まるで子供だ※エイシオ視点
僕が夕陽を見て感傷に浸ってしまい、つい涙を流してしまった。
それをアユムが気にしてしまって……。
それでつい……盛大な本音を言ってしまった。
『アユム? 何を言ってるんだよ。今、すごく幸せだ……それはね』
『アユムと一緒に来られたからだよ』
『うん……アユムは『なんか』じゃないから』
全部、僕の本音だ。
どうしよう……本音が爆発してしまったよ。
いや、これでも足りないくらいだ。
でも引くだろうか……って不安になったけど
それでもアユムは微笑んでくれた。
「そんな……そんな事言ってくれるのは……あの……俺も、し、しあ、幸せです。ありがとうございます」
こ、こんなに可愛い人ってこの世にいるんだ……。
ふわぁああ!
アユム、めちゃくちゃ可愛いよぉおおおお!!
あー……あー……あー……。
僕は少しの間、可愛さに放心していたけれど波の音で正気に戻る。
夕陽は沈み……夜が来る……。
さっきは、あんなに寂しく思ったのにアユムの一言で今また、すごく幸せだ。
まるで子供だな。
アユムへの想いで、一喜一憂してしまう。
僕が涙を見せたせいで、少しお互いを気遣う時間ができてしまった。
それでも、この後の夕飯の話なんかをして場は和む。
僕達きっと、仲良しだよね……?
まだ……一緒にいられるよね……?
僕はのぼせそうになってきたので、少し浅くなる岩に座る。
「あ、エイシオさん! そろそろ、お身体流しますか?」
えっえっ!?
い、今なんて……!?
「あ、変な言い方だったかな……片手では洗いにくいと思うので」
アユムが……!
僕の!!
「髪だけでも……俺がお手伝いします」
僕の人生のサービスタイムだろうか。
アユムが僕の髪を洗ってくれるだなんて!!
「助かるよ」
ヨシ! 平静は装えた!
「はいっ!」
にっこりアユム。
うおおおおーーー!!
生きてて良かったなぁ!
人生って最高だな!!




