【8】魔王、お風呂に入る
今は夕食の時間だ。
シナとミアは俺とディアを連れて食堂に来たが、みなはもう食堂にいて俺を待っていた。
席につき、ミアは給仕して俺の後ろに控えた。
椅子に座って食卓の上に多くの料理を並べた。ほとんどの料理は見たことがないものだけど、匂いだけで食欲がそそられてしまう。
「じゃ、いただきます」
合掌しながら言った。
まず、ステーキみたいな料理。美味しいかどうか分からないけど、ナイフとフォークを取り、ステーキを切って一口食べた。
―――うまっ!
肉は軟かくジューシーで、ステーキにかけるブラックペッパーソースの味も口に広がった。
「なにこれ?うますぎる!」
「その料理はシーサーペントの肉を使ったシーサーペントステーキです、魔王様」
と、話しかけるのはコックのような格好をしているが、見ない顔だけど、様子から見て犬人で犬の耳や尻尾を持っている。
でも、彼はこの料理はシーサーペントステーキと言った。
シーサーペント、よく小説で読んだことがある。それは海で生きて、強大な力と細長く巨大な体を持つ生き物だ。
俺はあんなに強い物の肉を食べたなんて。
「そうか……」
「でも、魔王様にお褒めの言葉をいただき、大変光栄に存じます」
彼は俺にお辞儀をした。
「そして、お前は……」
「あっ、申し訳ございません、魔王様。自己紹介を忘れてしまいました。私の名前はアドース・コレイライス、魔王軍の料理長です。魔王様のため美味しい料理を作るように頑張ります」
「ありがとう、アドース」
「いっ、いいえ!」
「みなも食べよう。早く食べないと、冷めてしまうぞ」
「おっしゃるとおりです。それなら、わしもいただきます」
それで、みなも「いただきます」と言った。
またステーキを切って食べたが、やはりうまい。幸せな表情をした。
「あの、魔王様。今日の授業はどう思いますか?改善する必要がありますか?」
にわかに、アイナベラは俺に授業の問題を問いかけた。どうやら、彼女は今日の授業をとても気にしているようだ。
「改善する必要はないよ。アイナベラのおかげで、俺はいろいろ勉強になった。ありがとう、アイナベラ」
「いっ、いいえ、とんでもございません、魔王様」
と、恥ずかしく頬を染めるアイナベラ。
「アイナベラ殿から聞いて、陛下の初級魔法が高級魔法を破壊できるとは、やっぱり陛下の力は強いです」
クロトに褒められて誇りに感じた。
この力を極めたら、世界のトップになれるだろう。そう思うと、興奮する。
「魔王様、一つ聞きたいことがありますが」
「言ってみて、ティリア」
「はい。その、魔王様はシルディア様と付き合っていることだって、本当ですか?」
「本当だよ」
「……っ」
こう回答すると、ティリアだけでなく、アイナベラもフレナも顔が暗くなった。
雰囲気はちょっと……。
「お前たち、どうしたの?」
「いいえ、なんでもないです、魔王様」
その目は殺気立っている。それに、彼女たちも怪しげな笑い声を立てている。
様子が怖くて思わずぞっとした。
ティリアはなんでもないと言ったけど、絶対何かあったと思う。
彼女たちはいったいどうしたの……理解できない……。
✦✦✦
夕食を食べた後は入浴時間なので、お風呂場に来た。
お風呂に入って今日の疲れを取ろう。
「魔王様、もしよろしければ、私たちに魔王様の背中を流させてください」
「あたしも刀夜様の背中を流させてほしいです」
シナとディアは背中を流す要求をした。
「いいよ」
と、こころよく同意した。
恥ずかしいけど、女の子とお風呂に入れば眼福な光景が見られるから。でも、女の子とお風呂に入るのは初めてなので、ちょっとドキドキする。
シナとミアは扉を開けて入り、それぞれは更衣室に行った。衣服を脱いでタオルを取り、腰に巻きつけて更衣室を離れた。
やはりお風呂場はとても広くて豪華に見える。浴槽も大きく、飛び込んで泳げる。
浴槽で泳ぐのは気持ちいい。
「魔王様は楽しそうです」
水から頭を上げて彼女たちに目を向けたが、目の前の光景に俺は顔を真っ赤にしてしまった。
彼女たちはなんと裸だ!
すぐに背中を彼女たちに向けた。
想像と違った。彼女たちはタオルを纏って胸の谷間を露出するかと思っていた。
「刀夜様はどうしましたか?顔を真っ赤にして……まさか刀夜様は具合が悪いのですか?」
「そっ、そうじゃないけど……」
全然直視できない。これはエロ本を見るよりも何倍も刺激的だ。
鼻血はもう……。と、鼻を覆った。
「大丈夫ですか、魔王様?」
「だっ、大丈夫……」
落ち着け、刀夜、落ち着け……。
「おっ、お前たち、俺の背中を流したいって言ったじゃないか?」
「はい、そうです」
「じゃ、流してくれ、頼む」
浴槽から出て腰掛けに座ったけど、鼓動がさらに速くなった。
「では、あたしが先です」
ディアは石けんを使い、スポンジで俺の背中を洗い始めた。彼女は背中を洗いながら鼻歌を歌った、嬉しそう。
しかし、俺は初めて女の子たちに背中を流されるのに、楽しめない。かえって、早く終わらせてここを離れたい。
その後、ミアの番になった。最後はシナだ。
一人五分ずつ俺の背中を洗い流した。
やっと終わったと思っているところに、扉が開かれた。
「失礼します。私も陛下の背中を流させていただきますね」
と、フレナも一糸も纏わず入ってきた。
……えっ?えええええー!?
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