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ばけもの子供の物語

ばけもの子供の物語 ペット

作者: リィズ・ブランディシュカ



 とある町のとある一画。


 そこに親のない子供達が集まる場所があった。


 子供達は毎日、通りがかる人達から物を盗んだり、ゴミ場をあさったりして生き延びている。


 そんな中、子供達は捨てられたばけものを発見した。


 生き物を育てる余裕はないけれど、そのばけものはとても小さな子供だった。


 だから、子供達は眺めているうちに、どうにか助けたいと思う様になっていた。


 ばけものは人の影を食べて、成長していくらしい。


 それが分かった子供達は、ばけものを町の中につれていって、人の影を食べさせた。


 影を食べられた人は、原因不明の不調にみまわれてばったりと倒れ、ある日突然死んでしまう。


 子供達は最初はびっくりしたものの、ばけものを育て続ける事にした。


 けれど、影をとる相手は選ぶことにした。


 自分達を助けてくれない大人、見て見ぬふりをする大人、蔑んでイジワルしてくる大人。


 そういった者達からだけ影をとる事にした。


 ばけものの子供はどんどん大きくなっていった。


 とても大きくなって、子供達の背丈よりも高くなった。


 食欲も増えていったので、次第に面倒を見られなくなった。


 だから、子供達はしいくほうきをすることにした。


 二、三町離れた所へ行って、そのばけものを捨てることにしたのだ。


 とても面倒を見きられないから、良い人に拾われるんだよ。


 そう言い残して。


 捨てられたばけものの子供は、それからもすくすく育った。


 その町に住む人の影を食べて、たくさん育った。


 そうしたら、人がばたばたと倒れるようになった。


 町の住人達がほぼ倒れてしまった後は、隣の町まで足をのばした。


 そういう事を繰り返していたら、とうとう生まれ育った町まで戻ってきていた。


 子供達はとても大きくなったばけものを見て驚いた。


 逃げ惑う子供達。その影を、ばけものはぺろりと平らげる。


 そこで満腹になったばけものは、眠たくなったので眠ることにした。


 ばけものは眠っている間に、討伐されてしまったけれど、影を奪われた人たちはそのまま倒れて二度と起き上がる事はなかった。



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