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添い猫  作者: 神崎信


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ふたり ぼっち

今朝 僕はアパートを出た時に隣の住人と鉢合わせになった僕は軽く頭をさげたが その人は横目で一瞬僕の方を見て そのまま出かけて行った

駅のホームに電車が到着して ドアが開くと みんな一斉に電車に のみこまれていく 電車の中は人でぎゅうぎゅうの状態 席には座れなかった 途中電車が大きく揺れて 僕は背後に立つ男性に少し身体が接触してしまったので なんとか後ろを振り返って男性に小さくすみませんと言った 男性からは何も反応はなかったが 僕が前に向き直ると僕の耳元で チィッ と 舌打ちが聞こえた


昼 大学の学食で定食を頼んだ 料理を受け取り 座る席を探す いつもひとりで食事をしている 僕は人付き合いが下手だから 入学してから ほとんど誰とも会話をしていない子供の頃から友達と呼べる人もいない ひとりには慣れている


誰とも視線を合わせずに 黙々と食事をしていると 

『隣りの席に座っても良いですか』視線を向けるとトレイを持った女の子が僕に声をかけてきた

僕は慌てて はい どうぞ と 女の子に言うと

女の子は 僕に軽く頭をさげて隣りに座った 僕は緊張しながら残りのごはんをかき込む 食べ終わり 僕が席を立った瞬間 女の子が僕に緊張した表情で 小さな声で『あの じゃあ また』と 僕に言って頭をさげてくれた 

僕も緊張しながら女の子に『はい じゃあ また』と 頭をさげながら伝えて 足早に食堂の出口に向かう 振り返ってみたい気持ちもあったけど そのまま食堂を出た


帰り道 途中にある小さな公園に寄った 誰も居なかったので すべり台に座って食堂で 僕に声をかけてきた女の子の事を考える あの女の子の名前はなんて言うんだろう 何年生かな なんで僕に声をかけてくれたんだろうか 『あの じゃあ また』と言ってたけど 女の子の事で頭がいっぱいになった

すると どこからともなく 目の前に2匹の猫は現れた

2匹の猫は寄り添いながら 僕の方を見ている 僕は2匹は恋人同士なのかな と 思った 僕は2匹の猫を見つめながら また あの 女の子の事を考えていた

 






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