ジャンケンの腑に落ちない部分
ジャンケンを肯定した上で考察したい。
ジャンケンにはどうしても腑に落ちない部分が二つある。
それはグーとパーの関係性と
三種類の手が同時に現れたときのあいこだ。
まず、一つ目として、
どうして紙が石を包んだら勝ちになる?
理屈がわからない。
だから私は思う。
ハサミは暴力的で、
紙は温厚で、
石はいぶし銀なのだと。
ハサミの行動原理は単純明快。
誰彼構わず切りつける性格だ。
紙なら切り裂き、石では刃こぼれする。
紙は対象的に温厚な性格。
普通ならハサミが迫れば逃げるのが筋だ。
しかし、紙はされるがまま。
石に対しては優しく包み込む。
それは女神のような温厚さ。
そして石には敵意がない。
なぜならハサミを前にも動じず、
紙にはそのまま包まれる。
ただそこにいるだけ。
ではなぜ、石がいぶし銀なのかといえば、
腑に落ちないもう一つにその答えがある。
三者が同時に相対した時に何が起こるか。
先程の考察通りなら、
ハサミは紙に切りかかり、
紙はされるがままで、
石は何もしないはずである。
だが紙は切られず、あいこになる。
ここに答えがある。
そう、石が紙を守るのである。
ただそこにいるだけだった石は、暴力の前には動き出し、紙を完璧に守る。さらにそのハサミさえ傷つけない。そこがいぶし銀たる由縁。
そう考えることでようやく納得できる。
石と紙の関係性は、
言葉を交わさずとも通じ合うほどなのだ。




