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第13話「僕が今、本気でやってる遊びの話」

 僕は、自分が書きたいと思うものを曲げることはしないけれども、自分が面白いと感じるものと、世間の人たちが面白いと思うものが乖離してる事は、ちゃんと自覚してる。


 だからまず自由に書いてから、マニアックだなと思う内容をどんどん削っていく。表現が難しい部分には平易な言葉を使ったり、内容的には問題ない部分でも、読んでいて気持ちよく読めない時には(これは、詩の範囲に近いと思う)思い切って捨てることにしている。


 それで、作品がイマイチになっちゃうかって言ったら、そんな事は全然なくて、大抵は削った後の方が面白い。3000字のお話がアップされてたとしたら、大抵は最初は、5000字くらい書いてると思ってくれていいんじゃないかと思う。


 今の僕は作家ではないけど、お金を貰って文章を書く人、つまり、売文業者ではある。今の僕には、自分の文章を金払っても読みたいという人がFANBOX上に99人いて、彼らの支援で毎月13万円くらいのお金が入る(実際は、手数料を10%引かれて12万弱)。


 支援プランは、月111円から1万円まで幅広いけど、平均すると一人当たり1330円頂いている計算になる。頂いたお金に見合うサービスを提供しなきゃいけないと思ってるから、無償公開してる作品も含めて、いつもそういうスタンスで作品を書いてる訳だ。


 勿論、売っている文章は、怪しい情報商材とかではない。今、カクヨムで連載している、「闇人妻の杜―並行世界のユキとソラ―」と同じ世界観で、まったく別のストーリーのお話を、FANBOX上で連載しているのだ。

 

 月に12万円は、それで暮らしていける金額だとは到底言えない。だけど、『自分の好きなものを書いて』、毎月毎月この金額が入るというのは、勿論とてもありがたいことだ。


 書籍化を目指すなら、賞に出した方が良いと思うんだけど、はした金貰って作品は自由に使えなくなる訳で、あんまり賢い選択じゃないと僕は思ってる。しかも、賞に引っかからなきゃ、報酬はゼロだ。


 だったら作品をどんどん書いて、物書きとしての支援してくれる人を200人とか300人に増やして、「まずは文章書いてりゃ暮らせる」っていう状況に持ってった方が良い。元々芸事っていうのは、パトロンがいなきゃ成り立たないものだと思うしね。


 それくらいの人数なら、相手の顔がちゃんと見える。それに、2万部売って印税貰うのと、200人から毎月1000円もらうのだったら、手取り的には後ろの方が全然多い。そもそも、2万部を完売するのって、今のご時世じゃ結構ハードルが高いのだ。


 人は関心のないモノには、絶対に金を出さない。だから、200人から毎月1000円(年間12000円)集められる作家だったら、その時点である程度、作品の質は保証されてる。もし僕が編集者だったら、そういう作家が目に留まったら、絶対に放ってはおかないだろう。


 そういう方法論で、僕はいま作家を目指してる。

 そこがゴールではないけれども。


 まあ賞を取れば、ファンの人たちが喜んでくれるし、新規の支援者も来るだろうから、賞レースを否定する訳じゃない。だけど僕は、賞を取るための作品は、多分これからも書かないだろう。


 大事なのは、僕が書きたいと思う作品をなるべく分かりやすく書いて、支援してくれる人を楽しませること。簡単に言えば、「彼らに損したなあ……」と、絶対に思わせないことだ。勿論、そうやって生まれた作品が、結果として賞を頂ける作品になるのであれば、ありがたく頂くけどね。


 僕は相場師としては失敗した人間だ。物書きとしても、ゲームのシナリオを描いたり、お金を貰ってコラムを書いたりしたことはあるけれど、所詮はゴーストライターで、それを僕の文章だと認識してる人はほとんどいない。


 でもそんな僕を、相場の情報も入らないのに身銭を切って応援してくれるファンが99人もいる。僕はそこに希望を見いだしている。


 僕が今、日本の戦後政治史というマイナージャンルで、闇人妻を書いているのと同じように、既存の商業ルートじゃペイしないけれど、すごく面白い題材を持ってて、作品を書きたいと思ってる人たちが沢山いると思う。そういう人たちが筆を折らなくて済む世界を作るために、僕は今こんな試みをしてる積りだ。


 作家としては未経験に等しい僕が、自分と自分のファンのためだけの物語を書いて食っていけるなら、僕より若くて本気で作家を目指してる人なら、余裕で食えるようになるだろう。多数の人間に受ける事と、少数の人を滅茶苦茶に痺れさせる事にはトレードオフの関係があって、僕は後者の作家に筆を折らせたくない。


 ごく一部の天才を覗いて、作家がファンと直接向かい合ってお金を頂く世界になっていくのは、もう仕方のないことだ。だから、僕はそんなにおかしな事を言ってる積りはないのだけれど、世間がどう判断するかは、勿論分からない。


