悪役令嬢の世界へやって来た
マルマルです(^^)/
よろしくお願いします(o´∀`)b
〇魔界の魔法学校
「ここが新しい能力を得る事が出来る魔法学校か」
空中に浮かぶ黒いピラミッドを見上げて言う悪役令嬢のヒナタ。
「あ~~~~~~もう~~~~~~( ̄△ ̄)!!
何で私がこんなに苦労しないといけない訳?
それもこれもアイツらのせいよ。
本当にアイツらに負けたのが悔しい~~~~!!」
左手の中指にはめたドクロの指輪を見て
悔しい顔で思い出していた。
〇回想
私の名前はヒナタ。普通のOLをやっている25歳。
嫌味な上司に仕事が出来ないと、
いつも怒られてばかりの生活を送っているけど、
私には癒しが2つあった。
1つ目はゲームをする事。
仕事を終えてゲームするのが私のストレス解消方法。
甘いお菓子をバクバク食べながら、
上司の悪口をたっぷ~~~~~~~~~り
言いながらプレイをするのが最高に気持ち良いの。
これは凄くスッキリするからおすすめ(^▽^)♪♪
最近は大ヒットゲームの『悪役令嬢が主人公』
にはまっていて、上にペコペコするするくせに、
弱い立場の私には威張りちらしている最悪の上司にそっくりなキャラのハゲ爺がいて、
こいつを部下にしてコキ使うのが今のマイブームで、
何回もプレイして楽しんでる( ̄▽ ̄)w
2つ目は弁護士の彼氏である太郎と一緒に過ごす事。
司法試験に合格するまで私がお金や家事などを全部
見てたんだけど、ようやく合格し一流の法律事務所に勤め始めた自慢の彼。
太郎と一緒にいると気を使わなくて良いから楽だし、
凄く癒されるんだ( ̄▽ ̄)。
充実した日々を過ごしていたんだけど、
私の誕生日に太郎が私を高級レストランに呼んだの。
私は心が躍った(^〇^)/
だって、こんな高級な所は一回も行った所が無いし、
これは結婚のプロポーズに違い無いとワクワクした。
ところが、突然彼から別れを言われてしまった。
理由を聞くと親友のマミと結婚するって。
しかも、妊娠3ヶ月だから祝えって。
祝えるかーーーーー( ̄△ ̄)!!
頭おかしんじゃない。
もう本当にショック(×_×)。
そして、1番許せなかった言葉は、
・・・・・・
『お前はただの家政婦』
この言葉が心にズッシリと刺さった。
私が太郎のために仕事とバイトを掛け持ちしたり、
自分の欲しい物を我慢して節約したり、
勉強をしやすい様に料理や洗濯をやったり、
太郎のために何でもした。
なのに、なのに、この言葉は本当に酷すぎる。
信じていた人に裏切られた気持ちが解る?
今まで苦労してきた私の気持ちが解る?
必要無くなったら捨てるってどうゆう事?
絶対に許さなさい!!
そう思うと悔しくて悔しくて怒りが沸いたので、
テーブルに置いてあった水の入ったコップを太郎に掛けようとした。
ところが、太郎は予想してた様にニヤリと笑って、
私より先にコップを取って立ち上がり、私の頭にゆっくりと水を掛けた。
『ブスでデブなお前と付き合ってやっただけでも
ありがたいと思え。
そして、誕生日の度に俺を思い出せ。
誕生日おめでとう。ヒ・ナ・タちゃん
ハハハハハ』
太郎はポケットに手を入れながら、
高笑いをして去って行った。
ヒナタはずぶ濡れになっても、怒りで体が暑くなった。
何で罰を受けるのが私なの?
クズの太郎でしょう
何で私なのよーーーーーーーーーーーーーーーー!!
もう悔しくて悔しくて本当に泣けてきた。
でも、私はこんな事でも絶対泣かない!!
泣く時は私が結婚する時の嬉し涙だけって決めてるんだから、絶対に泣かない。泣いたら負けよヒナタ。
自分に言い聞かせて顔を上に向け涙を堪えながら手をプルプルさせた。
その後、家にどうやって帰ったか記憶になかった。
習慣と言うのは怖い物で、めちゃくちゃ辛い状況でも無意識にお菓子を食べながらゲームをやっていた。
でも、さっきの事を思い出して
だんだん怒りが込み上げた。
「太郎のバカヤローーーーーーーー!!
