第2話 自分のことを知ろう
──すでに死んだはずのわたしが目を開く。
Q:ここはどこでしょう?
「……! ひっろ〜い!!」
A:アマリス村のだだっ広い草原!
「ほんとに転生したんだ……」
信じられない。まさか本当に生まれ変われるなんて。え、また意識の中の世界じゃないよね? 試しにほっぺたをつねってみる。
「いたたた……」
うん。紛れもなく現実だ。わたしは生きてる。よくよく考えたら、目も開けられるし、声も出せるのに意識の中の世界なわけがないか。
体を起こすと、銀色の長い髪が目に映る。一応白い髪をリクエストはしたけど、銀っぽいくらいなら全然許容範囲だ。
ん? この本は……
『異世界生活のすすめ〜リメロップ篇〜』
あ〜、必ず目を通してって言ってたやつね。リメロップ篇ってことは、これ全世界分あるってこと? だとするととんでもない量だな……しかも分厚すぎる。何が書いてあるの?
『転生おめでとうございます。あなたはこれからリメロップで生活していきます』
お、カタカナじゃなくて読みやすい。
『リクエストを遵守したうえで、いくつかサービスも入れて設定しました。それでは、良いリメロップライフを!』
リメロップライフか〜、楽しみだな〜! あとサービスってなんだろ? まあ後でわかるか。さて、とりあえず目次を……
『目次
①基本プロフィール
②ステータス
③その他設定
④リメロップについて
⑤アマリス村について
⑥リメロップで暮らしていくにあたって』
ふむ、じゃあとりあえずひとつずつ見ていこっかな。
『【①基本プロフィール】
名前:カナ
性別:女
年齢:13歳
誕生日:9月16日』
なるほど……って、え? ちょっと待って。プロフィールがわたし向けになってるってことは、これって完全オーダーメイド? さっきとんでもない量ってわかったのに、オーダーメイドとか、どんだけの労力かかってるんだろ。けど、転生するときに考えたことがそのまま伝わるシステムがあったくらいだし、このくらい容易いのかな……
何はともあれ、「カナ」か。前世が「瀬田加奈」だったから、名前がそのまんまカタカナになったのね。誕生日も同じっぽい。
『次ページ→②ステータス』
みじかっ。1ページで終わったけど。なんでこの本こんな分厚いの。
『【②ステータス】
Lv1
HP:1500/1500
攻撃力:600
防御力:500
素早さ:100
体力:10
筋力:10
スキル:空間収納(Lv1)・植物鑑定(Lv1)・咲花(Lv1)
MP:5000/5000
属性:火(Lv1)・水(Lv1)・光(Lv1)』
う〜ん、これだけ見てもいいのか悪いのかわかんないなぁ……あ、けどちゃんと説明がある!
『〈ステータスの説明〉
まず、ステータスとは、身体能力および武器や魔法などの能力を表したものです。Lv・HP・攻撃力・防御力・素早さ・体力・スキルは、全員に共通のステータスです。
逆にそれ以外は、武器や魔法などの個々が持っている能力に応じたものになります。カナさんの場合だと、魔法使いなので、MP・属性が表示されています。
ステータスの値やスキルなどの種類は、運動をしたり、魔物と戦ったり、薬草を摘んだりと様々なことで上昇し、また運動不足が続いたりすると減少することもあります』
なるほど。まあ、よくあるやつだね。けど減少もあるのか。
『ここから、各種ステータスの説明に入りますが、この説明には《冒険者》というワードが複数出てきます。詳しくは《④リメロップについて》で説明しますが、説明を理解するうえで、冒険者には高い順に《S→A→B→C→D→E》のランクがあり、Bランクで一人前になれることを知っておいてください』
この世界にも冒険者がいるのか。まあ、さっき「武器」とか出てきてたしね。
『〈Lv〉
1〜99まであります。ギルドからの依頼を受けることで上昇します。また、魔物の討伐などをした場合、ギルドからの依頼でなくてもレベルが上昇することがあります。このステータスは減少しません。
Bランクの人は50程度まで達していることが多いです。一般人にも一応ステータスが表示されていますが、もちろん1がほとんどです』
要は冒険者専用経験ステータス、みたいな感じか……
『〈HP〉
要はライフです。0になると瀕死状態になります。剣や矢などの物理攻撃、魔法などの攻撃で減少します。回復魔法やポーション、時間経過などにより回復します。
Sランクで8000,Bランクで4000、Eランク・一般人で500程度が一般的です』
となるとわたしは1500だから一般人の3倍か……転生したてでこれはいいんじゃない?
