1話 カウントダウン
俺の名前は広。見た目は社会人に見えるが、実際は自宅警備員のクズニートだ。現在は親のお金でなんとか生活出来ている。お金に余裕ができたらソシャゲに金突っ込んで一日中家に引きこもっていた。
そんなある日、とある広告を見つけた。『勝てば賞金1億、人生大逆転チャレンジ』というものだった。
人生大逆転チャレンジというのは毎年とある会場で行われる裏世界のイベントだ。毎年異なったゲームを行うが参加者は現地に行くまで今回のゲームの内容は分からない。参加者は現地に着いてゲームルールを知る。その後そのゲームに挑戦するかどうか選択する。挑戦したくない場合は1万円を払うことで挑戦拒否をすることが可能だ。
挑戦する場合、この企画のゲームマスター、紅蓮とゲームをする。そのゲームに勝利した場合、賞金1億円が貰える。しかし、負けが確定した場合、その瞬間この世から離脱、つまり死にます。
広「人生大逆転チャレンジか、イカサマ集がプンプンするが、対戦拒否ができるなら行ってみる価値はあるな」
広はその会場場所を調べ、現地に向かった。
そこで初めて今回のゲームルールを知った。
〜ルール〜
①1から10までの数字が描かれた10枚のカードからランダムに6枚横に並べます。(両プレイヤーはどの数字がどこにあるのか見える)
②先者は先に一番端(一番右or左)にあるカードを引く、そのあと後者も一番端にあるカードを取り、それを交互に行う。
③全て取り終えたらとったカードの数字の合計を競います。数字が多いプレイヤーは1pゲットとなる。引き分けの場合は仕切り直しとなり①からやり直す
④最初はゲームマスターを先者として始め、どちらかの勝者が出た場合、先者と後者を入れ替え同じことを行う。
⑤先に100p貯まったらそのプレイヤーは勝利となる。
広「なんだ、結構普通のゲームなんだな、どうせ今のくだらない人生続けるくらいならいっちょ賭けにでますか」
広はそのゲームの参加を決意した。挑戦者は広だけだったが、この会場に来てる人もそもそも少なかったしそもそも知名度も低いので何の違和感もなかった。
会場の中に入ると真ん中に司会者とゲームマスターがいて周りには沢山の観客に囲まれていた。席に座るとテーブルには10枚のカードだけが置かれていた。沢山の人の注目を浴び、緊張しはじめた。
紅蓮「やぁ、君が広君だね」
広「はい、この勝負勝てば1億円、本当に貰えるんですよね?」
紅蓮「はい、約束は守りますし、ルールを破るなんて真似も一切しません。お互い全力を尽くしましょう」
ゲームマスターの丁寧で優しそうな声で広は内心ほっとして、緊張も少しほぐれた感じがした。
司会者は10、9、8、とカウントダウンが始まった。おそらく0になったらゲームが始まるのだろう。1億か死か。広はただそのカウントダウンが0になるのを待った。
司会者はゼロと叫んだ。
ゲームマスター紅蓮の目には血を流して倒れている男が映っていた