絶対に復讐してやるーーーーーー!!」
深夜の静まった時間帯に大声で叫んだ。
すると、TVが突然光って気づいたら、
大人気乙女ゲーム『悪役令嬢が主人公』の世界にいた。
最初は状況が把握出来なったけど、
皆が私の事を悪役令嬢と言って気づいた。
ここは私が毎日プレイをしていたゲームの世界なんだ。
そこで確認のために人に聞いて色々解った。
まず、私は大貴族サウルス家の長女。
父は大臣で国に与える影響力が凄くお金持ち。
次に、私のスペックは歴代の中でも5本の指に入るくらいの天才魔法使いだった。
・・
しかも、にっくき元彼の太郎も第6王子になって、
この世界にやってきたのだ。
私は嬉しくて笑いが止まらなかった。
だって、こんな直ぐに復讐出来るチャンスが来るとは思わなかったし、この世界の攻略方法を知っている私に取っては無双状態( ̄▽ ̄)www。
案の定、太郎は王様になるために有力な貴族の娘と結婚しようとしたけど、私がことごとく邪魔をしてやった( ̄▽ ̄)エッヘン。
太郎の苦しむ様子を見て
本当にスカッとしたわ( ̄▽ ̄)!!
次の皇太子も決まり、追い詰められた太郎はクーデータを起こそうとしていた。
もちろん解っていたし、ゲームのラストシーンなので上手く対処しようと思った。
・・・・・・
ところが、ある裏切り者によってクーデーターが成功し太郎が王様になってしまったのだ。
裏切ったのは、まさかの父だった。
私が寝ている時に、こっそり魔法が使えなくなる呪いが掛かったドクロの指輪を指にはめたのだ。
私は魔法が使えず活躍できないまま敗れて
捕まってしまった。
ゲーム上では絶対に起こらないストーリーだったのに、
太郎が影で父と取引をしていたのだった。
「ハハハハ。驚いたろ? ヒナタ。
最後に勝ったのは、この俺だ!!
俺の勝ちで悔しいだろう。ハハハハハ」
玉座の間に座っている太郎が勝ち誇った様に言った。
手錠を嵌められ両脇にいる兵士に押さえつけれて、
身動きが取れない私はキッと睨みつけた。
「私をどうする気?」
「お前の持っている地位やお金や魔法も
全部奪ってやった。
でも、まだまだ足りない。
俺が受けた屈辱をたっぷり味わせるために、
この国から追放して後悔しながら生きろ」
王座から立ち上がりゆっくり近づきながら言った。
そして、太郎は前回と同じ様にワインが入ったグラスを下にして、私の頭にゆっくりと垂らした。
「良い顔だぞヒナタ。怒った顔がそそるぜ。
フハハハハハハハハハハハハ。
そうそう。言い忘れた。
そのドクロの指輪を解除するには、
・・・・
ある条件を満たさないといけない。
でも、お前には絶対に無理な条件だから、
一生苦しんで生活するんだな。
ハハハハハハハ
そして、もう1つの仕掛けがある。
気づいてると思うがドクロの口に時間があったろ?
それが何か特別に教えてやろうか?
・・・・・・・・・・・・・
それは呪いが1つお前に追加されるだ。
何の呪いが追加されるかは、あとの楽しみ♪♪。
フハハハハハ。良い考えだろ?
残念なのはお前の苦しむ姿を見れない事だけだな。
フハハハハハハハハハハ。
最後に、もう会う事も無いからもう一度言ってやる。
・・・・・・・・・・・・
じゃな。ブスでデブなヒナタちゃん。
バイバ~~~~~イ。ハハハハハ」
手を振って高い笑いをする太郎。
2度目の屈辱的な行為に怒りで睨みつけた。
ここまでされて黙っている私じゃない。
絶対に呪いが掛かったドクロの指輪を解除して、
100倍にして復讐してやると心に誓った。
そして、私は国外追放になった。
〇魔界
まず、呪いを解除するために魔道具のお店や呪いを解除してくれる霊媒師の所に行ったがダメだった。
唯一の手がかりは魔界で作られた物と言う事は解ったので、とりあえず魔界へ行った。
そして、私は国外追放になってから、
どうすれば太郎に復讐出来るかをじっくり考えた。
クーデータを起こす?
いやいや。味方がいなし成功する確率は低い。
一人になった所を襲う?
いやいや。太郎の護衛は強いしインドア派だから、
余り外に出なくてチャンスが少ない。
ではどうする?
・・・・
悪役令嬢の得意とする嫌がらせをすれば良いのよ。
( ̄▽ ̄)フフフと悪い笑みを浮かべるヒナタ。
太郎のサウル国は今、王様になったばかりで民衆の支持率が低い状態。
だから、もっと支持率を下げれば良いのだ。
サウル国の収入源を減らす様に仕向ければ、
民衆の不安や怒りが増大して支持率が低下して、
民衆がデモを起こすはず。
そうなればきっと凄く困るはず(^▽^)w
私って天才( ̄▽ ̄)!!
