表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~  作者: 兎森りんこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/107

海が見えた※アユム視点

 今回の温泉旅行の目的地は、海だ。

 馬を少し休憩させて、また馬車は行く。

 そして……、


「海だーっ!」


 青空に、光り輝く海。

 清々しい海風。

 あぁカモメかなぁ?

 鳥の声が聞こえる。


 雲は、もう夏の雲になってきてる……!


「あ~海の香りだー! 俺、海なんて何年ぶりだろうってくらい久しぶりです!」


「そうなんだね、僕も久しぶりだよ」


 まだ海水浴には早いかな。

 まぁ海水浴なんか行かない陰キャだったけど……。


 あっ俺! デコボコ道からずっとエイシオさんにくっついてた!


「す、すみませんっ」


「ん? 大丈夫だよ」


 あああ~いっつも、エイシオさんの優しさに甘えてしまってる!


 俺の馬鹿!


 でも、なんだか安心してしまって自然にくっついてしまってた。


「また揺れては困るし、このままでいいんだよ」


 見た感じ観光地だからか道はとても整備されている……けど


「はい……」


 俺は、そのままエイシオさんに寄り添う事にしたんだ。


 綺麗な景色。幸せな穏やかな時間。


 でも、たまに怖くなる――もしも元の世界に、また戻ってしまったらどうしようって。


 いや、今は幸せな旅行の時間。

 考えるのはやめよう。


「今日の夕飯は、宿屋名物の刺し身にステーキに旬の野菜の天ぷら……楽しみだね」


「す、すごい豪華!」


 異世界でこんなにグルメを堪能してバチが当たりそうなくらいだ。


「久しぶりの旅行だ。沢山食べて飲もう。アユムの元いた国と似た雰囲気の宿にしたからね」


 この世界にも元いた世界のように様々な文化があるようなんだけど、

 日本に似た文化もあって今回の宿はそこを選んでくれたんだ。


「ありがとうございます」


「いや、僕が楽しみたかっただけなんだ。一緒に来てくれてありがとう」


「俺もすっごく! 楽しいです!」


「良かったよアユム」


 エイシオさんはすごく嬉しそうに笑う。


 宿屋が近づくにつれて、行き交う人も多くなってきた。


 俺はさすがに有名人で人気者のエイシオさんにくっついてたら迷惑をかける気がして水筒を取るふりをして離れた。


 手を振ってくる綺麗な女の人も沢山いるんだよね。


 ん……俺、今までは綺麗な女の人を見たら『お近づきになりたい』って憧れるような気持ちが生まれてたはずなのに、エイシオさんが気になってしまう。


 女の人じゃなくてエイシオさんがどんな反応するのか気になってしまう。


 それでエイシオさんが苦笑いしながら会釈しているのを見ると……

 ホッとしてる……俺。


 喜んでないって迷惑そうだって……ホッとしてる……?


「好き……かい?」


「えっ!?」


 突然のエイシオさんの言葉に飛び上がりそうになった。


「え? アユムは温泉まんじゅうは好きかい……?」


「あ! あっ! はい! すごく」


「温泉に入る前に食べた方がいいらしいね」


 エイシオさんの豆知識を聞きながら、俺は勘違いしたセリフをあんまり考えないようにした。


『(僕が)好き……かい?』


 って……言われたのかと……。


 だって、それは命の恩人だし、尊敬してるし……そりゃ好きに決まってるさ!


 そうだ、そうだ。

 尊敬してる人だもん。

 おかしくない、おかしくない。


「もうすぐ着きやす」


 御者さんに言われて、俺は大きな綺麗な宿だ~! って思ったらそこは通り過ぎて、更に更にめちゃくちゃ高級そうな宿に到着した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