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真面目な僕は遊び人になりました  作者: 樫原 翔
ゲームをさらに楽しみましょう。
38/61

遂に・・初めての魔法です!

なんとか更新できた....

GW中にもう一本くらい載せれたらな〜


2023/5/2

 僕は今ダニエルさんと一緒にスキルショップに行きました。


「よく考えると僕、スキルショップは初めてです」

「ほう、そうか、それじゃ魔法を習得出来ない訳だ」

「そうなのですね」


 ダニエルさんに聞くと魔法職には『初級魔法適性』というスキルが常備されていて、そこから魔法スキルを獲得出来るとのこと。


 一方、一部の生産職やロール職には魔法を使えるものがあり、使えるようになるために『初級魔法適性』のスキルを得る必要があるからスキルショップで販売しているということでした。

 先日調べてみた際もこのスキルが必要ということでしたが、どうやって入手するかがよく分からなかったので助かりました。

 よく考えればスキルショップがあるのだからそこに行き着くのは当然でしたね。


 ついにスキルショップでお買い物です。




「おお、これがスキルショップ...」

「ふふ、中々に心くすぐるものだろう」

 まるでファンタジー映画にあるお店ですね。

 あれは確か杖を売っているお店でしたけど、こちらもそれに近いです。

 壁一面の棚に並べられた巻物(スクロールというらしいです)があります。ただ、時代劇みたいな巻物じゃなくて、なんかローマとかそんな感じの映画にありそうな金属系の芯に紙が巻かれているやつです。



「ええと、魔法関連のスキルは...」

「ウォーカー、あったぞ」

「本当ですか?」

 ダニエルさんが指差す所にあるスクロールを手に取ってみます。


 ■■■■■■■■■■


『「初級魔法適性」のスクロール』


[解説]

 スキル獲得アイテム。

 これを使用するとスキル『初級魔法適性』を獲得する。


 ■■■■■■■■■■


「おお....」

 では買いましょう。




 アイテムショップの物と比べて中々のお値段でした。

 だけどダニエルさん曰く、これでも安い部類だとか。

 確かに初心者には手が出しにくいですね。


 僕も初心者のはずですが。


 ついでにダニエルさんに勧めてもらった『生命力増強(小)』と『魔力増強(小)』も購入しました。


 これら二つは大抵のプレイヤーが購入するパッシブスキルとのことです。それぞれHPとMPを増やしてくれるスキルです。


「では、いきます!」

「ああ、いくがよい」

 僕はスクロールを開きます。


 すると、そこには何やら見慣れない文字の羅列がびっしり。

 続けてその文字が光ったかと思うと綺麗に一列を組んで僕を囲うように旋回します。


 そして消えました。


 ◆◆◆◆◆◆◆


 スキル『初級魔法適性』を獲得しました。


 ◆◆◆◆◆◆◆


「おお」

 直後に僕のスキルが増えました。


「やりましたダニエルさん。これで僕も魔法が使えるのですね?」


 ◆◆◆◆◆◆◆


 スキル『ファイア』を獲得しました。

 スキル『ウォーター』を獲得しました。

 スキル『ウィンド』を獲得しました。

 スキル『アース』を獲得しました。

 スキル『ライト』を獲得しました。


 ◆◆◆◆◆◆◆


 え、こんなに一杯!


「えっと、これは?」

「それが初級魔法だ。ようこそ魔導の深淵に踏み入りし者よ! この我が輩が直々に鍛えてやろう」

「それではよろしくお願いします、ダニエルさん」

 こうしてダニエルさんに魔法を教わるのでした。


 あ、もちろん他二つのスクロールも開くのを忘れずに。




 ーーーーーーーーーーーーーーー


「それが初級魔法だ。ようこそ魔導の深淵に踏み入りし者よ! この我が輩が直々に鍛えてやろう」

 まずい。


 まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいっ!!!!!


 折角親切にしてくれたウォーカーさんになんて失礼な態度を!


 わざわざボクをパーティーに入れてアイテムの値引きをしてくれた親切な『商人』さんなのに。


 ロール職の一つ『商人』は、その特性からアイテムの売り買いで値上げや値引きが出来ると聞くけど、それ故に安易に他のプレイヤーから安くアイテムを手に入れるために利用されることも多いから同じ『商人』系の職業だけで固まるって聞いたことがあるのに。


 それなのに見ず知らずのボクに親切にしてくれているウォーカーさんは本当にいい人だ。

 だからお願いされた時は一二もなく魔法を教えてあげようと思ったのに、なんて尊大な態度を!




 ああ、穴があったら入りたい。


 現実とは違うからとかっこつけたキャラ作りしたら引くに引けなくなっちゃったし...


 うう...ウォーカーさん絶対怒ってい「それではよろしくお願いします、ダニエルさん」


 怒ってなかった!

 ありがとうウォーカーさん!


 ーーーーーーーーーーーーーーー


 僕はダニエルさんと一緒に『決闘システム』の専用フィールドにいました。

 もちろん、『模擬戦』設定で。


 意外にもダニエルさんは『決闘システム』は利用したことがなかったとのことでした。


「ふ、我ほどの実力者となれば相手にするのも恐れ多いのだろう」

 なんと、それはすごいですね。


「よし、ウォーカー。試しに魔法を使ってみるがいい」

「では、“ファイア"」

 と、魔法を発動させようとすると...あれ? 出ない..うわ!


 ノリで突き出した手の平から炎が“シュボッ!"と出てきました。

 おお!


