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Rebecca Transferred/レベッカ異世界アドベンチャー  作者: 桃太郎V
Power Gem Quest
8/13

#8 Seabed/海底神殿

 ここはゲッコウの海岸。ユウシャ遺跡、ガオ火山に並ぶ有名な観光地でもある。この海岸に到着したレベッカ達は、ビーチバレーを喫していた。


「それぃ!!」

「ぬぅ...お主、そんなことをするために海岸に来たんじゃない。」


レベッカの水着は白ビキニに空色のアロハシャツ、フリルパンツを着用。パメラとカイルは水着を持ってきてない。場面を切り替えよう。ゲッコウの岬にネメシスがいる。彼女も同じく水着姿だ。黒とライム色だけ、ホットパンツといった相違点以外、基本的にレベッカと同じである。ここで何をしているのかというと、海底神殿の手がかりを探っている。


「私、深いとこまで潜れないんだよな。」


仕方なく隣の海岸に戻るが、別行動のはずのレベッカ達との鉢合わせだ。


「奇遇だな。」

「貴様こそ何をやっている?」

「ちょっとした息抜きだよ。」

「はぁ...この海を遊びに来たんじゃなくて、海底神殿に来ることが私達マトリクス集めパーティーの目的だ。」

「そう言われてもな...泳げないの。潜れないの。深海無理。...潜水艦またはダイビングマスクさえあれば話は別だが。」

「この世界に潜水艦は存在しない。ダイビングマスクは...どうだろう?」

「お主、わしの水魔法ならどうだ。強引に開くので。」「じゃあ海底神殿の道を開いてよ。」


カイルは何もない海に向けて、道を開く魔法を唱えた。


「Michi ga hirakimasu......。」


驚くことにどこかのSFアニメのごとく道が開かれたようだ。どう表現するかは、うまく説明できないが、つまり開かれたその両端が滝のように流れて?そんな感じである。


「さあ、いくぞ。」


レベッカ達は海底神殿に向かった、と言いたいところだが、あまりにも遠い。


「ちょっと待って。かなり遠いとこにあるよね?深海だし。」

「だるい、とでも言いたいのか?どんなにだるいだろうが、普通に歩けばいいってわけだ。」

「何だか、めんどくさい。休ませてよ。」

「休んでどうする?時間はたっぷりあるだろう?」

「...仕方ない。遠い道のりになるだろうし、歩くとするよ。」


改めて海底神殿に向かった。到着するに約1時間費やした。


「これはさすがにきつい。」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ここは海底神殿。異世界アトランティスとでも言っておこう。この神殿に数々の宝が眠っているという。到着して間もないレベッカ達はどうするのか相談しているとこだ。


