俺達恋人?エイシオさんがもっふもふ!?※アユム視点
エイシオさんが俺の事を好きだと言ってくれた……。
俺の初恋の相手は女の子だったし、そういう対象は女性だと思ってたけど……。
自分でも今どうしてかは、わからない。
でも……それでもこの、気持ちは間違ってないと思う。
ラミリアさんに言われた事がずっと胸に刺さって痛かったのは、俺が誰よりもエイシオさんが……好きだから……。
『アユムが好きな気持ちが止められないんだ』
あの言葉を想い出すだけで、胸がめっっちゃドキドキする!
熱くなる!
それでそれで、俺……キスしちゃった。
ファーストキスだよ……!
考えただけで、もう『うあーー!!』って叫びだしそうなぐらい恥ずかしい。
でもエイシオさんが一緒に眠ろうって言ってくれて、も、もちろん添い寝だけで一緒に眠った。
ドキドキしまくってたのに、安心してぐっすり眠ってしまった。
そして気付いたら……もう夕方だ。
朝に寝たとしても、二人でどれだけ眠ったんだろう。
先に起きて食事の用意を……って思ったけど眠ってるエイシオさんが抱き締めて離してくれない。
幸せだから、まぁいい?
俺達は……恋人同士になったのかな?
この世界ではどういう立場になるんだろう……俺は自分の幸せを優先しちゃったけど、これでいいんだろうか……。
わからない……でも今は……この人から離れたくないよ。
だって……すごく好きなんだもん。
「ん……アユム」
「あ……エイシオさん」
胸元で抱き締められていたけど、腕が少し緩んだ。
「ごめんアユム……痛かった? 苦しかったよね」
「ぜ、ぜ、ぜ、全然大丈夫です……」
どうしよう。恥ずかしくて顔が見られない……。
「お、俺! コーヒーでも淹れてきましょうか!」
「アユム、まだもう少し……このまま……」
ぎゅうっと抱き締められると、心臓が爆発しそうにドキドキしてしまう。
エイシオさんは、慣れてるのかな……って思ったけどエイシオさんもドキドキしてる!?
鼓動が聞こえてくる。
「幸せだけど、こう……しっかり寝て頭がはっきりしてると、緊張もしてくるね。照れるというか……なんというか……はは」
「は、はい……」
なんか……今までと違う感じがしてくる……。
同居人じゃなくて、俺達恋人!? ……やばい俺……。
「じゃあ……そろそろ、起きようか」
「はっはい……!」
僕達が離れた時、玄関の呼び鈴が鳴る。
「エイシオーー!? アユムーー!? いないのぉ!?」
ラ、ラミリアさんだ!?
「ラミリアか……」
「わ、わわ。どうしよう、どうしたら!?」
「何も慌てることはないよ。僕が対応するから」
そう言って俺を見る、エイシオさん……。
いつもの綺麗な顔。
綺麗な金髪、綺麗な青い瞳……でも!?
「エイシオさん!? み、み、みみみみ!? それ!!」
「え? あ……そうだ、そういう時期だった」
エイシオさんの頭から三角の耳がふたつ生えていた。
「留守なのー!? エイシオーーー!! 」
ドンドン! とドアを叩く音。
「あぁ……もう」
気怠そうに起き上がったエイシオの寝巻きの間からは……尻尾!?
「エ、エイシオさん……その姿は」
「あとで、説明するよアユム」
そのまま玄関に向かった。
……なにあれ……か、可愛い……もふもふ!?
エイシオさんがもふもふの獣人に!?




