もふもふエイシオさんを洗う※アユム視点
「痒いところはないですかー?」
「あぁ、気持ちがいいよ、ふふ」
夜中にエイシオさんの実家で、もふもふ耳と一緒に頭を洗っている。
もふもふ耳可愛い~っ!
やわからかい金髪に狐のような耳!
もふもふで、あわあわで、可愛い~~!
あ、いや英雄なる獅子王だった……。
「失礼しました」
「ん?」
「いえ、お流しま~す」
優しく耳と髪を洗い流し、また俺は石鹸を泡立たせる。
「あの……尻尾は……ちょっと恥ずかしいのだけど……」
「あ、す、すみません! そうですよね」
そうだよね。お尻付近から生えてるわけだし……!
俺、変態かよ!
「いや、でもアユムになら触れてほしい」
「あ、あの……俺、恥ずかしいこと言っちゃって……」
「恥ずかしいことを……僕はこれからアユムと沢山したいよ」
「ほわっ!?」
なっ!?
エイシオさん!?
椅子に座ったまま振り返った、その瞳が微笑みが色っぽすぎるんですけどーーー!!
は、恥ずかしいこと……って……。
「あは、色々と勉強しないとね……僕も初めてだから……」
べ、勉強!?
急にいたずらっぽく笑う顔もかっこよくて……。
なんか俺、キュンっていうか……。
わぁー!
どうしよう……反応しちゃうよ!
「ま、前を向いてください! や、優しく洗いますね!」
「あ、あぁ! よろしく頼むよ!」
このまま俺の反応を見られたら俺はもうエイシオさんにどんな顔したらいいかわからない!
鎮まり給え! 鎮まり給え!
あぁ~!
俺は祈るように、石鹸を泡立てて、何かそう、正気に戻る事!
ザピクロス様がだらしなく、寝転びながらポテトチップスをむさぼり食べているところを妄想する。
そうだ! 心が冷静になってきたぞ。
いいぞ!
よし大丈夫だ!
「洗いますね!」
俺は泡立てた泡を両手で包みながら、エイシオさんの立派な尻尾を手で包んだ。
「ぁっ……」
え!!
今の小さな声……っ。
……エイシオさん!!
「す、すまない……ちょっと、あはは……」
「いえ! つ、強すぎましたね」
「そ、そんな事はないよ。くすぐったいというかね」
エイシオさんがもぞもぞしてる……もしかして、エイシオさんも……?
こんな……ご実家のエイシオさんが過ごした部屋の風呂で……俺……俺達……。
こういう事は自分の人生に無縁だと思ってたから、どうしたらいいかわからないよ。
でも、俺……今すごく意識してるかも……。
エイシオさんも後ろからだけど息が少し荒く感じる。
同じ気持ち……?
「アユム……?」
「い、いえ……」
「ん……」
俺が尻尾をまた手で包むと、また可愛い声が……。
どうしよう、このまま大きな背中に抱きつきたくなってきた。
エイシオさん……!!
「転移者殿~? 風呂~? 我も洗って~~お股がかいーの~~!!」
一瞬で縮んだ。




