トレジャーイベント〜選択肢は当たる時も外れる時もあるものです。〜
空白スペースをちゃんと入れて調整したのに何故かズレてしまいます・・・・
また直線の道を歩きます。
タイマー([メニュー]の画面に表示されていました)の進みからスタートからかなり進んではいるはずなんですが...
「疲れますね」
いや、本当に。
何でしょう、高速道路を走る車に乗り続けているような感覚です。
揺れの少ないツアー用のバスとかでもない限りおちおち本も読めませんし(酔っちゃいますから)、音楽を聴くだけなのも疲れるんですよね。
これで運転していたら、外を見ないといけませんし、今みたいに同じ景色を見続けるのが苦痛になっちゃいますし。
「何か来ませんかね?」
“ゴロゴロゴロッ!"
「っと、言ってるそばから..っ!?」
あれは...
「ちょっと...」
「まさか...」
この音...
「おお」
あれは...大岩! ここにきてようやくご対面出来るなんて....ん?
「早く逃げるんだ!」
「潰されちゃうわよウォーカーちゃん!」
「え、でもここ直線ですから難しいかと」
「達観し過ぎじゃぞウォーカー..」
いや、それにあれ...
「ウォーカーさん、早く!」
「おっと、分かりました」
悠長にしてられませんね、走ります。前へ。
「いや何でよ!」
あれ? もしかして気づいてませんでしたか?
だってここ...
「とう」
前へ跳んで..
“ゴロゴロゴロォッ!"
道の端、下側の隅を掻い潜ります。
「ふう...」
ダメージはないですね...あ。
「皆さん、無事...ですね」
「は、はい...」
「今、檻がワープしたのう」
「ええ、ウォーカーちゃんが岩を掻い潜って..」「アタシ達の目の前まで岩が来たかと思ったら」
「いつの間にか岩が後ろになっていたな」
なんと、それは見てみたかったですね。
「けど、ウォーカーは何で岩を潜れたの?」
「いえ、単純に奥に隙間があったので」
「え?」
「ああ、歩いていたから気づけたんですがこの道、奥に進むにつれて少しずつ幅が広がっていたんですよ」
「そうなの?!」
最初は何となくという感じでしたが、大岩がこっちに迫るにつれて壁との距離が狭まっていたので確信出来ました。
と、説明していたら..
「よく気づけたわね」
「わたし達、全然気づけませんでした」
「何気に勘が鋭いのお主」
そうですかね?
まあ、先に進みましょう。
この調子なら大丈夫でしょう。
なんて、思っていた自分に言ってあげないと。
簡単ではありませんよと。
何でって?
だって、目の前に谷間あるんですから。
正確に言うと目の前に床が全くないんですよね。底が真っ暗で全く見えません。落ちたらやばいですね。
ある程度先に床があるので、あそこまで行けばいいのでしょうが、どうやればいいのでしょうか?
『船ならあるよ』
「はい?」
また何処からか声が...
『こっちだよ』
これは...穴の底から?
「どれどれ..あ」
底から何か浮かんできてますね。
あれは...確か、ゴンドラでしたよね?
水の都とかで使われる手漕ぎのボートの。
ここ、水ないんですけど。
ゴンドラが浮かぶのを止めました。
高さは丁度床スレスレくらいの高さですね。まあ、そこは底なしの所ですけど。
そして、そのゴンドラに誰かが乗っています。さっきの声の人でしょうか。
頭をすっぽり覆うローブで顔も何も見えませんね。
手も裾が長くて大きいので見えませんが、裾から出ているオールがある訳ですから、オールを持っているのでしょうね?
あ、これ映画とかで見たことありますね。
確か、神話の船漕ぎさん。
名前は...
「ポロン?」
『カロンだよ』
「あ、失礼しました。」
『まったく...本当は死人しか乗せたくないのによ...お前さん達は死人じゃないだろ」
「違いますね」
『ちっ...ロキ殿も面倒な仕事を振りやがるぜ』
この口ぶり...どうやらこのカロンさんは、派遣社員のようですね。
『とにかくさっさと終わらせるぞ、ここは「束縛の渡し」だ』
「よろしくお願いします」
『このボートに乗れるのは2人までだ』
「ああ、じゃあ大丈夫ですね。ゴンドラに乗れるのは僕だけで、他の皆さんは鳥籠が運んでくれますから」
『いいや、それは出来ない』
「え?」
どういうことでしょうか?
