表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真面目な僕は遊び人になりました  作者: 樫原 翔
始めてみました。
5/60

調べてみました。

ダラダラと長くなりました。

 その日は再度ログインすることはなく、僕は夜を過ごし、そして朝を迎えました。


 当然、お腹は空くので朝食は欠かさずに。

 尤も、昨日のゲームの疲れから少し頭がスッキリしなかったので軽めにします。




 電気ポットで沸かしたお湯でインスタントコーヒーを作り、トースターで焼いておいたパンを2切れ(もちろん、マーガリンとジャムをそれぞれ塗っておいて)用意。

 最後はお湯とパンを用意している間に作ったスクランブルエッグと作り置きのサラダの残りを盛り付けて終わりです。




「いただきます」

 まずはコーヒーから。火傷しないようにゆっくりと。


 ああ、コーヒーの苦味が寝ぼけた頭を起こしてくれます。


 んん、今日のジャムはオレンジをチョイスしましたが正解でした。爽やかさがたまりません。

 サラダはやはり作り置きの残りですから少し食感が物足りないですね。まあ、残してダメにするのはもっと嫌ですから食べてしまいましょう。


 ん? スクランブルエッグの塩味(しおみ)が少し足りないかな?

 失敗してしまいましたね。次は気をつけましょう。




 食事を終え、片付けを済ませた僕は今日の予定を考えます。

 明日は仕事がありますからあまり後を引く予定は立てられません。


 となると....


 自然とヘッドギアに目が向きました。

 ですが、始めてしまうと程よい所で終わらせられるか不安ですね。


 とりあえず、掃除や洗濯などを終わらせましょう。




 休日の日課である掃除を終え、その間に洗い終わった洗濯物をベランダに干し、近隣のお店のチラシから今日の買い物を検討します。

 残念ながら買っておきたいものはなかったですね。


 冷蔵庫などには十分食材はありますから、買い物はなしにしました。




 とりあえずノートパソコンを開き、改めて『NOVA』について調べてみることにしました。


 折角のゲーム、楽しむためにもしっかりと調べていきましょう。






 そして有力な情報源として見つけたのが公式ホームページとそこに付随する書き込み式の情報掲示板でした。




『NOVA』

 ゲームタイトルのその四文字のアルファベットはそれぞれ、


 N・・「Novelty(斬新な)」


 O・・「Overwhelming(圧倒的な)」


 V・・「Various(多彩な)」


 A・・「Adventure(冒険)」


 を示し、


 4文字揃ったそれは『新星』ひいては『新世界』を意味し、


 そこから、

『斬新で、圧倒的で、多彩な冒険が待つ新世界へ!』

 というキャッチフレーズのもとに開発されたVRMMOゲーム。


 プレイヤー毎に色んな遊び方が存在するというその自由性から瞬く間に人気を博し、今でもプレイヤー人口は増加しているとのこと。




 さて....

 アバターについて...



 □□□□□□□□□□


『アバター』

 プレイヤーがNOVAの世界で活動するための分身とも言うべきキャラクター。

 現実の肉体をベースにアバターは構築されるも、髪色や肌の色などは多少の変更が出来る。

 プログラムの改変によるアバターの極端な変更は違法アクセスなどに繋がるため注意が必要。


 □□□□□□□□□□



 現実の肉体に則しているのは分かっていますが、無理な改変は厳禁と....


 仮想世界でのことなのに何故でしょうか?


 調べてみましょう。




 VRMMO全般のアバターについて少し調べていくと納得出来る理由がありました。




 NOVAではないですが、過去にアバターの設定が自由だったゲームではそれを利用して詐欺事件が何度も起きてしまったとのことです。


 とあるアイドルにそっくりなアバターを作り、その上で迷惑行為を行うことでそのアイドルのイメージ低下を招いた悪質なファン(ちなみに動機はそのアイドルがとある俳優との熱愛が報じられ、裏切られたからだと身勝手なことを述べていました)。


 可愛い女性キャラクターに扮して男性プレイヤーを騙し、独自に作った違法ルートに誘い込んでから振り込め詐欺を行った詐欺グループ。


 そんな風にアバターを用いた犯罪行為がいくつもあったためにゲームアバターには大きな制限が課せられてしまったというのが理由のようです。




 おっと、調べる内容が変わってしまいましたね。






 □□□□□□□□□□


『プレイヤーのステータス』

 以下の八項目が数値表示される。


HP(ヒットポイント)

 生命力。これが0になると死亡。

 戦士職はこのステータスが伸びやすい。


MP(マジックポイント)

 魔力。これを消費して魔法やアーツなどのスキルが使える。

 魔法職はこのステータスが伸びやすい。


 ※魔法スキル

 所謂攻撃や回復などの魔法のこと。主に魔法職が獲得。


 ※アーツスキル

 武器を用いた物理攻撃などのこと。主に戦士職が獲得。


POW(パワー)

