第2話 どこかで聞いたような気がするけど結局思い出せないのってあるあるだと思う。
一週間に1話と言ったな?
あれは嘘だ。
正直言って不定期になると思う。
「どうやって洗おうかなー」
このお店は経営難と言っていたが食料品から日用雑貨、工具などと下手なショッピングセンターより品揃えが良い。
そこから大きめの洗面器を取り出してお湯を注ぐ。
そこに鉄器槍の果物ナイフ部分を取り外します。
勿論ビニールテープ部分にも血がこびりついているのでビニール手袋二重で触ります。
取ったビニールテープはポリ袋に入れて焼却炉にポイです。
そして果物ナイフは溶鉱炉に入れておきます。
おぉ、よく溶けるなぁ。
そしてビニール手袋を脱いで焼却炉にポイしてから刃渡り20cmの両刃ナイフを持ってきて、鉄器槍の穂先に溶接します。
溶接は初めてなのですが見よう見まねでなんとかなりました。
やはり動画サイトは偉大ですね。
これで完全版鉄器槍の完成です。
重さも微妙に増えて攻撃力がカサ増しされてます。
こういうのをショートスピアっていうんでしたっけ?
ゲームで見たことがあるんですが今それが私の専用武器になりました。
これからの活躍に期待ですね。
別に銃も作ろうと思えば作れるのですが管理や銃弾の生産が面倒だしわざわざ遠距離戦闘していてもつまらないだけなので近接武器のみという縛りでやっていこうと思います。
この店に籠っているだけでも1〜3ヶ月はやっていけますがそれも面白く無いのでNGです。
鉄器槍を作成しても13時です。
そろそろお腹がすいてきたので食料品売り場から何か持ってきますね。
はい持ってきましたよ。
今回は短時間で栄養が取れるエネルギーフレンドのメープル味を頂きます。
うん、デリシャス。
パサつく口内に水を流し込んでご馳走様です。
ではでは鉄器槍mk−Ⅱの初陣です。
シャッターや防火扉を開けるのは面倒なので裏口の扉から出ます。
表に出るとゾンビが増えていました。
そりゃ何時間も経てばまた戻ってきているか。
ゾンビどもはふらつきながら歩いているので歩行速度は速くありません。むしろ遅いぐらいです。
一番近くにいたゾンビに近づいて薙ぎ払いを繰り出してみます。
大型ナイフの刃がゾンビの首を切り裂いて、ゾンビの口が一つ増えました。
新しい口を貰ったのが嬉しかったのかゾンビは涙の代わりに血を滝のように流して喜びます。
その際に脚から力が抜けて崩れ落ちるように倒れ込んだのは失血によるものでは決してないでしょう。
今は存分に泣かせてあげましょう。
私はわざわざ泣いている敵を片付けるなんていうナンセンスなことはしません。
とにかく私は女神のような慈愛の心を持つ淑女ですので無粋なことを嫌うのです。
その素敵な状況をぶち壊しにするゾンビ(商店街の皆さん)が現れたので極楽浄土に送ってあげましょう。
その作業で鉄器槍mk−Ⅱの斬れ味の良さが十分証明されました。
やはり武器は自分で作らないと意味がないですね。
こうやって自分で作り上げたからこそ尋常じゃない斬れ味を持った槍が顕現したわけです。
きっと戦いの神様が宿っているに違いありません。
おっと、泣いていたゾンビはどうやら泣き止んだようです。
泣き疲れたのか今では安らかに眠っています。死んでいるように見えるのは気のせいです。
折角泣き止んだので鉄器槍で頭に一突きしておきます。
これで極楽浄土へ送られました。
極楽浄土で商店街の皆さんと楽しくお過ごしください、南無。
槍を一振り空振りさせると刃に着いた血が地面に吹き飛びます。
これでお手入れが楽になります。
次話も出来次第投稿します。




