#1
長らく間が空いてしまって申し訳ありません。
時系列的には6の後で、観光しながらファーレを探す事にして、工房なんかを見てきた翌日の朝です。
「ローラさん、起きてー、であります!」
「んん…」
かつての名を呼ばれたのを感じ取り、私は目を覚ました。
瞳を開いた、目の前に、褐色肌の少女が笑顔でこちらを見つめているのを知覚し、寝ぼけた頭でこれは誰だろう、などと考える。
「ファーレ・アッチェソーリ、ただいま帰還しました、であります!」
ふざけたように敬礼し、名乗ったその名に。
急速に頭が覚醒し、完全に目が覚めた。
「れ、レレ…?」
「レレだよ? あ、であります!」
「リアねぇ、おはよう…って、誰?」
ふわあ、と欠伸しながら起きて来た説子に、
「説子、おはよう。この子が昨日話した、レレ…ファーレ・アッチェソーリよ」
あなたの予測、大当たりね?と、私は冗談めかした声音で言った。
「えっ」
えええええ…?なんて言いながら、説子はしげしげとレレを見つめる。
「んむ…リア姉さん、おはよう……誰ですかあなた」
あ、クーが起きたわね。レレという見知らぬ人物に警戒心を露わにするクーに、
「おはよう、クー。警戒しなくてもいいわよ。この子は昨日話したレレよ」
と私は説明する。
「えっ?」
えええ…?なんて言いながらしげしげとレレを見つめるクーに、笑いが零れる。
ほんと、反応がそっくりね。
「「リア姉さん(ねぇ)、なんで笑ってるの(んだ)?」」
「ふふっ、だって2人とも、反応がそっくりだから、可愛いなあ、って思ってね」
え?とまたハモって、顔を見合わせる2人に、私はまた笑った。