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何か力に※アユム視点

 それでも、やっぱりもっとエイシオさんの役に立ちたいと思う。


「俺も何かお手伝いできたらいいんですが」


「こうして日々の健康を守ってもらっているよ」


「……いえ、ダンジョンで荷物持ちとか……そういう事で」


「ダンジョンは危険だからね」


 少し苦笑されてしまう。

 そうだ、元いた世界でもヒョロガリ駄目サラリーマンだった俺は……この世界でも駄目人間だ。


 できる事と言えば、家事と掃除くらい。


 薪なんかはエイシオさんが、やってくれているし……筋トレもっと頑張っておけば良かった。


「アユム、もしかして心配をかけているかな」


 アユムは俺の名前だ。

 落ち着いた優しい声で呼ばれると、俺の名前なのにくすぐったい。


「えっあっ……最近遅いから……俺も役に立てたらと」


「ありがとう。アユムは十分に僕の力になっているよ」


「え?」


「ダンジョンに潜っても、必ず帰って来ようと思える」


 優しい瞳で見つめられ、ドキッとしてしまう。

 エイシオさんは男で、俺も男なのに……。

 でも、ほらハリウッド俳優もびっくりなカッコよさだもん、だからだよ。


「……え……あ……」


 ああ、キョドってしまう。


「あ、その……アユムのご飯は最高だからさ!」


「そっそっそれは、すごく嬉しいです」


「今日の夕飯も楽しみだよ」


 あはは、と二人で笑う。

 なんだかエイシオさんの顔も少し赤かったような。


 俺の顔も絶対赤い。


 ご飯を楽しみに帰ってくてくれるなんて嬉しいな。


 もっと料理も上手にならなきゃだ!


 それから二人で朝食をゆっくり楽しんだ。

 そうだヨーグルトとかのデザートも用意したら、もう少し長く一緒にいられるかもしれない。


「今日は早めに帰ってくるよ」


 鎧を付けて、剣を携えたエイシオさんが玄関で微笑んでくれた。


「本当ですか!?」


 わ、大喜びって顔しちゃったよ。


「あぁ、今日の夕飯はなんだろう?」


 クスッと笑われてしまった。

 俺、犬かよ~恥ずかしい。


「はい、それじゃあアツアツのトマトグラタンなんかどうでしょうか」


「いいね、できたてを一緒に食べよう」


「……はい!」


 すごく楽しみだ。今日は畑のトマトを収穫しよう。



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