第3話 「たった一人の親友の話、の話」
このエッセイを始めるにあたって、最初に思ったのは、ガキの頃に毎日のように一緒にいた親友の話を絶対に書かなくちゃいけないってことだ。
彼の事は、昔一度書いた事がある。2017年のクリスマスの少し前に、たまたま夢に彼が出て来た。これも何か意味があることなのだろうと思って、僕はイブの日の夜に1万人を超えるフォロワーの前で、延々と彼の思い出を語っていた。相場とはほぼ無縁の話だったのに物凄い反響があって、書いてよかったなと思ったことをよく覚えている。
そこから約二年半――僕は人間的には何も変わらず、何度も相場に失敗して、ほとんど全ての円資産を失った。VACUSという仮想通貨だけはアホほど持っているけれど、それがこけたら本当に何もない。まさにその二年半前、僕はそのVACUSの将来性に着目して、30BTC分のVACUSを手に入れたのだ。
4年半前に、フル借金の300万で相場の世界に舞い戻って、ピーク時に3億あった資産は、今じゃほとんどVACUSだけになった。そして今、「一年以内に作家になる」と息巻いて、毎日文章を書いて暮らしている。
馬鹿げたことだと人は言うだろうし、実際馬鹿げたことだと思うが、だからって、「やっちゃいけない」訳じゃない。大体いままで、「やっちゃいけない」ばかりやって暮らしてきたのだ。法に触れないだけ、なんぼかマシだろう。
人の手で相場を作ることの何がいけないのか、僕にはさっぱり分からないのだが、とりあえず今は金もないし、刑務所にも行きたくないから我慢してる。そういうロクデナシの書く文章だけど、自分以外には書けない文章であるような気もするから、ほんの少し貴方の時間を頂いて、ぜひ読んでいって欲しい。
勿論、続きます。




