表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~  作者: 兎森りんこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/107

ラミリアさんの再来※アユム視点

「エイシオー!」


 ドンドンとまだ扉を叩いてるラミリアさん。


「今開けるよ。ラミリア」


 寝間着のままで、エイシオさんが玄関のドアを開けた。


「や、やだエイシオ寝間着のまま……って、貴方! 耳!」


「あぁ、そういう時期だから……」


 面倒くさそうにエイシオさんが対応している。

 時期……もふもふの時期?


「戻らないの? 家に」


「戻る必要がどこにある? ところで何か用事かい」


「用事……あ、アユム~~!」


 玄関まで行かずに見守っていたけど、俺を見つけてラミリアさんが部屋に入ってくる。


「昨日は飲みすぎちゃって、私あんまり記憶がなくって~雨すごかったけど大丈夫だった? 心配になっちゃってね」


「だ、大丈夫です……はは」


 なんだかすっごく色々な事があったけど……それでエイシオさんと……。

 でも、こんな話は絶対にできない。


「さっきもギルドに寄ってきたけど、色々仕事の募集もあったわよ~あなたに似合いそうな仕事!」


 求人情報なんだろう紙の束を渡された。

 薄茶色の紙に、文字が色々書いてる。

 異世界でも、こんな感じなんだ……。


「ラミリア! もう、アユムにそういうお節介はやめてくれ」


「まぁまぁ一応読んでみてね。それにしたって、エイシオ。やっぱり家に戻りましょ? ……それでいい加減……決めましょうよ」


 俺に紙束を渡すと、もう俺には興味がないようにエイシオさんに話しかけながらテーブルに座った。


 立ち話で帰るつもりはないという事だろう。

 コーヒー淹れようか……。


 いい加減決めようってどういうことなんだろう……?

 

「一体なんなんだ。ラミリア」


「やっぱり#獣化__けものか__#してる時の方がよりよい血を求めるじゃない……? ……私ももうすぐなりそうだし」


 ラミリアさんもなるんだ!?

 血筋とか……の関係で?


「だから、君と結婚する気はないんだよ」


「獣化していれば、きっと気持ちも高まるわよ!」


「あのコーヒーを……あの……獣化って……?」


 険しい顔をしていたエイシオさんが、俺がコーヒーを持っていくと優しく微笑んだ。


「説明もせずでごめんよ。びっくりしただろう? 怖いかい?」


 ぴこぴこ可愛い耳が動く、か、可愛い……!

 かっこいいのに、可愛い!


「ま、まさか。とっても可愛いです」


「可愛い……? 獣化は気高いロードリアの血なのよ」


 睨まれてしまった……!


「す、すみません」


「ふふ、可愛いと思ってもらえて嬉しいな。半年に一回くらい、こうなってしまうんだよ」


「その間は、血の濃い良い子供が産まれる発情期なのよ。女達がまた寄ってきちゃうわ」


 またエイシオさんの顔が冷めた無表情になる。

 は、発情期……!?

 じゃあラミリアさんは、エイシオさんにそういう事を誘ってるってこと!?


「僕にとっては最高にうんざりする時期だよ」


「だから、もう身を固めなさいよ。私と逢った途端に獣化が始まったじゃない? そういう事よ! そういう運命なのよ! エイシオ・ロードリア!」


「すまないけど、ラミリア。そうじゃないんだ」


 エイシオさんは、そう言うと僕が立ってた台所にやってきた。

 何か必要だった? 砂糖とミルクも持っていったのに……。


「今朝、僕の告白を受け入れてもらえたんだ」


 グッと、俺の肩を抱くエイシオさん。

 腰にも尻尾が巻き付いてくる。


「エ、エイシオさん!?」


「告白って……なによ」


 訝しげな瞳で、僕達を見るラミリアさん。

 

「愛の告白に決まってるじゃないか。僕はアユムを愛してるんだよ」


 肩を抱かれて見上げたエイシオさんは、照れたように微笑んでる。


 ええええ!? だ、大丈夫なんですか!? エイシオさんっ!

 そしてラミリアさんは……瞳を見開いて停止していた……。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