SEという仕事は、ADHDに向いているか。
今回はSEという仕事は、ADHDに向いているか。というテーマでお話します。
ただ、私も前職…というより前の会社の経験しか無く、少し意見が偏る可能性があります。ご了承ください。
さて…
まず結論から言うと、「向いている」と思います。
この結論。調べると結構出てきますよね。「ADHDはプログラマーやSEには向いている」というのがチラホラ出てきます。
ただし、この話には大事な前提が二つあります。
①「向いている」というのは総合的な話であり、向いていない面もある
前話で、「ADHDの得意な事、苦手な事というのはとても分かりづらい」というお話をしました。当然、向いていない面もあります。
というかそもそも、ケアレスミスを多発しても許される職場なんて殆どありません。それこそ狩猟時代で考えても、うっかりが多すぎる味方とか厄介者でしょう。
当事者の私達にとっては、泣きたくなる事実です。
②「嫌い」なら絶対に選んではいけない
嫌いな事を仕事にするのは、絶対に避けるべきです。
作者はパソコンそのもの(所謂ハード)やネットワーク、セキュリティに関する勉強が嫌いです。マザボとグラボの違いを何度も検索するくらいには興味がありません。
ただ、プログラムや業務改善は嫌いではありませんでした。
別に私生活で勉強するほど好きでもないですが、必要に駆られれば勉強できる程度には嫌いじゃありませんでした。その為、嫌いじゃない所は自分で何とかして、そうでない所は他の人に頼ってました。当然、自分が教える事もあります。
つまり、SEに関わりそうな勉強の中で、「自分はこれ、嫌いじゃないな」と思えるものがあれば、SEやプログラマは選択肢としてアリだと思います。
では次に、SEは「どういう所がADHDにとって良いか」という話です。
こちらも主に二点です。
①パソコンメインの業務の為、欠点をカバーする方法が豊富。かつ、その方法を学びやすい
同様の事が言える仕事はSE以外にもありそうですね。
仕事上、パソコンをメインで使う為、ケアレスミスやスケジュール調整などのカバーがしやすいのです。
例えばプログラムテスト。
ADHDはケアレスミスも多いため、プログロムのバグも多いです。ですが、テスト結果のチェック。それこそ数値のチェックなどは、EXCEL等のツールで対応できます。ツール無しで値のチェックなんてしたら、それこそ大変な事になりますからね。
他にも必要書類に、一覧性、網羅性を持たせられる。
ADHDは整理、片付けが苦手です。この為、扱う資料は「何を」「どこに」「どのように」管理しているかが一目で見える事が重要になります。
これがパソコンなら、すぐに出来ます。フォルダ分けをしたり、ショートカットを作ったり。当然、「自分はどう管理するのが使いやすいか」を理解するのに練習が要りますけどね。
紙書類だけだとすぐに無くしたりどっかいきます。作者は多分、パソコン使えないとバインダーを使っても無くします。クリアファイルなんて幾つも消失しました。
更にSEという仕事上、職場にはパソコンや最新ツール大好きマンがチラホラいます。なのでこういった方々から、便利なチェックツールやスケジュール管理ツールなどの情報を聞きやすいです。
勿論、ある程度は自分で調べますよ? けど、そういう人は「え!? そんなことが出来るツールがあるの!?」っていうものも知ってます。「調べようと思った事も無いもの」って結構あります。
②仕事の幅が広いため、得意な事、苦手な事に集中しやすい
こちらは私の前職での感覚なので、偏った意見かもしれません。
2話でお話したとおり、SEの仕事は多岐にわたります。この為、前述した通り○○が出来ないけど××なら出来る。というような人は、他の人の協力を得やすいです。
例えば、「プログラムに関する知見ならドンと来い! でも、ネットワークはよくわかんね」といった人。こういう人は「ネットワークもプログラムもそれなり」な人とも協力が出来ます。「自分の得意分野ならいくらでもアドバイスする。代わりに苦手な分野はよろしく」といった具合です。
以上の二点です。
ここまで読んで、「は? コミュ力無いと無理じゃん」と思われる方。そうなのです。ADHDは人に頼る必要性が高いのです。だから辛いのです。
作者自身もケアレスミスが多く、メモそのものが消えたりするので、信頼を得るのに時間がかかります。それこそ「前言ったじゃん!? なんで覚えてないの!?」とか言われることもしょっちゅうです。この為、まずは自分なりのやり方を模索し続けます。
ただ、常に自分なりの方法を模索しながら動いていると、最初の一年目に辛く当たってきた人の態度も変わってきます。三年目には「お前と組んだこと、最初はすげー嫌だったわ。けど、お前もきちんと考えて動いてんだな」と認めてもらえるようになりました。
そうして、時間をかけて信頼を勝ち取れば、あとは遠慮なく人の力を借りて立ち回れます。
ただし、信頼を勝ち取れるかどうかは相手によります。「努力すればなんでも出来る。全てはやる気次第」って思考の方。意外とおられます。
そんな方は多分、結果を出さないと納得しません。「すぐに人に頼りやがって」とか「やる気がないんだろ?」とか理不尽なこと言われます。
それでも、私達はある特定の事が、完璧には出来ません。
80%出来ればいい? うつ病になるほど努力しても、未だに30%も出来ませんけど? なんて事。作者も覚えがあります。
ですので、「パソコンで、欠点をカバーしやすい」「人と役割分担しやすい」という面で、SEという仕事はADHDに向いていると思います。