『その籠はあくまで地面から少し浮くだけで、地面のないここを進もうものならすぐさまにまっ逆さまだよ』
「え、でもさっき大岩を潜り抜けた時は籠はワープしたらしいんですよ。だったら向こう側までワープするんじゃ..」
『いやとにかく、ここでは駄目なんだよ』
「いえですから、理由を教えていただけないと..」
「ウォーカーちゃん、ゲーム、ゲームだから真面目に捉えちゃダメよ」
ええ....
「分かりました」
「すっごい不満そうな顔だな」
『説明するぞ』
カロンさんのローブからポンと鍵が飛び出、いや投げてきました。
僕はそれをキャッチします。
『それでお仲間を出してやりな』
あ、鳥籠の鍵。
僕は鍵を使って鳥籠を開けます。
皆さんが出て来たのを確認すると、鳥籠はそのまま向こう側の床までスーっと、飛んで行きました。
・・・・・
「カロンさん、落ちてないですよ」
「ウォーカーさん、ゲーム、ゲームですから」
「・・・分かりました」
「全然納得してる顔じゃない!」
「とにかく、丁度6人いるから2人ずつ乗って行きまし『そうはいかねーよ』
僕の言葉を遮り、カロンさんが僕達に掌を向けてきました。
直後、僕達に変化が...
「ちょ、何これ?」
「え、何、何?」
「攻撃...ではないようじゃな」
「これは、印か?」
えっと、これは...
僕達の胴体には光る文字が浮かび上がっていました。
文字は二種類。『M』と『L』ですね。
色は三種類。赤と青と黄ですね。
僕は青のMで、たまこちゃんさんは赤のL、まるたちゃんさんは青のL、ノレパンさんは赤のM、キャロライナさんは黄のM、グラブさんは黄のLですか。
いや、でもこれ...
「すいません」
『何だよ、ったく..』
「僕、少し前に『甚振る者』なんて称号を貰ったばかりなんですが..」
『そういう意味じゃねーよ、男と女だよ』
あ、そっちですか。
『いいか、説明するから聞き逃すなよ』
と、不機嫌なご様子で話し出すカロンさん。
中々に長い話でしたが、まとめるとこうです。
①ゴンドラには一度に二人しか乗れない(漕いでくれるカロンさんを除いて)。
②到着したら必ず乗った人は降りること(再度乗るのは可)。
③誰かが乗らないとゴンドラは動かない(カロンさんはあくまで漕ぐだけのため船頭役が必要とのこと)。
④ゴンドラ上及び地面において、Lは同じ色のMがいない時に他の色のMが側にいてはいけない。
つまり、まるたちゃんさん(青のL)は僕(青のM)がいない所でノレパンさん(赤のM)やキャロライナさん(黄のM)と一緒にいることは出来ないということですね。
⑤以上のルールを守った上で、全員向こう側へ渡ること。ちなみに全員向こう側へ行った時点で僕以外の皆さんはまた鳥籠の中に入ることになると。
これは...
「ややこしい〜」
あ、たまこちゃんさん頭を抱えちゃってますね。
「引き返すのにも乗る人が必要で、女の子はペアの男の人以外と一緒にいられないとかさ〜、無理ゲーじゃん」
無理ゲー?
「いえ、いけますよこれ」
「え?」
「そうなんですか?」
「そうなの?」
「いけるのか?」
「時間はかかりそうじゃの」
「ノレパンさんもお気付きでしたか」
「うむ、とりあえず考えを話して皆で確認しようかのう」
では....
このゴンドラ移動のルールで分かったことが二つ。
①同性同士での移動は基本問題なし(降りる際の組み合わせには注意ですが)。
②ペアが揃う状況を保つことが何より重要。
で、考えていくと...
