トレジャーイベント〜落とし穴には慣れました。そしてちゃんと考えてみました。〜
ちょっと筆が乗って早くに投稿出来ました。
次はどうだろうか...
扉を超えて少し進みますと...
「これは...」
「怪しい...」
「怪しいのですか?」
「いや怪しいでしょ。こんなカラフルなタイル敷き詰めていたら」
「そうですか、単なるオシャレかと..」
「たまこちゃんの言うとおりよウォーカーちゃん。これは罠よ」
「そうですか...」
色は四色。赤、青、黄、緑がランダムに敷き詰められていますね。一つ一つの面積は大きめで、その上に普通に立てますね。
何か...
「ウォーカーさん、そこに何か書いてありますよ」
「あ、本当だ」
けど、床近くの壁って...分かり辛いですね。
えっと文面は...
■■■■■■■■■■
気取らぬ間抜けと止まる間抜け。
同じ間抜けなら気取らぬ方がましだ。
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・・・・・
「阿波踊り?」
「それは踊る阿呆と見る阿呆じゃな」
「まあ、進むしかないですね」
「いや、ヒントの意味!」
とりあえず、目の前の黄色のタイルを...
“カチ"
「おや?」
“ガコン"
「あ」
「「「「「あっ!」」」」」
落ちますね。
“ヒュー"
「ウォーカーさん!」
「“ウェポン・チェンジ"」
“ガピョンッ!"
「ええ?」
ーーーーーーーーーーーーーーー
ウォーカーさんは躊躇わずに進んでしまいました。
折角ヒントの文面を見つけたのに...
あ、ウォーカーさんの足下の床が割れて...
って、
「ウォーカーさん!」
ウォーカーさんが落ちちゃった!
「“ウェポン・チェンジ"」
“ガピョンッ!"
え?
穴に何か引っかかって...
あ、以前見た巨大ピコピコハンマーの先端部分。
ということは...
「ウォ、ウォーカーさん、大丈夫ですか?」
「はい。今ピコピコハンマーの柄に捕まってぶら下がってます」
「す、すごい...」
とりあえず、無事でよかったです。
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床下が開き、落ちそうになった僕は咄嗟にピコピコハンマーを出しました。
幸い、ハンマーの先端部分は大きかったのでそれが落とし穴の上に引っ掛かり落下は免れました。
けど、困りましたね。
これじゃ登れません。
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自分達は今、ウォーカーがこのダンジョンをクリアするかどうかでこの先が決まってしまう状況である。
不本意だが、キャロルのためにウォーカーは頑張ってもらわないいけない。
いけない...のだが...
穴に落ちていった。
と思ったらヘンテコなピコピコハンマーで命拾いしている。
だが、どうやって出るんだ?
くそ、ここから出られれば助けてやれるのだが。
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まずいわね。
ウォーカーちゃんもあの状態からじゃ出られないわ。
ハンマーのおかげで落下は防げているけど、そのハンマーで落とし穴を塞いじゃっているから出られない。
けど、ハンマーをしまっちゃったらそのまま落下しちゃうし....
ああもう、何も出来ずに見ているしか出来ないってじれった「“ウィンドシュート"」
ええええええ!
ウォーカーちゃんが飛んだ!
え、魔法? すごっ!
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このままじゃどうしようかと思っていた時、以前ダニエルさんがやっていたあれを思い出しました。
幸いにもイベントまでにレベルアップしていく過程で手に入れた同じ魔法があったので試してみましょう。
片手の平を下に向けイメージをしやすくして、
「“ウィンドシュート"」
もちろん、ピコピコハンマーは片付けておきます。
おお、結構反動が凄いですね。
でも、これで...脱出です。
僕は空中に浮き上がり、落とし穴から出ることが出来ました。
「とう!」
勢い余ってそのまま前へと宙返りしつつ...
「スチャッ“カチ"
「あ」
「「「「「あっ!」」」」」
“ガコン"
「あ〜」
「「「「「あーっ!!」」」」」
“ガピョンッ!"
「あぁ、危なかった〜」
「緊張感持ってよ!」
怒られちゃいました。
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ウォーカーが飛んだ。
魔法を使ってるし、多分ロケットとかの原理なんだろうなとは思った。
そして空中で綺麗に回転している。
何気にすごいな...