 うまくいかないことを長々と続けても仕方ないから、この試みを思い付いた時に、作家を目指す活動は、長くても1年だと期限を切った。もうひと月たったから、あと11か月だ。


 今このエッセイを読んでいる人の中には、紙の本を出せば食っていけると思ってる人がいるかもしれない。でも、それは幻想だ。仮に貴方が、年間二万部売れる才能を持っているとして、そのレベルの作品を年間2冊出せるとしても、そこで入ってくる印税は、良くて240万円だ。


 勿論、ここから税金が引かれる。そしてそれを何年も続けられる作家は、そうはいない。もし、ラノベの実売を調べたら、きっとドン引きするだろう。ネタと才能が枯渇するまでの間に何らかの大ヒットを飛ばさない限り、今の日本じゃ、物語を書いて食ってはいけないのだ。


 だからまあ、僕のどんなものを書いてるのか一度読んでみたいとか、「2万部は売れないけど、200人の心は強烈に掴めるタイプの作家」を応援したいという方が居たら、ぜひ支援して欲しいと思う。僕を支援することはきっと、殆どボランティア同然の金額でマイナージャンルを書いてる人たちを、救うことに繋がるからだ。


 実をいうと、僕はまだ、支援して頂いたお金に一円も手を付けてない。実際に金を集めた『実績』を作ることが目的であって、使うことが目的じゃないからだ。


 勿論、今一番頑張ってるのは僕だし、ボランティアでモノを創る事ほど、この世で無意味な事は無いと思ってる。だから、なんらかの結果が出れば、いくらか引き出させてもらう積りでいるけれども、それを独り占めするつもりは毛頭ない。


 これから約11か月後に、作家活動を続けるにせよ、止めるにせよ、余った金は全部、僕のファンであり、僕の作家活動を支援してくれた人たちにばらまくつもりでいる。


 その時に、「一年間、楽しませてもらったのに、金が増えて戻って来たわー」って、支援してくれた人たちに笑ってもらえたらいいなあって思ってる。僕が今やってるのは、そういう遊びだ。

 

 でも、遊びだからこそ、本気でやらなきゃ楽しくないし、もし仕事にしちゃったら、僕は作家を商品にしか見られなくなると思う。どんな価値観を持つ人間でも僕は絶対に否定しないけど、理念だけは一緒じゃないと、一緒には遊べないのだ。

 

 僕の今日の言葉に何か引っかかるものがあったり、あと11か月間、僕と一緒に遊んでみたいと思う人がいるなら、まずは伊集院アケミのTwitterをフォローして、気軽に声をかけて見て欲しい。僕はお世辞は言わないけど、真面目に声を掛けてくれた人には、必ず返事を返すようにしている。


 15000人フォロワーがいた時にも、VALUで天辺てっぺんを取った時でも、僕はちゃんとそうしてきた。一旦それをリセットしたのは、相場師としての僕を評価する人間、つまりお金が一番に来る人たちは、僕のこれからの人生にはいらないなと思ったからだ。

 

 勿論、お金儲けは悪い事じゃない。だが、金が一番に来る人たちは、後からいい条件を示した人が来たら、簡単に裏切る。だから、金じゃなくて、理念で繋がらなきゃダメなのだ。いい事をした結果として、金が残らなきゃ意味がない。


 僕は相場の世界で、昨日までの貧乏人が一気に成り上がったり、成功者がたった一つの失敗で自殺に追い込まれたりする様を何度も見てきた。僕の人生も嵌められたり、助けられたりの繰り返しだ。だから誠実な人間に対しては、こちらも誠実でありたいと思ってる。


 世の中色んな人間がいるし、趣味嗜好はそれ以上に沢山あるから、合う合わないは仕方ない。だけど、僕は今、絶対に僕にしか書けない作品を書いているし、そういう人間は他にも沢山いるはずだ。そういう人間が、なるべく楽しく暮らしている世界を、僕は作りたい。


 僕には伊集院アケミの他に、『DJ全力』という鍵アカウントを持っていて、僕の支援者のほとんどはそのアカウントにいる。そこの人たちは皆、僕の作品だけでなく、僕の【生きざま】を楽しんでくれている人たちばかりだ。


 かつて、15000人いたフォロワーを、僕は164人まで厳選した。そいつらと絡むだけでも、結構楽しいんじゃないかと思う。仲間に入るのは、僕らと理念を共有して、つまり、「2万部は売れないけど、200人の心は強烈に掴めるタイプの作家」を応援したいという考えに賛同して、僕を支援をすることだけだ。支援金額は関係ない。


 これから来る36人が、一体どんな面子になるのか楽しみにしながら、いま僕は闇人妻を書いている。こっちの闇人妻は、第一部完結で止まっているけれど、カクヨム版はもう4部まで入っているし、こちらの連載もいずれ再開するつもりだ。


 まずはTwitterやカクヨム版から。そしていつか、DJ垢むこうで「本音」で話しましょう。じゃあ、またね!



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