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空って言い過ぎ
話が遅い
空と比べてしまえば、僕はごく小さな砂粒に過ぎない。こんなことを、幼い頃はインスタントカメラのギアをまくみたいに繰り返していた_
アパートの裏、空中で、僕は空を見上げた。空はあまりに大きくて高くて、僕が小さく思える。だから、大声で怒鳴られた後や自分が嫌いになった時、いつも空を見た。人からの信用も将来の展望もない死に体の僕を希釈してくれる存在を、子供ながらに必死に探していた。
こんな形で、こんな苦い記憶を呼び起こされるとは思っていなかったので、2階から着陸する1.24秒前にも関わらず、大変冷静に不愉快な思いをした。バンッと音がして、僕の体は地球に帰ってきた。咄嗟に受身を取ろうとした結果、膝と足首を同時に損傷してしまったみたい。痛みを感じる前に、どこか遠くへ走り出した。
遅い