食べる。


 俺は集めた魔石を取り出し眺める。


 魔石の色は様々で、緑や青、赤、黄色などがあった。全て透明で大きなビー玉みたいだった。どうやら、魔物によって色が変わるみたいだ。


「なぁ、ミルシア。主って何処にいるんだろう?」


「私に聞かないで下さい。私も知りたいです」


「ん~、そうだよな。じゃあ――」


「キャァァァァァァー!」


「――えっ何だ?」


 突然、洞窟の奥から悲鳴が聞こえてきた。


ご感想などお待ちしています。


2012 2/14 加筆修正

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