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第七十七話「内外騒動」


「あなた様が、この映像で語られている

ショウ・シュナウザー様でお間違いないでしょうか??」


映像の終了した端末を見て固まるショウに

ペルジアが静かに語りかける。

あまりの衝撃にショウは膝から崩れ、

しばらく俯いたまま、途切れ途切れに言葉を絞り出した。


「....ぼくは.....アイって人から産まれた.....?

.....このイリスってロボットに.......育てられて.......

.......ダン隊長が....ぼくの…お父さん......??」


知らされた衝撃の内容に

ショウは頭の整理がつかず、長い間混乱していた。


「…………」


「このメッセージは、

半年前にこの端末に送られたとログを見て気付きました。

気付いたのはちょうど三ヶ月前、

報告を受けたルナ様は自分と同じ人間の少年に会いたいと、

自ら進んで旅に出ると仰いました……

我々も懸命に止めましたが、

あんな顔をされたルナ様を最後まで止められませんでした。」


「……………っっ!!」


ショウは俯いていた顔を上げ、

映像が映っていた端末のコンソールをカタカタと叩き始める

バックパックから取り出したメモリを差し込みさらに作業を続けていく、

その顔は真剣そのものだった。


「……あのっ…」


カタカタとコンソールを叩いていたショウの手が彼の

「……ここは…」という言葉と共に止まった。


「………?」


「………会わなくちゃ…」


「え?」


「ダン隊長……いや、お父さんに会わなくちゃっ!」


ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!


『!!?』


ショウが声を上げるのとほぼ同時に聖堂内に警報音が響き渡った


『侵入者あり!聖堂内に侵入者あり!

警備隊は至急一階に急行せよ、侵入者は四名っ

非戦闘人機二名に戦闘人機一名……っと…幼女?人機一名っ!!!』


「セレナたちだっ!」


「ショウ様!参りましょう、

私が騎士団に説明します!!」


「…でも、ぼくが廻帰教の人に見つかっちゃうと……」


「大丈夫っ!ここは私と騎士団しか居ません

ホンモノの巫女様が居ない為、

ここは隔離されていて熱心な廻帰教の関係者達は入室もできないようにしてあります!」


「…分かりました、行きましょう!!」


ペルジアの案内でショウは一階に繋がる階段を

駆け上がって行った。


ーー


ゴロゴロゴロ

回廊では何か大きなものが転がる音が響いていた。


「待てぇぇ!!」


警備隊も転がるものを追って大勢で右へ左へと走っている。


「いやショウを探すだけでなんでこんなことになってんのよ!」


「おめぇが糸でぶら下がって移動した方が早いって言うからやったんじゃねぇか!!」


「シンがあんなに下手クソなんて思わないでしょっ!」


「うっ……申し訳ない…」


「それにブースターも使っちゃうんだもの、面白いくらい団子状態ねぇ〜?

まあ私はセレナとくっ付けて役得だけど♡」


「三人でやっててくれよ……」


「うがぁぁっ!!」


そこには糸で球体状にまとまったセレナたちが回廊を転げ回る姿があった。


「とにかくみんな重心を進行方向に向け続けてっ

このまま転がって逃げるわ!!」


セレナたちは騒ぎながらも廊下をゴロゴロと転がる、

両脇の通路から警備が出てくるが塊の勢いが強く弾き飛ばされていた。


「おっしゃ!

蹴散らしてやったわっ」


「セレナ荒っぽい言葉はダメよぉ〜」


「おい、こっちは警備が多い方じゃなかったか!?」


闇雲に転がり回る塊は敵の本陣に紛れ込んだらしく、

廊下の奥には大量の警備隊がコチラを止めるべく待ち構えていた。


「Uターンッ!!!」


「後ろからも来たわぁ〜」


とうとう挟み撃ちにされ、

そこは横に逸れる通路も無い場所だった。


「こいつはやべぇ…」


『ぶつかるっ!!』


「止めるぞぉぉ!」


ギュルギュルギュルッ……ガシィィイ!!!


大勢の警備隊が束になって回転する塊を抑え、

止めた。


「確保ぉぉおお!!」


「やったぞぉぉおお!!!」


『うぉぉぉおおお』


「何をしているのです!」


警備隊が達成感に盛り上がっていると後ろから声が飛んできた。


「巫女様っ!?

何故こちらに!

いけません!すぐにお隠れを!!」


そこには白いベールで顔を隠したペルジアがショウを隣に連れて立っていた。


「…!?」


「人間の……少年…?」


警備隊はショウを見るなり固まって動かなくなった。


「ショウっ!」


「セレナ!……ってなんで丸まってるの?」


「……こ、これには深い訳があるのよ…?」


団子の中から顔を出すセレナが目を逸らしながら言った。

(あっ、たぶん大した理由じゃないな……)


「何事ですか!

巫女様……っと見知らぬ人間の子!!?」


ごちゃごちゃしてきた場にツヴァイも駆けつけ、ショウを見るなりこちらも固まった。


「おーい!

あれ?ショウ君は潜入してたはずじゃ??」


「………ふつーにいる……」


反対側の通路から今度はシェルンとエリナが走ってくる、最初は笑顔だった二人だがツヴァイを見るなり露骨に顔が引きつっていた。


「………この方が…巫女様が仰っていた……」


「……本当に人の子だ…」


「……おお…

神はまだ我々を見捨ててはおられなかった……」


全ての警備隊が跪き、祈りをあげる

ツヴァイも同じように両手を組んで祈っていた。


「皆の者、聞きなさい

この御方はショウ・シュナウザー様

ルナ様に続く、この世で二人目の人間です!」


警備隊はビシッと背筋を伸ばし、敬礼した。


「…ショウ……シュナウザー………?」


「……シュナウザーって…ダン隊長の…?」


「どういう状況......?」


「........隊長が.....ショウの....お父さん......??」


コールたちやシェルンとエリナも突然の話についていけていない


「しょ、ショウ.....詳しい説明をっ」


状況整理のため説明を求めようとしたシンとは逆方向、聖街の北側から

ドオオオオオオオンッと轟音が鳴り響いた。


「なんだ!?」


全員が窓の外を見る

そこには街の正門あたりで数か所から黒煙が上がる光景があった。


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