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真面目な僕は遊び人になりました  作者: 樫原 翔
ゲームをさらに楽しみましょう。
45/62

色々と手に入りました。

 



 ◆◆◆◆◆◆◆


 ダンジョンボス『エレメント・ジン』を倒しました。

 レベルが上がりました。

 スキル『下級魔法適性』を獲得しました。

 New! スキル『アースバンプ』を獲得しました。

 スキル『ファイアボール』を獲得しました。

 スキル『ウォーターボール』を獲得しました。

 スキル『ウィンドカッター』を獲得しましま。

 スキル『ストーンバレット』を獲得しました。


 ◆◆◆◆◆◆◆



「おお〜」

 情報量がすごいですね...



 ◆◆◆◆◆◆◆


 称号『魔道の開拓者』を獲得しました。


 ◆◆◆◆◆◆◆


 おや、遅れて称号が...




 ■■■■■■■■■■


『魔道の開拓者』


[概要]

 固定観念に囚われず、新たな魔法を開発した者が得る称号。この称号を持つ者は魔法の上達が早くなる。


[効果]

 1.魔法系スキルの獲得経験値増加補正。以下の条件下においては更に増加する。

 ①新規の魔法スキルを獲得する。


 ■■■■■■■■■■


 ・・・・・


 なるほど、以前手に入れた『生産の挑戦者』の魔法版といった所ですね。


 新しい魔法スキルは...ああ、この『アースバンプ』ですね。


 意外ですね、魔法で足場を作るなんて他の人が考えてそうでしたけど。


「ウォーカー!」

「え?」

 声を荒げて僕の名前が呼ばれたのでそちらを見たらダニエルさんが走ってきました。


 どうしたのでしょうか?


「ウォーカー、じ、実はな..」

 ん? あ、ウィンドウを表示...


「こんな称号が手に入ったんだ」

 どれどれ...あ、僕が手に入れたのと同じですね。


「おめでとうございますダニエルさん」

「う、うむ、これもウォーカーのおかげなのでな、ダンジョン攻略も含め感謝する」

「はて? 称号獲得といいますけど何かしましたか僕?」

「ああ、この魔法スキルを獲得したのだ」


 ふむふむ、『レビテーション』と『フライ』ですか...


 っ!!!


「いいな〜ダニエルさん」

「んん?」

「だって、空を飛べる魔法じゃないですか」


『レビテーション』はその場から浮遊する魔法で、『フライ』は一定時間空中を移動出来る魔法と説明文がありました。


「そ、そうか...なに、ウォーカーならいずれ習得出来るだろう」

「そうですか..」

 出来るといいんですけど。


「そもそも、この魔法の習得のきっかけはウォーカーが風魔法で落下を和らげた所からだ」

「ああ、あれですか」

「それを『ウィンドシュート』で代用し、空を飛んだのが、おそらくそれが習得条件だと思う」

「おお!」

 そういえば空飛んでましたねダニエルさん。


「そしてこの魔法は他に習得した者がいなかった故に『魔道の開拓者』を我が輩は手に入れたのだ」

「ほうほう」

 ん? あれ?