そして、軽やかに黄色くパネルに着地“カチャ"
「あ」
「「「「「あっ!」」」」」
この音...
“ガコン"
割れた!
「あ〜」
「「「「「あーっ!!」」」」」
落ちたーっ!!!
気の抜けた声で落ちていかないで!
“ガピョンッ!"
って、またピコピコハンマーの命綱!
「あぁ、危なかった〜」
って、緊迫感のないコメントして...
「緊張感持ってよ!」
アタシは怒るしかなかった。
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目の前で同じことが繰り返されること数回。
ウォーカーは罠に掛かっては生き延び、そして脱出してはまた罠に掛かっては生き延びての脱出という力技で落とし穴のエリアを通過してみせた。
たまこからの容赦無いツッコミもどこ吹く風と言わんばかりに同じ目に遭い続けるこの男の図太さには呆れてしまう。
そして、本当に今更だが、言っておいた方がいいよな?
「おい、ウォーカー、あのヒントなんだが...」
「ああ、黄色のパネルは罠って意味ですよね」
「なっ、分かっていたのか? いや、いつから?」
「えっと、文章読んでもしかしてと思って黄色のパネル踏んで実際に罠だった時に..」
「何故避けない!」
何やってるんだこいつは!!!
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あの暗号文。要はこういうことですよね。
『気取らぬ間抜け』の『気取らぬ』はつまり、
『気』⇒『黄』
『取らぬ』⇒『通らぬ』
そして、後半の文と合わせると、
『気取らぬ』⇒『黄通らぬ』⇒『黄色を通るな』⇒『黄色は罠』
ってことですね。
「何故避けない!」
あ、また怒られちゃった...
「いやでも、何故か飛んだ先に黄色のパネルがありまして...」
そうなんです。
脱出のために魔法で飛び上がり、そして着地した先が黄色のパネルだったの繰り返しで...
本当についていませんでした。
「一旦退がればいいじゃろうて」
「あ、確かに」
ノレパンさんの言う通りでした。
・・・・・
「まあ、終わったことですし、先に進みましょう」
「お主が言う言葉じゃないと思うんじゃが」
◆◆◆◆◆◆◆
称号『強運の持ち主』を獲得しました。
スキル『九死一生』を獲得しました。
◆◆◆◆◆◆◆
おや。
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『強運の持ち主』
[概要]
『懲りない者』と呼ばれても懲りず注意を払わず、その中で何度危険に見舞われても生き抜いてみせる強運の証。
[効果]
スキル『九死一生』の獲得。
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おお、以前手に入れた『懲りない者』の称号が関係するようですね。
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『九死一生』
[概要]
危機的状況に陥っても無事に生き延びてみせる強運。
[効果]
HPが0になる際、低確率でHPが1だけ残る。一日一回のみ(日付が変わるとリセット)。
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おお、これは嬉しいスキルですね。
「新しい称号とスキルが手に入りました」
「え、どんなの?」
「これです」
僕はウィンドウを広げて皆さんに見せます。
・・・・・・
「ウォーカーさん、この『懲りない者』って何ですか?」
あれ、何でしょう?
まるたちゃんさん、笑っているのに笑っていないような...
まあ、説明を求められてますから説明しましょう。
かくかくしかじか・・・
「「「「懲りなさい!」」」」
ええ〜また怒られました。
「ウォーカー、お主大物になりそうじゃのう」
「いや、それほどでも..」
「「「「調子に乗らない!」」」」
「はい...すいません」
怒られた後に進むことまたしばしば。
門があります。
今度も二つ。
何かありますかね?
近づいて調べましょう。
『『お待ちください』』
「おや?」
どこからか声が...
『『こちらです』』
すると、目の前に二人ほど現れました。
恭しくお辞儀をされていて顔は分かりませんね。
格好は何でしょう...僕やノレパンさんの格好に近いですかね?
色は...片方は白、片方は黒ですね。
『『ようこそ、「真偽の門」へ』』
あ、顔を上げてくれた。
仮面をつけてますね。
白服さんは黒の...笑った顔の仮面、黒服さんは白の悲しそうな顔の仮面ですね。
『『私達はこの門のガイドです』』
「あ、ご丁寧にありがとうございます」
『『まず、説明をさせていただきます』』
あ、それぞれの門の前に移動しましたね。
けど、歩かずに滑るように横に動きましたね。
新手のムーンウォーク?