「あ、本当だ全員行ける」
「覚えるのが難しいですね」
「大丈夫ですよ。フレンドリストのチャットが使えますから」
「ならば適宜指示を出してもらうとするかのう」
「方針が決まったなら早速始めるぞ」
「そうね、手間がかかる分、時間の消費は避けられないわ」
では、始めましょう。
まず、役割のおさらいをします。
僕=青M
まるたちゃんさん=青L
ノレパンさん=赤M
たまこちゃんさん=赤L
キャロライナさん=黄M
グラブさん=黄L
そして、順序はこうです。
【こちら側】 【向こう側】
1.青M•赤M•黄M•黄L 青L•赤L→
2.青M•赤M•黄M•黄L ←青L 赤L
3.青M•赤M•黄M 青L•黄L→ 赤L
4.青M•赤M•黄M ←青L 赤L•黄L
5.青M•青L 赤M•黄M→ 赤L•黄L
6.青M 青L ←赤M•赤L 黄M 黄L
7. 青L•赤L 青M•赤M→ 黄M•黄L
8.青L•赤L ←黄L 青M•赤M•黄M
9.青L 赤L•黄L→ 青M•赤M•黄M
10.青L ←青M 赤M•赤L•黄M•黄L
11. 青M•青L→ 赤M•赤L•黄M•黄L
「到着しました!」
最後に僕とたまこちゃんさんはゴンドラで向こう側へ到着しました。
これで全員渡れましたね。
しかし、空中をゴンドラで渡るなんてとてもとても楽しかったです。
まあ、はしゃぎ過ぎて一回落ちそうになりましたけど...その時もまたピコピコハンマーを引っ掛けて命拾いしましたね。
『おめでとさん』
「ご親切にありがとうございました」
『礼はいらん。もし、死んだら運んでやるが、駄賃を忘れるなよ』
「そうですか、お幾ら必要ですか?」
『死ぬ前提かお前?』
「...違いますね」
・・・・・・
『クク、気に入ったぜお前。ほれ』
「え、おっ、と..」
カロンさんがまた何か投げてくれました。
これは、銀貨?
◆◆◆◆◆◆◆
『証のオボルス』
を入手しました。
◆◆◆◆◆◆◆
えっと...
■■■■■■■■■■
『証のオボルス』
[解説]
特別アイテム。
あらゆる場を渡ることが出来る渡し守カロンに気に入られ渡された銀貨。
本来、死者がカロンの舟に乗るための対価であり、それをカロンから渡された者の死後はもちろん、生きている間にも使えるとされる。
■■■■■■■■■■
『必要な時があれば使いな。乗せてやるよ』
「死ぬ予定はありませんよ」
『お前なら生きている内でも構わないぜ。それじゃあばよ』
あ、ゴンドラが下に...
「カロンさーん、ありがとうございました」
僕は奈落へと沈んでいくカロンさんへ声をかけると、カロンさんは手(というかローブの裾しか見えませんが)を振って応えてくれました。
「それじゃあ、出発しましょうか」
と言っても、歩くのは僕だけですが。
「しかし、このダンジョンは中々に意地の悪いものが多いな」
「そうですね、今はクリアしているけど普通なら何処かで躓きそうですよね」
「アタシだったら半分も行かずに止まる気がする...」
ノレパンさん達の言うことも一理ありますね。
たまたま知っている内容のものもありましたし、運が良かったから攻略出来たのもありましたしね。
「けど、ちょいちょい力技という型破りというか...」
「おそらくセオリー通りじゃない進み方はあったな...最初の二択とか、猛獣の所とか..」
「そうですか?」
「「「「「......ッ」」」」」
ん、どうしたのでしょうか?
頭が痛いのでしょうかね?
あ、次に到着しましたね。
また扉が三つですか...
けど、誰もいませんね。出てくるのかな?
『ようこそ「再選の扉」へ』
「あ、どうも」
出て来ました。声だけですけど。
『貴方にはこの三つの内、一つだけ選んでもらいます』
「それはそうですね」
『ただし、この際に残り二つの扉の内外れの扉は鍵を掛けさせていただきます』
「それはご丁寧に...」
『そして、その上で改めて残りの二つの扉を選ぶ機会を差し上げます』
「はあ...」
『それでは始めましょう』
えっと...さっきの三択で真ん中を選びましたよね。
それじゃあまた真ん中を。
僕は扉についているノブを手にかけます。
“ガチャ"
他の扉で音がしましたね。
『それでは再選と“ガチャン"....え?』
「あ、いいです」
『え、ちょ...待っ』
さっさと行きましょう。
「「「「「ええ〜...」」」」」
ん、どうしたのでしょうか皆さん?
何かありましたっけ?
『正解ですけど...それはないですよ』
あ、正解の扉でしたか。よかった。
あっさり進んだ『再選の扉』は本来はこうです。
三つの扉から選んだ一つが正解の確率:1/3
残り二つの扉に正解がある確率:2/3
そして、残り二つの内外れが閉まる(除外される)と、残った扉に正解の可能性が集約するため、
選ばれなかった扉が正解の確率:2/3
となり、最初に選んだ扉とは別の扉の方が正解である可能性が高いとされています。
まあ、1/3の確率で正解を引いていたら意味はありませんが。