 筋力。物理攻撃力。直接攻撃(アーツスキルも含む)の威力に補正がかかる。

 戦士職はこのステータスが伸びやすい。

 又、戦士職向けの武器を装備する際、POWが低いと装備出来ない場合もある。


VIT(バイタリティ)

 耐久力。物理防御力。物理ダメージを軽減する。

 戦士職はこのステータスが伸びやすい。

 状態異常からの早期回復にも影響する。


INT(インテリジェント)

 賢さ。魔法攻撃力。魔法スキル全般に補正がかかる。

 魔法職はこのステータスが伸びやすい。

 又、魔法職向けの武器を装備する際、INTが低いと装備出来ない場合もある。


MIN(マインド)

 精神力。魔法防御力。魔法によるダメージなどの影響を軽減する。又、回復・支援系の魔法に多少の補正がかかる。

 魔法職はこのステータスが伸びやすい。

 状態異常のかかりにくさにも影響する。


SPE(スピード)

 素早さ。ゲーム中における素早さに影響する。

 戦士職は比較的伸びやすい。


DEX(デクスタリティ)

 器用さ。ゲーム中におけるアイテム製作の成功率の補正、攻撃によるクリティカルヒットの成功率の補正などに影響する。

 生産職及び魔法職はこのステータスが伸びやすい。


 □□□□□□□□□□



 ふむ、少しややこしいですね。

 お、職業系統毎のおおまかな伸び代がありますね。

 どれどれ....


 □□□□□□□□□□


 《戦士職》

 HP:■■■■■

 MP:■■

 POW:■■■〜■■■■■

 VIT:■■■〜■■■■■

 INT:■

 MIN:■■

 SPE:■■〜■■■■■

 DEX:■■




 《魔法職》

 HP:■■

 MP:■■■■■

 POW:■

 VIT:■■

 INT:■■■■〜■■■■■■

 MIN:■■■〜■■■■■■

 SPE:■■

 DEX:■■■■


 □□□□□□□□□□




 ふむ、戦士職と魔法職は伸びやすい所と伸びにくい所がほぼ正反対ですね。

 それに、クラスアップに伴う職業の傾向によっても左右されるようですね。


 どれどれ...ほうほう。

 ガイさんの『重戦士』のような大型の武器を使う職業や、『騎士』と呼ばれる盾や鎧を身につける職業はSPEが伸びにくくなり、その代わりにPOWや VITの伸びが高くなると...


 なるほど、使う武器のスタイルでも左右されやすいのですね。




 魔法職の方は....なるほど。

『ヒーラー』や『エンチャンター』なる回復や支援を主とする職業はINTよりMINのステータスが伸びやすく、『ソーサラー』のような攻撃を主とする職業はINTの方が伸びやすいと...


 こちらは使う魔法の傾向で左右されるようですね。




 生産職はどうでしょう。


 □□□□□□□□□□


 《生産職》

 HP:■■■

 MP:■■■

 POW:■■

 VIT:■■■

 INT:■■

 MIN:■■■

 SPE:■■

 DEX:■■■■■■


 □□□□□□□□□□



 おお、DEXの伸びが凄いですね。

 他のステータスは中の中から下といった所ですかね。

 こちらは職業毎で伸び代に大きな違いは見られないようですね。




 さて、僕の『遊び人』を含めたロール職は...


 □□□□□□□□□□


 《ロール職》


 HP:■■

 MP:■■

 POW:■■

 VIT:■■

 INT:■■

 MIN:■■

 SPE:■■

 DEX:■■


 □□□□□□□□□□


 あらららら...本当に不向きなんですね。


 画面をスクロールすると分かってはいたけど知りたくない事実と直面しました。




 あくまで今のはロール職全体の大まかな指標であり、僕の『遊び人』のみを指すとこうなりました。


 □□□□□□□□□□


 《遊び人》


 HP:■

 MP:■

 POW:■

 VIT:■

 INT:■

 MIN:■

 SPE:■

 DEX:■■■


 □□□□□□□□□□


 ・・・・・・・


 なるほど、ガイさんの言うとおり、ほとんどのステータスが低いのですね。


 意外とDEXがそこまで低くないのは色んな職業のスキルを習得出来るからですかね?


 しかし、色んな職業のスキルを会得出来るけどそのために必要な経験値が数倍必要というのも中々にシビアですね。


 まあ、そんな簡単にスキルを会得していっては他の職業の存在意義がないですものね。




 ん?

 そういえば、僕はスキルを獲得していましたよね?


 確か、『短剣術』と『暗殺術』


 こちらも調べてみましょう。




 □□□□□□□□□□


『スキル』

 ゲーム内で習得した技能の総称。

 特定の条件を満たすことで得られるスキル専用の経験値が一定値に達する、スキルショップで購入するなどにより獲得出来る。


 大別して「パッシブスキル」と「アクティブスキル」の二つに分類される。


 □□□□□□□□□□




パッシブ(受動的)』と『アクティブ(能動的)』ですか。

 ということは....