「一応僕も風魔法で少しは浮いた?はずですけど...何で習得できなかったのでしょう?」

「多分、浮遊した時間とかじゃない?」

 あ、マーキュリーさん。歩いていたから今到着したのですね。


「浮遊した時間...なるほど」

 それじゃ仕方ないですね。


「それとあとはウォーカーがまだ『下級魔法適性』のスキルを持っていないからだと思うぞ。『レビテーション』は下級魔法で『フライ』は中級魔法に分類されているからな」

「それも条件でしたか...あ、でも『下級魔法適性』はさっき手に入れましたよ。ほら、他の魔法も一緒に」

「え、ん、そ、そうか..」

 おや、どうしたのでしょうダニエルさん。


 納得できないことが起きたみたいな感じですが。




 ーーーーーーーーーーーーーーー



『下級魔法適性』は魔法職にとって重要なスキルだ。


 何せ、一定回数魔法スキルを行使しないと手に入らないからだ。

 けど、実戦に本格的に使えるのも下級魔法からだから意外と獲得までが大変だ。それまで初級魔法だけで戦わないといけないんだから。


 そして、このスキルを手に入れたとしてもすぐに下級魔法が使える訳ではない。

 それぞれの属性の魔法を一定回数行使しないと習得出来ないのだ。


 掲示板なんかの情報だと、仮に『下級魔法適性』を獲得するのに魔法の行使を30回必要とするのに対し、火の下級魔法で最初に手に入れる『ファイアボール』は火の魔法(つまり初級魔法の『ファイア』)を20回は使わないといけないとされるらしい。『下級魔法適性』と同時に『ファイアボール』を獲得するには火の魔法に絞って連発しないといけいというのがよく分かる。


 実際の条件回数とかは検証する人が少ないのか情報が出回っていないから分からないが、ウォーカーさんのはどう考えても足りていないはずだ。


『初級魔法適性』は分かる。けど、下級魔法の習得には回数が足りていないはずだ。

 だって、色んな魔法を満遍なく使っていた感じなんだから。


 でもウォーカーさんは既に複数の下級魔法を習得している。

 一体どういうことなんだ?



 ーーーーーーーーーーーーーーー




「ダンジョンは攻略しましたけど、この後何かありますか?」

 以前たまこちゃんさんとマーキュリーさんとで攻略した洞窟ではボスが出た場所の岩壁から質の良い鉱石が採掘出来たとのことでしたが。


 何かここにも仕掛けとかあるのでしょうか?


「あれじゃない」

「え?」

 マーキュリーさんの指差す先を見ると....


「あ」

「あれ、だな」

 マーキュリーさんの指差す先にある物、それは先程まで僕達が戦っていた壺の魔人の壺。


 よく考えたら、終盤は壺に攻撃したのに壺には傷一つ入っていません。


 そういうことですか...


 僕達は壺に近づきます。




 ・・・・・・・・


「改めて見るとやはり大きいですね」

 僕が手を伸ばしても壺の入り口辺りを掴めるかですね。

 よいしょっ、と。

 よし、ジャンプしたら想像以上に高く飛べました。


 現実では絶対に不可能な高さですね。ゲーム故ですね。


「ダニエルさん」

「すまない」

 僕は口の(ふち)の所でダニエルさんに手を伸ばし、手を取ってもらいます。そのまま引っ張ります。

 おお、結構あっさりと引っ張り上げれました。ダニエルさんが軽いのか僕の力が強いのか?

 まあ、現実では無理でしょうけど。


「マーキュリーさんは..」

「大丈夫」

 そう言ってひょいとジャンプして飛び乗るマーキュリーさん。

 おお、格好いい!


 さて、壺の中は...

「おや、見えないですね..」

 底が見えません。暗いから? いや、底がない?


 ・・・・・

「お邪魔しま〜す」

 とりあえず、中に落ちましょう(・・・・・・)


「ちょっ!」

「待って!」


 頭上(・・)から聞こえる二人の声。

 そのまま僕は底へと進み(落ち)ます。








 床が見えます。

 さっきまで真っ暗だったのに、不思議ですね。


 あ、よく考えたら落ちているのにゆっくりと落ちていますね。

 よかった〜、普通に落ちていたら落下死確定でしたね。


 っと、着地です。


 えっと..あ、二人も降りてきましたね。




「ここは...」

「部屋?」

 何の部屋でしょうか?


 何か奥には石のベットいやテーブルみたいなのがありますが...


 ん、上に何かありますね。ここからでは薄暗くて分かりませんし、近づいてみましょう。






 これは...


「宝箱?」

「だな」

「だね」

 ダニエルさんもマーキュリーさんも同意見ですか。


 この目の前にあるのは子どもが冒険する系の映画に出そうないかにもな宝箱です。


「開けて大丈夫ですかね?」

「ボスを倒した報酬だろうから大丈夫だ」

「けど、探索中のだと罠の可能性もある」

「ふむ...」


 ボスを倒した報酬なら大丈夫というのなら、大丈夫なのでしょうね。


「鍵はないんですか?」

「ないはずだ」

「では」

 ダニエルさんの言葉通りなら、上に持ち上げて..おお、動いた。


「開きました」

 中身は....