狙い目はサウル国の大きな収入源である魔法道具。
品質の良い魔法道具は他国で人気で儲かっている。
その中で1番のお得意様が魔界。
魔界支店が売上No1だから、このお店を潰そうと思う。
では、どうやって潰すか?
まず考えたのは魔界支店の店員になって
足を引っ張ろうかと思ったけど、
私が国外追放になった事を知られると
店から追い出されるので却下。
次に、魔道具を納める職人を襲って物が届かない状態にしようと考えたけど、呪いのせいで魔法を使えないから逆にやられる可能性が高いから却下。
結局、正面突破のライバル店を出す結論になった。
ライバル店が繁盛すれば、魔界支店は売上が下がって赤字になり撤退するしかない。
その後は、次々にサウル国の支店の近くに出展して潰していけば、きっと困るはず( ̄▽ ̄)w
ただ、1つ大きな問題がある。
それはお金が全く無い事だった(×_×)
どうやってお金を稼ごうか、魔界にあるサウル国の魔界支店がある街をウロウロして考えていると、
ボロボロの幽霊屋敷にある門に
『家政婦求む』と書かれた10メートルの物凄い大きさの張り紙がしていた。
「うわぁ~~~~~~~~~~デカイ∑(゜д゜)。
門より大きな張り紙なんて見た事が無い」
ヒナタは見上げて驚いた。
「う~ん。家政婦かぁ~。
アイツのせいで、この言葉は嫌いなんだけど、
店を開く手段を考えるまでにお金が必要だから
面接に行くしかない。
で、どこから入るんだろう?」
キョロキョロ見渡すと門の少し離れた所に、
【ココが入り口です。手をかざして下さい】
と書かれた文字と小さなテーブルに水晶玉が置いてあった。
そして、家の表札に『天竜寺』と書かれていた。
「な~んか。怪しい感じがする。
でも、どうしよう? 止める?
う~~~~~~ん。
・・・
それに、この天竜寺って名前、
どこかで聞いた事があるんだけど何だったかな~。
う~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん」
腕組みをして考え込んだ。
そして、ちらりドクロの指輪を見ると
【残り1時間45分】と書かれていた。
「よし。悩んでも仕方が無い。時間も無い事だし。
私の持論だけど、迷ったら進む。
そういう選択をした方が
良い結果が出やすい気がするんだよね。
それにお金が必要だしやってみよう!!」
手を恐る恐る水晶に手をかざした。
「え?∑( ̄д ̄;)」
すると突然、10メートルの張り紙に目が現れて動き出し、食虫植物の様に紙でヒナタを覆いぱっくりと食べてしまった。
〇幽霊屋敷
「ひょええええええええ・・・・え?∑( ̄д ̄;)」
ヒナタは部屋中にワープしていた。
「ふぅ~。いきなり食べられて焦ったーーー。
普通に中へ入れてくれば良いのに変な演出をする
ここの主人は相当変った人ね。注意しないと。
でも、何とか中に入れて一安心。
それにしても、汚い部屋だな~。
すいませ~~~ん。
家政婦の募集を見て来た者ですが
誰かいませんか?」
薄暗くて汚くて手入れが全くされてない家の中を
キョロキョロ見渡すヒナタ。
「ほい~ほい。何でちゅか?」
口におしゃぶりをくわえたパンダの赤ちゃんのローレンスが空中を飛んできた。
「まぁ。可愛いパンダ」
ヒナタはローレンスをなでなでしてあげた。
「何をするでちゅ。
辞めてくだ・・・・・( ̄▽ ̄)キャキャキャ」
怒った表情をしたが、直ぐに嬉しい顔になった。
「ねぇ。君。家政婦の面接はどこかな?」
「こっちでちゅ。あ!! 止めないで!!
もっともっとやって欲しいでちゅ」
ヒナタが撫でるを止めると気持ち良かったのか、
また催促をした。
「わかった。わっかたわよ。
所で面接に来た人はいる?」
ローレスを撫でた。
「今1人、面接室に案内した所でちゅ」
「へぇ~。どんな種族?」
「あなたと同じ人族でちゅ」
「そうか。じゃ~ライバルね。
絶対勝~~~~~~~~~~~つ(^〇^)!!」
右手の拳を突き上げて気合を入れた。
「ここでちゅ。どうぞ頑張って下さい」
「はい。ありがとうね」
「( ̄▽ ̄)キャキャキャ」
ナデナデして貰って嬉しがるローレンスだった。
ドアをノックして面接室の中に入った。
すると、イスに座っていた女性がこっちを向いた。
『え?』
お互い顔を見合わせた。
「え~~~~~~~~~~~マミ∑(〇_〇;)」
「ヒナタ。久しぶり(^〇^)/」
ヒナタの彼を略奪して結婚した親友のマミにビックリするヒナタと再会出来て嬉しそうなマミだった。