表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

哀しみを知る人への詩

作者: 奥田 繭

からからと 頭の中で音がする

誰かが落とした空き缶を 風が無邪気に転がしてるの?


いいえ それはあなたの風車

あの人の秘密に触れてしまった 哀しい一夜


涙がはらはら頬をつたい

声を殺した慟哭が 厚い壁をもつらぬく一夜


キャンディー色の夢みる隣人は

しのびよる悪夢のかおりに 眉をひそめる


秘密を忘れてあなたをなでる あの人の掌に身をゆだね

あなたはどんな音を聞くのだろうか?


からからから からからから

誰もいない小屋のなかで あなたの影が血を流す


理想と幻想の交わりは秀逸な芸術品

あなたの涙はほんのスパイス


果てることなき孤独の時間は

目覚めぬ日まで あなたを巣食う


からからと音がしたなら 生きていても大丈夫

こころが動く証拠なのだから

あの人のために血を流すことのできる証拠なのだから

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