表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/83

第七十一話「セッション」

え?

聖歌隊やシェルン、エリナは愛を感じる機能があるかって?

いやそれは流石に無いですよ、

デヘン作じゃないですしね。


じゃあ、お触りの時の反応は何なのか?

あの反応は人だった時の名残というか、癖ですね。


脱衣場から抜け出したショウは焦りに身を任せて突き進んだことに心底後悔した。


「……どおりでさっきと扉が違うと思ったんだ……」


ここは浴室、湯気が立ち込める大浴場、脱衣場の煙が入ってきたために視界がだんだん悪くなる。

ショウは来た道を戻ろうかと振り返るが脱衣場はカオスを極めつつあるようだったので早々に諦めた。


「視界も悪いしスグに身体を洗って、浴槽に隠れてやり過ごそう……っ!!」


ショウは長い戦いになることを悟り覚悟を決めて浴室の中へ進む、脱衣場よりはまだマシな視界の中で迅速に身体や頭を洗い、流す。


「いや~……逃げられちゃったね…ショウくん」


カオス所からミアを始めとした数人が浴室に入ってくる。


(まずい! あっ!?)


洗い終えたショウが急いで浴槽の方へ向かおうとすると勢い余って石鹸を落としてしまった。


(今はそれどころじゃないっ!!)


落とした石鹸を無視してショウは走り出す、音も立てずに移動できていることに感動すらしていた。


「ふぅ~…ショウくんと入れないのは残念だけど、

シェルンちゃんとエリナちゃんと入れるのは嬉しいなっ!」


「ふふふっお話しよ~」


「私も嬉しいよ! 何話そっか?」


いつの間にか始まった女子会で聖歌隊と赤薔薇はキャッキャッしている。

ーーただこの場に一人居ない者を気にする声が上がる。


「……そういえば…レーゼちゃんは……?」


ケーニャが発した疑問にショウも浴槽に向かいながら反応する


(そうだ、レーゼさんが居ない……?)


ハテナを頭に浮かべながら走るショウは前方の注意を完全に怠っていた。


「キャッ!?」

「うわぁ!?」


小さな悲鳴にハッと意識を前方に戻すと目の前に際どい泡まみれのレーゼが立っていた。


(ぶつかるっ!!)


ショウは急いでブレーキをかけようとするが、

足元には先程落とした石鹸くんがこちらに向かってコンニチワしていた。


「嘘ぉ!!?」


つるんっと滑るショウはそのままレーゼのダブルクッションにボヨンっと守られ、レーゼを抱き締めながら床に伸びた。


「何事っ!?」


ミアたちが悲鳴を聞きつけて合流すると、そこには鼻血が垂れ、顔の赤いショウがレーゼの山の頂きで倒れているところだった。


「…れ……レーゼ?」


「……ぎゅっ」

レーゼは気絶するショウを愛おしそうに抱き締め返した。


「ぬ…抜け駆けだぁぁぁ!!」


「レーゼ離しなさい!

ショウくん鼻血出てるからっ!!」


「ヤダ」


「みんな剥がせぇ!!」


レーゼは引き剥がされ、ショウは介抱された。


ーー


「……うっ………う~ん……」


ショウは目を覚ます、長い間眠っていた気もするし、少ししか眠っていなかった気もする曖昧な頭で目を開ける。


「……こ…ここは……?」


視界がハッキリしない、ボヤけている……ただ温かい………身体にまとわりつくのは……心地の良い………お湯?……それ以外にも柔らかい感触があるような気がした。


「……ん?」


目の焦点はしっかり合うが周りが見えずらい、辺り一面真っ白ーーでもないが見にくい

ようやく薄っすらと視界が良くなってきてショウは気付く


「なっ!?」


「あっ! ショウくんおはよ~」


見渡す限り、美女機体

危うさを感じる柔肌がショウを取り囲んでいたのである。


「あっ……もっ………ダメ…………」


ガクッとショウの首が落ち、またまた鼻血が垂れ落ちる。


「ショウくん!?」


「だから言ったでしょ!

