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【プロローグ】魔王、異世界へ召喚される

 俺の名前は谷古宇 刀夜、一人の高校二年生だ。

 趣味は異世界ファンタジーのジャンルの小説を読むことだ。


 学校から家に帰り、食事とお風呂が終わると夜は暇になり、俺はよくその時間を利用して自室で小説を読んで自分の余暇を楽しむ。


「これも面白いな。キャラや世界観の描写が際立ってよく書けているね。この小説は多くの読者から称賛されているのも無理はない」


 小説を読むか夢を見るか、俺は時々自分が剣と魔法が実在する異世界へ行くことを幻想する。


 主人公が異世界に転生や召喚され、チートのような能力を得て、意のままに生き、最期までずっと幸せに暮らす。

 そんなラストが大好きだ。それに憧れる。


 もしも俺が異世界へ行けたらいいな。

 と、思う。


 でも、そりゃ不可能だろう。

 異世界へ行くなんて現実離れしている。


 小説を一冊読み、とても充実した時間を過ごしたと思った。


 背伸びして時計を見るともう十二時になっていた。


 もうこんな時間だ!まずい!


 小説を読むことに没頭しすぎた俺は、時間に留意しなく、いつの間にか深夜になっていた。


 寝なきゃいけない、明日はまた授業があるから。


 本を閉じて本棚に戻すと、いきなり電灯が激しく点滅した。


 ……どっ、どうしたの?


 俺は少し不安になり、悪い予感がした。


「……えっ?なっ、なに?」


 忽然一つのブラックホールが現れた。


 一体何が起こっているのか?


 やばいと感じて部屋を脱出しようとする時、


「まっ、まて……」


 と、強大な引力でブラックホールに吸い込まれ、目の前が真っ暗になった俺は絶えずもがいている。

 頭が混乱して手掛かりが見つからなかった。


 まだ理解できない。

 こりゃ一体どうして?


 なんとなく眠りたくなった。

 そして身体がふわふわしている。


 まさか、死ぬとはこんな感じなのか?


 死にたくない。俺は死にたくないよ。

 やりたいことがまだたくさんある。

 彼女ができるとか、彼女とキスするとか、彼女とセックスするとか……。


 自然と涙が流れ、目を閉じた……。



 ✦✦✦



「やりました、みんなさん。魔王召喚が成功しました」

「あの人は魔王様ですか、かっこいいですね」


 話し声が騒がしい。


 えっ?声が聞こえる。どうやら、俺は死ぬことなく生きている。

 しかし、さっきは何が起こったのだ?


 目を開け、まわりを見た。

 見たことのない広い部屋だ。……いいや、部屋じゃない、宮殿みたいだ。


「えっ?」


 なんで……俺はここにいるんだ?

 そして王座らしいものに座っている。


 なぜか俺はここにいた。


「魔王様」


 と、女の声だ。


 前を見ると数体の人らしきものたちが俺の前に跪いた。


 いいや、彼らは人間じゃない。まるで小説の中の魔族キャラのようだ。


「えっ?」


 びっくりした。


 まっ、まさか俺は異世界に来たのか?

 やっと念願の異世界に来た。


「よっしゃ!」


 と、うれしすぎて叫びながら立ち上がってしまった。


 一瞬にして、気まずい空気に包まれた。


「すっ、すまん……」


 恥ずかしくて座った。


「どうかしましたか、魔王様?」


 魔王様とは……俺のことか?


 自分の頬っぺたを抓った。痛い!

 夢じゃない、現実だ。


 俺は魔王。

 魔王なんてこんなチートのような身分。


 興奮している。


「いいや、俺はうれしいよ。俺は俺を召喚してくれたお前たちに感謝している」

「いいえ、とんでもありません、魔王様」


 俺に話しかける女性は綺麗な銀髪のツインテール、赤い瞳、翼と尻尾があり、耳は長く尖っており、様子からみてサキュバスだろう。

 だが、彼女の身なりは肌の露出度が高く、めちゃくちゃ目の保養になった。


「その、俺はまだお前たちの名前を知らない。教えてくれるか?」

「はい、魔王様。私の名前はフレナ・シャルフィです。魔王軍の四天王の一人です」

「わしの名前はクロト・リオです。魔王軍の宰相です、魔王様」

「魔王様、私はティリアです。ティリア・ヨージェスです。フレナと同じく魔王軍の四天王の一人です」

「私の名前はアイナベラ・コノーミです。私も魔王軍の四天王の一人です」

「私はアウカードロン・アルトです。魔王軍の惡魔首領です。魔王様のために私は喜んで私のすべてを捧げます」

「我が王よ、私の名前はサノパ・ロスクスです。魔王軍の首席騎士です。魔王様のために、私はどんな状況でも自分の命を落としても厭いません」

「私はキーガ・ボトスです。魔王軍の上位将校の一人です。魔王様が下す命令ならば私は絶対に達成します」


 彼らは自己紹介をした。


 フレナはサキュバス、クロトは死霊使い、ティリアはスライム、アイナベラは竜人、アウカードロンはデヴィルロード、サノパはデュラハン、キーガは人狼だ。


 クロトはただの老人にしか見えない。白髪まじり、豊かなあごひげを生やし、白色のローブに身を包んで、右手に杖を持っている。


 ティリアはピンクの長い髪と紫色の瞳を持っている。外見は可愛らしい少女のように見えるが、実は彼女はスライムだ。


 アイナベラも翼・尻尾があり、頭には角もある。赤い髪と金色の瞳、鋭利な犬歯、そして巨乳だ。


 アウカードロンは燕尾服を着て、翼もある。ふるまいが落ち着いており、背が高い。美男子と言える。でも、彼は魔王軍の惡魔首領になれるのは、実力はきっと非常に強いだろう。


 サノパは全身に甲冑を着け、右手に自分の頭を持っている。腰には剣を一本下げ、威風堂々たる偉丈夫(いじょうぶ)だ。


 キーガは半狼半人の姿であり、体つきはかなり魁偉だ。睨まれたら身の毛がよだつような鋭い目をしている。


「満足だ。俺はお前たちの忠誠心に何らの疑念も抱いてはいない」


 異世界では、俺の名前はトウヤ・ヤコウ。


「お前たち、よく聞け。俺はトウヤ・ヤコウ、お前たちの王だ。俺を信じろ。俺は魔族を率いて我々魔族を強大にさせる、絶対に」


 と、立ち上がり大声で宣言した。


 突然、自分は重度の中二病だと思った。


「「「「「「「はい!!」」」」」」」


 と、魔族たちは一斉に大声で応えた。


 こうして異世界に召喚された俺の魔王としての生活が始まった。

・面白かった!

・続きを読みたい!


と思ったら、

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[良い点] 異世界へ召喚されたと思ったら……。 勇者じゃなくて、魔王?! って、この順応性はまさに中二病のなせる業!
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