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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
最弱と最強の出会い
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一進一退の攻防



 本人達は当然だろうが、見ている方も気を抜けないこの一戦。アカリvsオルテリア。しかし、本人達はどこか楽しそうにも見える。



「では今度は、こちらから行きますわよ!」



 今度はオルテリアの方から、構える。水の鞭に、ビリビリと電気を走らせていき、それをアカリ目掛けて振るう。



 オルテリアは神力で水を扱うのを得意としているが、別にそれしか使えないわけではない。水を主体とした戦法なのだ。



 あれに当たれば、例え致命傷を免れるこの結界の中でも……ただでは済まないだろう。



 しかしアカリは慌てるどころか、逃げる素振りもない。襲い来る水の鞭をただ眺めている。そして、



「せい!」



 アカリは水の鞭に、火の玉を勢いよくぶつける。それにより火が蒸発し、軽く爆発が起きる。



「目眩ましですの!?」



 水蒸気がアカリの姿を隠し、オルテリアは警戒しているようだ。だが、直後に自身の体を回転させるようにしながら後ろに拳を放つ。裏拳だ。



「……! っく……!」



 いったい何に反応したのか……それは観客席から見ている俺達にはすぐにわかった。



 裏拳を放った背後、そこにはアカリがいたのだ。気づいたオルテリアもオルテリアだが、その拳を自らの腕をクロスさせることで防いでいたアカリもさすがだ。



「あったた……反応早いねぇ」



「伊達に鍛えてはいませんわ。神力だけでなく、感覚も研ぎ澄ましていますの」



 すぐに、二人は距離をとる。



 俺は、正直オルテリアの戦いぶりに驚いていた。



 元々お互いに勝るとも劣らない二人だったが、悪魔四神メルガディスの件を経て特訓に特訓を重ねたアカリとの実力は開いていたんじゃないかと思っていたからだ。



 だがオルテリアは、アカリに劣るどころか動きを読んでいる。そしてそれに、対応している。



 それだけ、オルテリアも努力をしてきたのだろう。強くなりたいという努力……それは、俺には痛いほどによくわかる。



「さあ、どんどん行きますわよ!」



 次いでオルテリアの掛け声とともに、宙に複数の物体が現れる。



 それは先程の、アカリの火の玉とは違う。こっちは氷の槍だ。火の玉よりも攻撃力が高そうで、それが複数個現れる。



「うわあ、当たったら痛そう」



「さあ、踊りなさい!」



 掲げた手を振り下ろした瞬間、数えるのも嫌になるほどの氷の槍がアカリに襲い掛かる。



「うわわ、来た来た!」



 襲い来る氷の槍。それを前にアカリは、その場から超スピードで離れる。あれは神力を足に集中させ、身体能力を強化しているのだろう。



 ただ一直線に向かうだけの攻撃では、あちこちに動き回るアカリへ狙いを定められない。普通ならば……



「うぇえ!?」



 その場から離れたアカリを、氷の槍は追尾しているのだ。逃げても逃げても、どこまでも追ってくる。それには、追尾機能が備わっているのだ。



 もし一発でも攻撃を受ければそれは致命的なダメージになるだろう。加えて、攻撃を受けたらそこに一瞬の隙ができ、動きが止まってしまう。



 そんなことになれば、何十本とある氷の槍がアカリを串刺しにすることになる。



「逃げてても無駄、か」



 逃げるのが無駄だと判断したのか、アカリは立ち止まり氷の槍に向き直る。



「ぬぅ……せいや!!」



 両手を前にかざすと、その手の先から風……と呼ぶには生易しい、突風が吹き荒れる。突風と言ってもただ吹き荒れるのでなく、風の渦が圧縮されレーザーのように放たれた。



 それは氷の槍にぶつかり、数秒と経たないうちに氷の槍が砕かれていく。



 吹き飛ばすんじゃなくて砕くとは……見た目に反して、攻撃力はえげつない。



「よし、これで……」



 ひとまずの危機は脱した。また主導権を握られる前に、今度はアカリから仕掛けるつもりだ。



 だが……



「……! しまっ……」



 背後から迫る影。アカリもそれに気づいたが、振り向いた時にはすでに遅く……水の鞭に締め上げられてしまう。



「ぐっ……!」



「おーほっほっほ! 捕えましたわよアカリさん!」



 捕まえたアカリに対して、オルテリアは高笑いで迎える。



 まずい、完全に拘束されてる。アカリなら何か手立てがあるかもしれないが、それをオルテリアが見逃すはずもない。



「ぐ、ぅああ……!」



「アカリちゃん!」



「アカリ……!」



 締め付けられているのか、アカリの悲痛な叫びが会場に響く。



「油断しましたわね。常に周りに気を配らないと。悪く思わないでくださいね」



「ぐぅ……ご忠告、どうも……でも、油断は、お互い様だよ……!」



「え……ッ!?」



 苦しげな中に、アカリが少し笑ったように見え……その直後だった。オルテリアの足元から火柱が上がったのは。



「! え……?」



 オルテリアを包むほどに巨大な火柱。それにより水の鞭の拘束が解けたらしく、アカリが地面に着地する。



 もしかしてこのまま……そう思ったのも束の間、巨大な火柱が弾け飛び消え失せた。



「けほっ、けほ……」



 中から出てきたオルテリアは、多少体や服が焦げていたものの、その程度だった。おそらく、水で火柱をかきけしたのだろう。



「うぅ……ちょっと! 服が焦げちゃってるじゃありませんの!」



 何に怒っているかと思いきや、全く予想外の台詞を吐くオルテリア。そっちかよ!



「私だって、服がびちゃびちゃなんだけど!」



 対するアカリも、まさかの反応であった。

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