 □□□□□□□□□□


『パッシブスキル』

 習得以降、常時効果をもたらすスキル。アクティブスキル獲得に必要なものや、ステータスを補正するものがある。


『アクティブスキル』

 習得以降、任意で使用するスキル。


 □□□□□□□□□□



 やっぱりそういう概要でしたか。


 さて、どんなものがありますか?




 □□□□□□□□□□


【パッシブスキルの例】


 ・剣術

 ・短剣術

 ・短弓術

 ・長弓術

 ・格闘術

 ・槍術

 ・暗殺術

 ・初級魔法適性

 ・下級魔法適性

 ・筋力増強

 ・耐久力増強

 ・自動HP回復

 ・薬剤調合

 ・鍛治

 ・木工



【アクティブスキルの例】


 “アーツスキル"

 ・スラッシュ

 ・ショット

 ・斬撃

 ・ラッシュ

 ・剛拳

 ・唐竹割

 ・居合切り


 “魔法スキル"

 ・ファイア

 ・ファイアボール

 ・ウォーター

 ・ウォーターボール

 ・ヒール

 ・シャープネス

 ・フレイムランス

 ・タイダルウェイブ


 “生産スキル"

 ・精錬

 ・研磨

 ・リペア


 □□□□□□□□□□



 一部でもこんなに、凄いですね....


 あ、『短剣術』と『暗殺術』がありました。

 詳細は...



 □□□□□□□□□□


『短剣術』


[概要]

 短剣を使う術を得た証。短剣を使うのに必要な攻撃力や速度に補正がかかる。


[効果]

 POW上昇補正(短剣装備時更に増加)

 SPE上昇補正(短剣装備時更に増加)

 アーツスキル(短剣術必須のもの)の獲得


 ※習得時は「短剣術“Ⅰ"」と表示される。これはスキルの習熟度レベルを示す。習熟度レベルは最大Ⅹまでの十段階。レベルが上がるほどに効果が高まる。


[習得条件]

 以下の行動により習得に必要な専用経験値が蓄積され、一定値に達することで獲得及び習熟度レベルがアップをする。


1.短剣のみでの戦闘回数。

2.短剣による攻撃で敵を倒す(ただし、得られる経験値は敵を倒すまでの攻撃回数が多いほど少なくなる)



『暗殺術』


[概要]

 敵を仕留める術を得た者の証。敵を討つための攻撃力や正確性に補正がかかる。


[効果]

 POW上昇補正

 DEX上昇補正

 アーツスキル(暗殺術必須のもの)の獲得


 ※習得時は「暗殺術“Ⅰ"」と表示される。これはスキルの習熟度レベルを示す。習熟度レベルは最大Ⅹまでの十段階。レベルが上がるほどに効果が高まる。


[習得条件]

1.急所を突いた攻撃回数

2.急所を突いて敵を倒した回数(ただし、得られる経験値は急所以外の攻撃をした場合及び倒すまでの攻撃回数が多いほど少なくなる)


 □□□□□□□□□□


 へぇ、ステータスの上昇補正は嬉しいですね。それに、アーツスキルも獲得可能になったのですね。


 ・・・・・ああ、僕が早くに獲得出来たのは二つ目の条件のようですね。

 あの時は二戦とも一撃で倒せましたからね。ということはウリ坊とイノシシの弱点は首、いやイノシシの時は無我夢中で目でしたから頭部辺りですかね。

 そこは現実とも同じと言える急所なのかもしれませんね。

 今後検証してみましょう。




 ん、でもそれでも僕の職業から考えるとスキルの獲得は早いのではないでしょうか?


 ん〜、それとも普通のプレイヤーなら一回目の戦闘で得られるもの?


 あ、称号!


 そういえば称号も手に入れてましたね。


 こちらも調べなければ。



 □□□□□□□□□□


『称号』

 その者が成し遂げた功績を示すもの。

 スキルとは別にステータスの補正などの恩恵を与えるだけでなく、プレイヤーの身分を示すものにもなる。

 特定の称号を有しているかどうかで受けられるクエストなどもあるので要チェック。


 □□□□□□□□□□


 へぇ、これもステータスを高めてくれたりするんですね。


 どんな称号があるのでしょうか?


 画面に映る称号の一覧を拝見....


 えっと、『愚直な武人』、『武を極めようとする者』、『魔法を探求していく者』....



 あれ?


 僕が獲得した称号がないですね?


 いえ、ここは自由に書き込みが出来る掲示板ですから、もしかして知られていない?


 ということは、調べるのは自力でですか...




 うん。面白そうですね。




 一通り調べたいことを調べた僕はノートパソコンを閉じ、凝り固まっていた背筋を伸ばします。


 時計を見るとさほど時間は経っていませんでした。


 では、検証してみましょう。


 僕は早速ヘッドギアを装着し、二回目のログインをしました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