「カイルよ、ダンジョンマップとかない?」

「あるわけないだろう。この神殿の現在地と構造を把握したいなら、この紙に記すといい。ペンシルならあるが?」

「...まあ、RPGではよくあることか。」

「何の話かね?」

「いや、なんでもない。...また別行動かな、ネメシス。」


またもや前回と同様、二手に分かれて行動することに。レベッカ一同は正規ルート、ネメシスは裏ルートへと進んでいった。


 魚がいるフロア。前述の「ミチガヒラキマス」で魚達は干されていた。


「エビとカニはいないのか?何か物足りない。」

「何を大げさな...気にすることはないだろう。」


次の部屋へ進むなり。


 苔だらけのフロア。


「うわぁ...ここの部屋には苔がたっぷり生えている。」


他にも毬藻が複数転がっている。さぁ次。


 なぜか珊瑚が生えてあるフロア。お持ち帰りはできないそうだ。


「え?こんな看板あったっけ?」

「おそらくわしらより先に立ち入った人の仕業だろう。これも数年前のものだ。」


 ボス部屋前のフロア。その扉に鍵穴がある。


「ピッキングしようか?いや、冗談。鍵を探そう。」


レベッカ達はボス部屋の鍵を探すために、神殿全体を片っ端から探すことにした。しかし、見つからなかった。宝箱があったとしても、既に空っぽである。


「誰かに持ち去られたとしたら、どうだろう?」


ボス部屋前のフロアに戻って、ピッキングを試みようとするその時、天井にウツボがいた。何やらボス部屋の鍵を咥えているようだ。目と手の届かぬ場所に置く、と。


「干される前に鍵を咥え天井に張り付く事で招かざる客に鍵は渡せないように、これもウツボの思ウツボ?」


確かに普通の人では手が届かない。だが遠距離でも取れる人がいるとしたら。


「わしとお主くらいなら届くだろう。やつの思ウツボではあるまい。」

「そうか、ウツボってそんなに単純な魚だなんて。」


その通り、レベッカのサイクロンでウツボを撃ち落とした。簡単なことだった。ボス部屋の鍵を手に入れたレベッカ達は、この鍵を使い、扉を開けた。そこには大きなプールがあった。その深部に青色のマトリクスが置いてあった。だがそこには巨大ウツボが泳いでいる。そのボスを倒さない限り、獲るのは難しいようだ。


「どうする?わしの魔法じゃどうすることもできん。(扱える魔法は炎と水くらいだからのう。)お主の電気ならなんとかなりそうな気が。」

「悪くない判断だね。(私は肉弾戦を主力とする。サイクロンが使えるとは言えど魔法は得意じゃないけれど...ダメ元で試してみよう。)」


レベッカの拳に纏った雷パワーをプールに流し込んだ。威力は微弱であるものの、巨大ウツボは気持ち良さそうに震えていた。


「なんだ、気持ちいいだけじゃない。」

「あ、そうだ。水を抜けばいいか。」


カイルはひらめいた、大量の水を抜くという発想だ。例えば、風呂またはプールの水槽の栓を抜いて、その通りという。この神殿のプールには栓らしきものはない。どうやってプールの水を抜くのだろうか?


「わしの水魔法を忘れるなよ。」


彼の水魔法で、プールの水は天井に吸い付くかのように減らしていく。やがて水はなくなり、巨大ウツボは水がなきゃ動けないとただ跳ねてるだけに。


「水がなくなったはいいが、巨大ウツボが跳ね暴れちゃ話にならない。」


ところが、裏ルートへ進むと言っておきながら道草食っているネメシスが来た。


「ネメシス、裏ルートで何をしてきたの?」

「ちょっとした大漁でな。」


ネメシスのバケツに大量の魚が入っている。何に使うかはこれからだ。


「その魚でどうする?」

「どうするも何も、ご飯の時間だよ。オモウツボのな。」


巨大ウツボことオモウツボはネメシスの持つご飯を目の前に、跳び跳ねてきた。


「魚ってのは、単純なものだよな。」


陸に上がってきたことにより、プールは空きになった。


「さぁ、今のうちだレベッカ!取りに行け!」

「言われなくてもそうするよ。」


プールの底に降り、妨害されることもなく簡単に青色のマトリクスを手にすることができたレベッカは、グラップルウィップで登り、上にいるメンバーと合流した。


「早いとこ、ずらかろう。」


マトリクスを手にした今、神殿に用はないので早いとこ海岸に戻ろうとするレベッカ達だが、ネメシスはオモウツボを相手にしていて手が放せない。


「ネメシス、ウツボと遊んでないで地上に戻ろうよ。」

「何を言ってる。私はただ、大物を手にしたいだけだ。」

「このままじゃ黒いお主は海の底にされてしまうぞ。」

「心配にはいらない、ここで沈んだまま終わる私じゃない。さぁ、ゆけ!!オモウツボが暴れて崩れる前に!!」

「ぷーさんけるなぁ!!黒いお主を置いてはいけぬ!!ならば、わしが海の底まで付き合ってやる!!」

「貴様、そこまでして私を大事にしておいて...。」

「...ふむ、じゃあ仕方ない。旅の道連れということで私が付き合ってあげる。パメラよ、オモウツボは3人でなんとかする。先に上がっていい。」

「いや...パメラ、一緒に付き合う。」

「パメラまでか。どれも仕方ない者だ。一気でパーっといこうか!せめてカニミソ食べたかったな......。」


レベッカ達はオモウツボを討伐するという道を選び、戦った。徐々に海底神殿は崩れ、開いていた道は閉ざされ、やがて彼らは水の底に取り残されていった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 場面を切り替えて、ゲッコウの海岸。観光として訪れたヴァルキリーはシーフードを食べていた。無論、水着は着ていない。