『『片方の門は出口への近道に』』
片方は...じゃあ、
『『片方の門は出口からは遠道に』』
つまり、ゴールまで近くなるか遠くなるかですね。
『『どちらの門がどちらかは問えば教えて差し上げます』』
あれ、随分ご親切に...
『『ですが...』』
やっぱり、何かあるのですね。
『『私達の一人は正直に教えます』』
ということは...
『『私達の一人は嘘を教えます』』
あらら。
『『そして、質問は一度きり』』
おっと、
『『そして、その質問は私達のどちらかのみ』』
これは....
『『以上です』』
整理すると....
①二つの門はそれぞれゴールまでの近道と遠回りである。
②目の前にいる二人のガイドさんには質問が許されているけど、それはどちらかに一度のみ。
③そして、二人のガイドさんの内、一人は正直者でもう一人は嘘つき者。けど、どちらがどちらかは分からない。
つまり、仮に質問をしてもその返答内容を鵜呑みしていいのかで迷わされてしまいますね。
「まるちゃん、分かる?」
「ううん、たまちゃんは?」
「分かんないよ〜」
「質問する相手がどちらかが分かれば...」
「確かに、質問一つで確認は出来るけど..」
「それでは一度しか質問が出来ないという制限で躓いてしまうのう」
そういうことですね。
となると、質問の内容は『どちらに対しても通用するもの』でないといけませんね。
けど....
【相手が正直者の場合】
回答に素直に従えばいいですね。
【相手が嘘つき者の場合】
回答とは反対のことをすればいいですね。
けど、それは相手が何者かが分かることが前提です。
いや、こう考えるのが間違いですね。
『相手が』じゃなくて、『回答が』で考えれば....
そのために必要な質問内容は...
あ....よし。行きましょう。
「ウォーカー、大丈夫なの?」
「ちょっと、みんなで話し合いを..」
「大丈夫ですよ、たまこちゃんさん、まるたちゃんさん」
さて、じゃあ右側に立つガイドさんに聞きましょう。黒服の白仮面さんです。
『何かご質問ですか?』
「はい。よろしいでしょうか?」
『どうぞ』
では、
「『もし、隣のガイドさんに近道への門はどちらかと聞いたら、どちらの門だと教えてくれますか?』」
「「え?」」
「「うん?」」
「ほう..」
『それは、こちらの門となります』
そういって、黒服の白仮面さんは自分の後ろの門へと道を開けてくれました。
「ありがとうございます」
じゃあ、行きましょう。
反対の門へ。
「え、ウォーカーさん?」
「そっちじゃないの?」
「ああ、いいんですよ」
門は、押せば開くのですかね?
よいしょ...おお、開きました。
それじゃ、出発です。
「で、教えてよウォーカー」
「一体どういうことなの、ウォーカーちゃん?」
そうですね、次の仕掛けまでにお話しましょうか。
「あの質問をすると、必ず嘘の回答が得られるんです」
「え?!」
「ん?!」
「えっと..」
「結局、どういうことなの?」
「やはりか..」
ノレパンさんは気づかれてましたか。
まあつまり、
仮に質問した相手が正直者でも、隣にいるのは嘘つきになりますからそのまま嘘つきの回答を教えてもらえます。
逆に質問した相手が嘘つき者なら、隣の正直者の回答を嘘ついて教えてくれる訳です。
結果、質問した相手がどちらであっても得られる回答は嘘つきの回答になる訳です。
だから、嘘つきの門とは反対の門へいけばおのずと正解に辿り着くということです。
「なるほど...」
「すごいわねウォーカーちゃん」
「てっきり行き当たりばったりで行くのかと..」
「思いました...」
「僕一人ならそれでもよかったのですけどね」
「「え?!」」
「「やめなさい」」
「自分を大事にせんか」
おやおや。
「失礼、冗談が過ぎました」
「「「「「いや、嘘だろ」」」」」
「・・・・・」
これは、あれですね...
『解せぬ』です。
パネル落とし穴の元ネタは昔たまたま観たバラエティ番組の寸劇か何かだったかと思います。
ダイジェスト形式だったのであらすじとかは全く分かりませんでしたが。