刺激が強すぎるのよ!!」


「人機なのに!」


「私たち特別仕様だからね~」


「欲情」

「不可避」


「とにかくショウをベットまで運ぼう!」


「……満足」


再びショタコン連合軍は協力し合い、気絶するショウを脱衣場の方へと運んで行った。


「お~い、戻ってこ〜い……」


湯船に満足そうに浮かぶ者をケーニャがツンツンと突っつき、


「……シヤアセ」


と満面の笑みを浮かべるレーゼだけがそこに居た。


ーー


一方その頃、とある人機はいそいそと部屋のセッティングをしていた。


「セッションセッションセッションセッションセッションセッションセッションセッションッ!!」


ベッドメイクは完璧で部屋の照明もムードバッチリ、休憩用に飲み物まで用意され、あらゆる楽しみ方ができるようにと詳しくは言わないが道具もしっかり準備されている。


「はぁ……まだかしら…?」


彼女は期待に胸を膨らませ、今か今かとその時を待つ、そのワクワクに応えるように部屋に放送が流れ出した。


「……え~、お待たせしましたっ……せ、セッション開始です~………」


「キタっ!!」


部屋の扉が開け放たれ、台車がミアによって運ばれてくる、そこには布が被せられた四角い箱のようなものが乗せられていた。


「良くやりました、ミア?

私は貴方の評価を誤っていたようです……

今後は評価を改めるとしましょう」


「そっ、それはありがとうございます、

トルミナ様ぁ………」


「さっ、早く出て行きなさい?

これからはセッションの時間よ、いいわね?

外側からしっかり閂をして出られないようにしてから去ること、明日の朝に閂を外しに来るように!」


「りょ…了解しましたァ……!」


妙に歯切れの悪い返事のような気もしたが、それよりもこの後の楽しみに気を取られてトルミナは違和感を無視する。


「……では」


ミアから台車を引き継ぎ、部屋の奥へ押し進める。

扉は閉められ、閂が差し込まれる音を最後にシンッと静まり返った。


「ふふっ……ふふふっ……」


トルミナの肩が嗤い出す、声はどんどん大きくなって感情を一気に表に出した。


「アハハハっ!最高よっ!!

こんなチャンスが巡ってくるなんて!!!

人の時でもこんなことはなかった、長生きはするものね~」


豹変したトルミナが喜びに声を張り上げる、

いつもの彼女では想像できない姿だった。


「くふふふっ……ふぅ…さあ?楽しみましょ??

ショウくんっ♡」


ねっとりした手つきでトルミナは箱に手を伸ばし、布を掴んで外す。

バサッと勢い良く投げ捨てられた布など気にせず、舐め回すような表情のトルミナが見た台車の上にはーー


「ファッキンテンポォォォオオオ!!!」

(バシャンッバシャンッバシャンッバシャンッ)


血走った目のシンバルを持ったサーカス猿ロボット(おもちゃ)が居た。


「……は?」


「すみませんマネージャー、

ショウくんお風呂で気絶しちゃったんで今日はその猿で我慢してください!」


「はぁ!?」


扉の奥から聞こえるミアの声にトルミナがふざけるなと言わんばかりに叫ぶ


「私は"セッション"としか言ってないのでこれでもおっけーですよね……?」


「いいわけあるかぁぁっっ!!!」


ドアに突進して外にいるミアをとっちめようとするトルミナだが閂のせいでビクともしない


「チッ! 開けなさいミアっ!!」


「明日の朝に開ければいいんでしたよね?

ではでは~~」


その言葉を最後に廊下は静かになった


「チクショぉぉぉおおお!!!!!」


その場にはトルミナのシャウト、猿の絶叫&シンバルが鳴り響き、まるでロックバンドのようだった。



なぜお風呂があるのか?


まず聖歌隊の機体はお風呂も入れるコミュニケーションアンドロイド仕様

ライブパフォーマンスの合間に企画があったりするのでそれで汚れたりする、つまりライブ後にお風呂入るからです。


※具体的に言うと"○×クイズ"正解だと思う壁に飛び込んでハズレの壁を突き破るとプールに満たされたローションを全身に浴びるーーみたいなやつで汚れる


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