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発達障害の遺伝と子育てについて

 先日、発達障害を自覚する方と「子供を作る事への不安」についてお話する機会がありました。

 この為、今回は発達障害の遺伝と、発達障害の子供を育てる事への不安についてお話しします。


 まず、筆者の考えとして、「発達障害は遺伝する」けど、「子供を作る事を恐れなくても良い」と思っています。



 発達障害の遺伝について、医学的根拠は見つかっておりません。

 ただ、発達障害に関わる者は口々に「発達障害は遺伝する」と言っています。

 作者もそうだと思います。


 私の父の実家は、祖母以降の子世代が全員、明らかな発達障害でした。

 父はASD。祖母はADHD。叔父はADHD。従兄弟の4兄弟は全員がADHD or ASD。そして弟はASD。私はADHD。


 圧巻ですね。


 因みに、発達障害はADHDとASDを併発するケースが殆どだと聞きます。この為、無自覚に併発している可能性はあると思います。ただ、各人明らかに片方の特徴のみが強く出ているため、このような書き方をしております。


 

 さて、こんな家と見合い結婚した母。凄まじい人生を歩みます。


 父はASDでしたが、それに加えて極端に臆病な男でした。この為、外面はとても良い男でした。それこそ、父を知る者から話を聞けば「とても素敵な方」という答えが全員から帰ってきます。

 しかし、彼は他人に極端に興味の無い男でもありました。この為、自分が迫害される可能性のある、世間の目は気にしても、家族を気にかけることは一切出来ませんでした。


 父と母は共に公務員。ですが、父も母もそれなりに忙しそうでした。母にしても、私が物心つく頃から21時、22時帰宅が当たり前でした。

 そうなると、子育てには夫婦の協力が必須です。しかし、父は家族に一切興味が無い。その無関心たるや、すさまじいものでした。


 以下は、父の家族に対する行動の一部です。

①生活費は月6万。それ以外、子供の学費、生活費は全て母の負担。

 母は自分の服も買えないのに、父は車を何台も買い替えておりました。

②家事労働は一切しない。

 食事や洗濯。それに子供の面倒についても特に見る気がありませんでした。食事も母がどうしてもいないときには作ります。しかし、死ぬほどの味覚音痴。時には腐って糸を引いた素麺を無理矢理食わされることもありました。勿論、食中毒になりました。

③子供のしつけは殴って行う。ただし、しつけの定義は自分の意図に反したら。

 父の持っている謎ルールに反したら容赦なく殴られます。外食に行けば、父の食べたいものを頼まなければ殴られる。家では、父の決めた時間は父の言うルールを守らないと殴られる。

 勿論、殴るといっても拳骨や平手くらいです。けど、過去には前歯が欠けたりしました。DVというべきか微妙ですね。…微妙かなぁ?



 と、まぁ父は凄まじい男でした。


 そんな父と結婚した母。

「父親のいない環境は子供を不安にさせるかもしれない。それに月6万の生活費。全て貯金に回せばある程度のお金も溜められる」と考え、耐えに耐えておりました。

 その上、母自身は発達障害ではなく、私達子供に発達障害の兆しがある事は、大きな恐怖を与えたそうです。「せめて学力だけでも健常者と同じにさせないと!」

 そんな考えの元、子供の教育にも力を入れるようになります。


 それほどの状況。常人であっても。いや、超人であっても限界は来るでしょう。母から「あんた達さえいなければ…!」と言われたり、恨まれたり、時には怒鳴りあうこともありました。



 さて、私はこんな環境で育ちました。その上、発達障害が原因で非難されることは、今でも…いえ、きっとこれからも多々あります。

 けれど現状、私は生まれてきたことを呪ったりはしていません。勿論、小学生の時は毎日死ぬことを考えていました。毎日、何かに追われ殺される夢を見ていました。

 ですが、それでも子供の頃から自分の特徴に向き合い、なんとかしようと努力を続けてきたことで、色々と嬉しい事もありました。


 今は発達障害の為のノウハウ本。沢山出てきています。マスコミでも取り上げられ、「発達障害」という言葉は、段々と一般常識になってきています。

 つまり、時が経つほどに発達障害が生きやすい時代になっていると思うんです。勿論、健常者より生きにくいという前提は変わりませんが…


 発達障害で子育てなんてしたら…という不安もわかります。ですが、自分が発達障害である事を自覚して生きているのなら、健常者が発達障害の親になるよりも、ずっと子供の力になれると思いませんか? 健常者だからって、発達障害の子供が生まれない保証なんてどこにも無いんです。


 それに…駄目親で嬉しい事もあります。友人との会話では、将来的な両親の介護や年金事情の話題も上がります。

 ですが、私は父の世話になった覚えがありません。なので、親の老後や親孝行については、母の分だけで良いと思っています。それがなんと楽な事か。母も地獄を経験している為、大体の事は自分で出来るし、謙虚さも身につけています。母の介護が必要になった場合や、死後についての話し合いも、とてもスムーズに出来ます。



 ですので、発達障害だからって、子供を作る事を不必要に恐れる必要は無いと思います。

 どの道、発達障害関係なく、子供を作る事への懸念事項は山ほどあります。悩んだり恐れるのなら、そちらに怯えて欲しいと思うのです。

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