「宝石?」

「うん」

「正確には素材アイテムだ」

 宝箱には宝石と思しきものが3個ありました。


 なんと言えばいいでしょう、ラグビーボールみたいな楕円形ではなく、その手前の角張った感じの多面体?な形の。


 一つ手に取りましょう。


 ◆◆◆◆◆◆◆


『マナクリスタル』×1


 を入手しました。


 ◆◆◆◆◆◆◆


 ふむ、『マナクリスタル』というのですか。


「『マナクリスタル』というアイテムです」

「なに! 『マナクリスタル』だと!!」

「ダニエルさんはご存知ですか?」

「当たり前だ。魔法職にとって垂涎ものの素材アイテムだぞ」

「ほうほう」


 詳しく聞いてみますと、このゲーム内において宝石系のアイテムはアクセサリー類などの素材になるとのこと。

 加えて、『マナ○○○』という名称の物ですと、魔法関連のステータスを増強する装備品の素材になるとのこと。


 けど、現在の所安定して入手出来る場所がないらしく、こういったダンジョン攻略時の報酬くらいでしか入手出来ないらしいです。


「で、どうしましょうかこれ」

「ん、普通に三等分でいいだろう」

「それでもいいし、私はあまり役に立てなかったからどっちかが2個貰ってもいい」

 む、マーキュリーさん...


「それはいけません」

「それはダメだ」

 あ、ダニエルさんと被った。


「今回のダンジョン攻略は貴様の力もあってのものだ。報酬を受け取らないことは許さんぞ」

「そうですよ、役に立っていないというならば、寧ろ僕の方ですよ」


「「そんな訳ない!!」」

 おお、今度はマーキュリーさんとダニエルさんの声が被った。


「ウォーカーがいなかったらボスの攻略法に気づくのにもっと時間かかったし、下手したら全滅してた」

「そうだ、ウォーカーがいなければ今回のダンジョン攻略は成り立たなかったのだぞ」

「は、はい..」

 過分な評価をされているような....






 結局、報酬はきっちり三等分ということになりました。


「それじゃ早速、たまこちゃんさんに相談して武器や防具を作ってもらいましょうか」

「うん、少なくとも意見は聞いた方がいい」

「うむ、頼れる生産職がいるなら頼るべきだ。我が輩も我が輩で伝手を探さないとな」

「いえいえ、ダニエルさんもご紹介しますよ。たまこちゃんさんは頼りになりますから」

「いいのか?」

「はい、新しく出来たお友達ですから」

「おお、感謝する」


 さて、たまこちゃんさんのアトリエは『ファスタ』ですよね。

 チャット...はログインしていないと意味がない場合がありますね。とりあえずメールを送りましょう。


 えっと、[フレンド]を開いて、たまこちゃんさんを選択、[メール]を開いて文面を...




 ■■■■■■■■■■


 たまこちゃんさんへ


 突然の連絡失礼します。

 珍しい素材アイテムを手に入れたので一度ご相談したいのですが、お時間よろしいでしょうか?

 ご都合のいい時間や場所がありましたらご連絡をお願いします。


 ■■■■■■■■■■




 と、えっと[送信]と。




「マーキュリーさん、ダニエルさん、たまこちゃんさんに今メールを送りましたので返事を待ちまし“リリリリリッ!"


 おや? この音は?


 ■■■■■■■■■■


 プレイヤー“たまこちゃん"からボイスチャットです。


 ■■■■■■■■■■


 あ、ボイスチャットのコール音ですか。

 えっと、受話器のマーク、これですね。


「はい、もしもし」

『あ、ウォーカー今チャット大丈夫?』

「ええ、大丈夫ですよ」

『オッケー、じゃあさアトリエに来てもらっていい?』

「承知しました。それではファスタの町に行きますね」

『ああ、違うの』

「ん?」

『詳しいことを話すからツーヴァに来て』

「はい、分かりました..」


 一体、何が違うのでしょうか?

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