「ふふん、これが魔法だ」

「でも何ですぐに出なかった...あ、キャストタイム」

「そう、魔法の発動には基本キャストタイムが設けられている。故に発動する時は..」

 と言って手の平を突き出すダニエルさん。


「“ファイア"!」

 と言った所で“ボオオッ!"と手の平から炎が出てきました。

 僕のより大きいですね。


「このように発動するタイミングで名前を口にするのが格好いいのだ!」

「なるほど。確かに名前を言ったのに発動が遅れるというのは格好悪いですね」

 これは少々検証しないとですね。


「魔法スキルを使う際にはある程度先を見据えた立ち回りが重要だ。他にも色々と気をつけていく点があるから実践して確認していくがいい」

 そういってダニエルさんが指をパチンと鳴らすと例の藁人形が出てきました。


 あれを的にして練習ということですね。


「ありがとうございます、ダニエルさん」

 よし、やってみましょう。




 ーーーーーーーーーーーーーーー


 うわああああああああああっ!


 何を偉そうに言ってるんだボクは!


 魔法スキルにはキャストタイムがあるのなんて分かりきっていることなのに。


 何が『先を見据えた立ち回りが重要だ』だ。


 キャストタイムのことにもすぐに気づいたウォーカーさんならこんなことだってすぐに分かってくれることなのに。




「ありがとうございます、ダニエルさん」

 すっごく素直にお礼言ってくれた!


 うう、ウォーカーさん、本当にいい人だな〜。


 ーーーーーーーーーーーーーーー


 しばらく魔法を使って気付いたことがありました。


 まず、今使える魔法の特徴は...


『ファイア』

 炎が出てくる。バーナー? 威力はあるけど射程があんまり。


『ウォーター』

 水が放たれる。水鉄砲? 威力と射程はそこそこでバランスはいいかも。


『ウィンド』

 風が吹く。扇風機(なんか撮影に使うような大きいやつ)? 威力は低いけど射程は長い。


『アース』

 地面を隆起させる。油断すると脛を強打しそうなくらいの高さ。空を飛んでいる敵には無力そう。


『ライト』

 ソフトボール(かな?)くらいの大きさの光の玉。手ぶらでいられる照明。攻撃力は皆無。完全に暗い所の探索用の魔法。


 でした。



 次に、魔法の発動起点について。

 これは色々と試してみましたが、今使える初級魔法は僕のすぐ近くからしか出せないことが分かりました。


 例えば、『ファイア』、『ウォーター』、『ウィンド』は手の平を突き出したり出さなかったりしても基本的に僕が向いている方、つまり前方に魔法が出ます。

 けど、明確にイメージすれば僕の後ろからとかでも放てるようなので背後からの不意打ちにカウンターなんてのも出来そうですね。


『アース』は基本僕の正面すぐの地面か、僕が触った所の地面を隆起させます。これもイメージすれば座標の調整が出来ますかね。又、重ねて発動も出来るようで、隆起させた地面を更に隆起させることが出来ました。


『ライト』は僕のすぐ近く上辺りをフヨフヨと浮かんでいて、僕が動くと着いてきます。

 なんか人魂っぽい。もしくは大きな蛍。


 ソフトボール(かな?)くらいの光を出す蛍....リアルに想像すると気持ち悪いですね。




 そんな感じで繰り返し魔法を使ってみましたが...


「キャストタイムによる時間差に慣れるまでが難しいですね」

 今は練習ですから問題ないですけど、実戦だと厄介ですね。


 咄嗟に魔法を使おうとしてもすぐに発動する訳ではないのですから。


「ふむ、ならウォーカー、コレをやろう」

「はい?」

 そういってダニエルさんは[リュック]から何かを取り出してきました。


 これは....ペンダント?


 鈍い鉄色のそれは円盤状の内側に本と...杖(持つ側の端がカタツムリの殻みたいな、なんか仙人とかが持ってそうな感じの)が交差した模様が彫られています。


「これは?」

「それは『メイジシンボル』といって魔法スキルのキャストタイムとリキャストタイムを短縮してくれる代物だ」

「え、そんな便利なものをくれるのですか?」

「まあ、尤もそのペンダントが時間短縮してくれるのは初級魔法のみだがな」

「ああ、なるほど」

 それでも、今の僕にはとてもお役立ちしますね。




 ーーーーーーーーーーーーーーー


 大丈夫かな、大丈夫かな?


 お古の使わなくなったやつだし、アクセサリーを渡して嫌な気分になっていないかな?


 うう、というか誰かにプレゼントなんて初めてだし....


「何から何まで...本当にありがとうございます、ダニエルさん」

 そう言ってウォーカーさんは『メイジシンボル』を首に掛けてくれた。


 よ、よかった〜


「何か僕の方でお礼をしたいのですが...」


 あ、だったら...


「う、うむ、ならば我とフレンドにならないか?」


 ーーーーーーーーーーーーーーー


「フレンドですか?」

「そうだ。こうして知己を得たのも何かの縁。なのでフレンド登録をしておこうと思ったのだ。どうだ?」

 けど....


「それはダメです」

「な! 何故..」

「だってお礼でお友達になるのは違いますから」

「え?」

「僕はダニエルさんとちゃんとお友達になりたいんです。ですから、フレンド登録をお礼でするのは嫌です。普通にフレンド登録しましょうね」

「あ、ああ..」




 こうして、僕はダニエルさんとフレンド登録をしたのです。


 けど、お礼はどうしましょうか?


「な、ならウォーカー、頼みがある!」

「....喜んで」




 その後、僕はダニエルさんの案内の下、とあるダンジョンの前に立っているのでした。

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