表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/12

【7】魔王、将来のことで悩む

 シルディアに床に押し倒され、彼女の涙が俺の顔に滴り落ちた。彼女の泣き顔を見て、思わず罪悪感を覚え何とも言えない気持ちになってしまった。


 ……シルディアの顔を見ると、彼女は本当に俺が好きなようだ。


『俺、シルディアを慰めなきゃ』と思ったけど、シルディアを泣き止ませる方法を冷静に考えたが、『しかし、どうしよう……』と途方に暮れた。


 初めて女の子に告白されて、とても恥ずかしくてどう返事をするか迷った。

 それ故に避けて、シルディアを泣かせてしまった。


 でも、告白に嬉しく思った。


 受け入れようという気持ちが心の中に生まれ、胸は激しく鼓動を打った。


 こんな気持ちは今までにない。俺はシルディアを好きになってしまったようだ……。


 心を整え、俺は決めた。


「お前のさっきの告白、俺は受け入れる」


 そう、俺は彼女の告白を受け入れた。


 優しい口調で言って、シルディアの涙を指で拭いて頭を撫でて、少し落ち着かせた。


「本当ですか?ご主人様はあたしの告白を受け入れるなんて……」

「本当だよ、こりゃ冗談じゃない。俺はお前だけを大切にしたいから、俺の彼女になってくれるかい?」


 形勢が逆転して、シルディアに告白した。


「はい!」


 笑みを浮かべるシルディアの可愛さは俺を魅了した。


「これから、俺たちはカレカノだね」

「そうですね。でも、ご主人様と付き合うことができるなんて、まるで夢のようです。やっぱりご主人様が大好きです!」

「うわ!ちょっ!」


 にわかに、シルディアは俺に抱きついてきた。彼女の嬉しそうな様子を見て、俺も嬉しくなった。


 彼女ができたいという願望は、やっと実現した。



 ✦✦✦



 一時間も魔法を勉強してもう疲れたから、部屋に戻るとベッドに飛び込んだ。

 窓から外を見ると、すでに夕暮れだ。

 以前は異世界なんて幻想的な世界であり、真実とは思ってなかった。


 外を眺めると魔王城の周囲は町だけど、多くの建物はボロボロに見えた。魔王城と町の対比はとても鮮明である。


 これを見て、人族を倒す決心はもっと強くなった。


「すみません、魔王様」

「どうしたの、シナ?」


 シナは俺を呼んだ。


「もうすぐ夕食の時間ですので、私とミアさんは夕食を作りに行かなければなりません」

「確かに腹減った」

「それでは、失礼します、魔王様」


 シナとミアはお辞儀をして部屋を離れた。


 俺は人族を倒したいが、前後の考えもなく無鉄砲に行動してはいけない。

 ……やはり人材が不足だ。もしも諸葛孔明のような人が俺のそばにいて献策してくれたら、いいのになぁ……。


「ご主人様は何を考えていらっしゃいますか?」


 ベッドに横たわる俺のそばに来て俺に添い寝するシルディア。


「ああ、将来のことを考えているのだ」

「将来のこと?」

「うん。将来はどうするか?どうやって人族を倒すか?いろいろ考えている……」

「ご主人様、あたしには軍隊を指揮して作戦する才能はありませんが、あたしはご主人様に助言することができます」


 シルディアは俺に助言することができると聞いて、ちょっと安心した。


「じゃ、どんな助言だ?言ってみてくれ」

「はい。将来、ご主人様は必然的に人族を支配します。でも、もし人族がご主人様の支配に不満を抱いたら、人族はきっと一揆を起こします」


 確かにシルディアの推測はとても道理にかなっている。どうやって人族を支配するかも難題だ。

 万が一、人族が一揆を起こしたら、俺の地位はきっとその動乱に影響される。さらに政権が人族に覆される。


 そんなことは起こって欲しくない。


「そうだな……」

「ご主人様、あたし一つの提案があります。それは人族と魔族が共存共栄の国を作り上げることです。どうですか?」


 人族と魔族が平等に共存共栄する国か……。それなら、人族を満足させられ、地位も維持できる。一石二鳥だ。


「とてもいい。ありがとうな、シルディア」

「いいえ。その、ご主人様、あたしのことをディアと呼んでいただけますか?」

「わかった。じゃ、お前も俺を刀夜と呼んでくれ」

「いいですか?ご主人様の名前を呼んでも……」

「いいよ。お前は俺の彼女だから」

「わかりました。でっ、では、とっ、刀夜さま……」


 赤面して俺の名前を呼ぶディア。とても可愛い。

 俺はやはりディアを好きになってしまった。



 ✦✦✦



『とんとんとん』


 ドアを叩く音だ。


「誰?」

「私たちです、フレナ様」


 ドアを叩くのはシナとミアだ。刀夜に夕食の準備をするとうそをついたのだ。


「入って」

「はい」


 シナとミアはドアを開けて入った。

 フレナは彼女たちの慌ただしい様子を見て、何があったのか気付いた。


 実は、シナとミアはフレナに手配され、刀夜のそばにいて、他の女たちの刀夜に対する言動を監視することを命じられていた。


「どうしたの、お前たち?」

「やばいです、フレナ様」

「魔王様はアイナベラ様とキスしました」

「なっ!?」


 このニュースを聞いてびっくりしたフレナ。


「お前たち、詳しく話して」


 シナとミアはさっきの魔法授業の經緯をフレナに教えた。


「アイナベラのやつ、魔力を補足するという口実で陛下とキスするなんて……私より先に陛下とキスするなんて……」


 妬んで怒ってこぶしを握って足を踏み鳴らすフレナ。


「それにシルディア様も魔王様とキスしました」


 フレナはまたびっくりした。


「それはどういうこと?」

「授業が終わった後、シルディア様は魔王様に告白してキスしました」

「そして魔王様はシルディア様の告白を受け入れました、フレナ様」


 この二つのことはフレナにとって、明らかに大きな衝撃だ。

 刀夜が好きなフレナは魔王の嫁になることを目指しているからだ。


「わかったわ。私、頑張らなければいけない」


 それから、フレナたちは計画を立て始めた……。

・面白かった!

・続きを読みたい!


と思ったら、

是非広告の下にある☆☆☆☆☆から、作品への星5つ応援お願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