『〈攻撃力〉
名前の通りです。
Sランクで5000、Bランクで2000、Eランク・一般人で100程度が一般的です。
〈防御力〉
これも名前の通りです。
攻撃力と同じように、Sランクで5000、Bランクで2000、Eランク・一般人で100程度が一般的です』
ふむふむ……じゃあこれも600と500だから一般人より何倍も高いね。けどやっぱBランクとかには足元にも及ばないか……
『〈素早さ〉
これもまた名前の通りです。
これは個人差が大きく、また剣士や魔法使い、ヒーラーなどの役割によっても左右されるので一概には言えませんが、高い人で1000、一般人で100程度が目安です。上がり・下がり幅が他のステータスに比べ小さめです。
〈体力〉
名前の通りですが、ここでいう《体力》とは、持久力と似た意味で使われる、一般的な意味なのでご注意を。
このステータスも上がり・下がり幅が小さめで、Sランクで1000、Bランクで500、Eランク・一般人で100程度が一般的です。
〈筋力〉
名前の通りです。
体力と同様、Sランクで1000、Bランクで500、Eランク・一般人で100程度が一般的です』
うぇ……素早さは一般人並みだけど、体力と筋力が10……どうしよ、一般人の10分の1だ……
『〈スキル〉
この世界には様々なスキル──簡単に言うと便利技があり、人ごとに違います。一般人はスキルを持っていない人が大半ですが、冒険者は半分程度の人がスキルを所持しています。総じてスキルを持っている人は全人口の20〜30%程度です。また2つのスキルを持っている人は全人口の約5%、3つのスキルを持っている人は約2%ほどしかいません』
はい? わたしさっき3つのスキルあったよね? 2%……? あ〜、サービスってこれのことか……
『また、スキルにもレベルがあり、そのスキルをたくさん活用することで上昇します。また、ステータスの値が上昇するときと同じように、その他の様々なことによっても上昇することがあります。減少はなく、上限は10または5です。また、ひとつ全スキルの共通事項があり、最初のうちは詠唱しないと使えませんが、どのスキルもLv3になると念じるだけで使用可能になります』
なるほど、じゃあいっぱい使い倒さないとね!
『では、カナさんの所持スキルについて説明します。
[空間収納(MAXレベル10]
このスキルを使うと、自分用の収納の空間を作り出し、そこに物を入れることができます。キラキラしたワープゾーンのようなものが出てくるので、そこに手を入れて、物を入れる、または取り出したいものを念じて取り出してください。
レベルが上がると、収納できる物の総体積・総重量の制限が緩くなっていきます。
※体積の単位は立方センチメートル、重量の単位はグラム
Lv1:総体積8000以内、総重量1000以内
Lv2:総体積27000以内、総重量2000以内
Lv3:総体積64000以内、総重量3000以内
Lv4:総体積125000以内、総重量5000以内
Lv5:総体積216000以内、総重量7000以内
Lv6:総体積343000以内、総重量8000以内
Lv7:総体積512000以内、総重量10000以内
Lv8:総体積729000以内、総重量12000以内
Lv9:総体積1000000以内、総重量15000以内
Lv10:ともに無制限
魔物などは大型で重いものもいるので、早めのレベルアップをおすすめします』
うわ、めっちゃ便利〜! 助かる〜! にしても数字が大きすぎやしませんか?
『[植物鑑定(MAXレベル5)]
植物、例えば薬草やキノコが何の種類か、名前や説明を確認することができます。対象の植物に手をかざして、スキルを発動してください。
レベルが上がると、確認できる項目が増えます。
Lv1:名前のみ
Lv2:+使用用途・毒性の有無
Lv3:+需要(5〜1)
Lv4:+ひとこと説明
Lv5:説明がより詳細に
レベル3程度まで上げておけば十分実用的なスキルになりますが、薬草採取やキノコ採取などをメインで行う場合には、レベル4・5まで上げておいたほうがいいです』
『[咲花(MAXレベル5)]
カナさんが元いた世界にはこんな言葉がなかったと思いますが、漢字から推測が容易だと思います。花を咲かせることができるスキルです。前世で花が好きだったようなので、つけておきました! 視界の中から花を咲かせたい場所と種類をイメージして、スキルを発動することで咲かせることができます(土に植えるのか、花瓶に生けるのかなど状況に合った咲き方に自動調整されます)。
レベルが上がると、一度に咲かせることのできる面積・花の種類が上昇します。
※面積の単位は平方センチメートル
レベル1:面積100、種類1
レベル2:面積900、種類3
レベル3:面積2500、種類5
レベル4:面積10000、種類10
レベル5:面積40000、種類20
日常に彩りを添えたい、というくらいであればレベル1で十分です。レベルが1あればで花瓶に生けることができます。本格的に園芸を楽しみたい場合はレベル3程度がおすすめです。レベル4、5まで上げてもかなり用途が限られますが、ものすごく大きい敷地でやるような場合はいいかもしれません』
お〜! やっぱ前世の趣味嗜好に基づいて設定してくれてるんだな〜……やっぱこれもサービスかな? めっちゃありがたい!
『ここからは魔法使い専用項目となります。
〈MP〉
魔力量です。魔法を使用すると減少し、0になると魔法が使えなくなります。ポーションや時間経過などにより回復します。
HPと同様、Sランクで8000,Bランクで4000、Eランク・一般人で500程度が一般的です』
……ってことは、転生直後で5000ってまあまあやばい数字なのでは……これもサービス? だとしたら多くない?
『〈属性〉
使用できる魔法のタイプです。火・水・光・風・土・氷の6属性あり、それぞれ1〜10までレベルがあります。レベルが上昇すると、魔法が強くなり、発動できる魔法の種類が増えます』
え、じゃあもう半分の属性持ってるんだ。属性コンプリート目指しちゃおっかな……
『【③その他設定】
カナさんは、もともとこの村の出身ですが、災害により父母を亡くしてしまいました。しばらくの間は落ち込んでいましたが、最近では健康に生きることで恩返しをしようと、家でのんびりひとり暮らしをしています。
今までは人がまったくいないような僻地に住んでいましたが、今日からは村の中でも少し賑わいがある場所の近くに住むことにしています。よってカナさんのことを知っている人は誰もいません。家は既にありますので、《⑤アマリス村について》で地図を表示します』
うっわ〜、かわいそ、わたし。じゃあなおさら健康に生きないとね。
さて、転生後の自分のことはひと通り知れたぞ!次は──