「蟹ンまい。こんなに美味な蟹は初めて。」


ヴァルキリーはただの観光客ではなく、王様直々の指令でこの海岸に来たサポーターだ。食べ終えた彼女は早速、海底神殿に立ち入ろうと例の合言葉を唱えた。


「Michi ga hirakimasu......。」


SFアニメのような展開で海底神殿への道が開かれた。神殿へ向かうヴァルキリーだが、そこには既に崩れていて何も残してない神殿の跡地だった。


「あれ?何もない、どうなってるの?」


何もないので、仕方なく後にしようとするヴァルキリーだが...。


「勝手にヤるな。私はまだ生きてるぞ。」

「間一髪だったな。ネメシスの隠しアイテムがなければ私達は、海の藻くずだったよ。」


レベッカ達は奇跡的に神殿の崩落から生き延びたようだ。その隠しアイテムとは、万一この神殿が崩れ、出口が塞がってしまった時に使う「緊急脱出ドア」だ。ネメシスが進み通った裏ルートで手に入れたらしい。無論、ここでしか使えないが。


「みんな、大丈夫?」


ヴァルキリーは、この奇妙な出来に驚いているようだ。なんていうか。


「既に済んだことだし、地上に戻ろう。」


約1時間もかかるこの道は、もうまっぴらだ。レベッカは疲れ座り込んだ。


「お主、もうお疲れなのか?」

「もう歩けない。めんどくさいし。」

「1時間かかる帰り道でへばるとは、貴様らしくないな。」

「くふっ、この私ヴァルキリーがおぶってあげる。」

「どうしようかな...君もだってくたびれるじゃない。せっかく君から来てくれたのに、往復でどれだけツラいと思って。」

「気にしないの。人助けをするなら、多少無理をするタイプなので。」

「手伝う。」

「パメラまで私を担いでくれるの?悪いな。」

「お主も色々あって疲れてるだろう。わしも運んであげようか。」


4人はレベッカを運んで、約1時間をかけて地上に戻った。戻った頃には既に夜だった。


「さて、どうしよう。宿を探すか?」

「あいにくだが、どれも全て満室らしい。」

「参ったな...泊まれるとこないじゃん。」

「てかお主ら、着替えないのか?」


そういえば2人は水着のままだった。


「じろじろ見てどうする...。」

「ネメシスも私も着替えないとね。」

「私のテントの場所を伝えないと。更衣室のすぐそばよ。忘れないようにね。」


水着のままである2人は、速やかに更衣室へ向かった。ロッカーの鍵は常に携帯しているので、紛失や盗難の心配はいらない。3つのマトリクスや普段着は無事であった。


 すぐに場面を切り替えて、ヴァルキリーのテント。3人はこのテントで泊まっていた。このテントで泊まるかと訪ねるレベッカに対してネメシスは、1人限定だが部屋は取ってあるのでこちらで泊まると、お互いに別々で泊まることにした。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 翌朝、朝が苦手なレベッカは寝ぼけながらテントを片付ける一方、ネメシスはどこかへ行ったため、宿にはいなかった。


「君から私達を来てくれたこと、私をここまで運んでくれたこと、テントを用意してくれたことに感謝している。」

「王様の命に従ったまでよ。次の目的地はユウシャ遺跡でしょ?」

「そうだが、お主はどうする?わしらとともに旅をするのか。」

「私、その役目を果たしたので王都に戻らないといけないので、いけそうにないわ。」

「そうか、それは残念だが、こうしてそれぞれの使命と役目があるとはいいものだ。お互いに己の目的と役目を果たすために頑張っていこう。では、幸運を祈る。」


レベッカ達の旅立ちを見送るヴァルキリー。残りのマトリクスを回収するために、次の地へと向かうレベッカ達であった。

―――――――――――――――――――――――――――――To be continued

*ログブック更新*


〇現在のパーティー

1.レベッカ

2.カイル

3.パメラ


〇マトリクス

赤:まだ

緑:GET

青:GET

黄:まだ

シアン:王様の手に

パープル:GET

白:GET

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