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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
最弱と最強の出会い
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"閃光の輝き"vs"爆炎の魔女"



……



 会場に移動すると、これまでにないほどの観客の数がいた。さすがは、一年生にして学園中の注目を集める二人の試合だな。何とか座れたが、ほぼ満席状態だ。



 二人ともトップクラスの神力を持っているから、当然と言えば当然だがな。



 ……神力。そういえば俺の神力が発現した試合の後、ティファルダ先生から気になるから調べると言われてたんだよな。



 その後音沙汰がないということは、何かわかったことはないのだろう。



『さあ、やってまいりました! 神技冠祭屈指の試合になること間違いなしのこの一戦! この対戦カードに、会場もこれまでにないほどの盛り上がりを見せています!』



 ……と、まあ後で考えることにしよう。まずはこっちだ。



 相変わらずテンションの高い司会、彼女の言うように会場はこれまでにないくらいに賑わっている。



 この分じゃ、他の試合をしている人達の会場はさぞ寂しいことになっているのだろう……哀れだ。



「うひゃー、人がゴミのようね。うじゃうじゃいるわ」



「さすがの対戦カード……アカリちゃん、大丈夫かな」



 俺を挟んでそれぞれ左右隣に座っている二人が感想を漏らす。やっぱり、この二人が仲良く隣り合って座る、ってのはないか。



 自信満々に見えたアカリではあるが、これだけ人がいたらさすがに緊張してしまうんじゃないだろうか。あいつたまに赤くなったりするからな。



『えー、前口上はほどほどにして選手の紹介です! まずは一年生にして学園トップクラスの力を持つAランクの実力者!

 すさまじいまでのその速さでAランクまで駆け上がったことから付いた二つ名は"閃光の輝き"! アカリ・ヴィ―ルズ選手ー!!』



 その紹介と同時、入り口からアカリが現れる。それだけで、会場は割れんばかりの歓声で盛り上がる。



『続いて、同じく一年生にしてAランク! アカリ選手がパワーならこちらはスピードか!

 "爆炎の魔女"の二つ名を持つ彼女は料理の腕はからっきしでも神力はトップクラス! オルテリア・サシャターン選手ー!!』



 悪意こそないが、やはりどこか独特的な紹介。この紹介文、司会の人が勝手に考えてるんだろうなあ。



 その紹介に少し笑いが起こりながらも、現れたオルテリアにもアカリに負けず劣らずの歓声が起こる。



 そういえばオルテリアの二つ名は、授業中に調理室を爆発させたという神力とは全く関係ないものだっけ。



『両者揃いました! 一年生でAランクの二人の対決、私控えめに言ってテンションがヤバいことになってます! 果たして勝つのはどちらか! 皆様同様、私もドキドキが止まりません!』



 テンションがヤバいのはわかっているが、本人にも自覚があったのかよ!



『それでは、神力学園の歴史に名を遺すであろう世紀の一戦……試合開始ー!!』



 ついに、試合開始の合図が鳴る。



 先程までうるさいくらいだった会場は静かになり、それだけ二人にみんなが注目しているというのがわかる。



 開始の合図が鳴ってもお互いに相手を睨み合ったまま動かない……なんてことはなく、意外にも先に動いたのはオルテリアだ。



 てっきり、相手の動きを観察するスタイルでいくのかと思っていたが、そうではなかったようだ。



「じっとしているのは性に合いませんわ! 早速行きますわよ!」



 その言葉を吐きだすと同時、彼女の右手から奔流する渦のように水がとある形を作っていき……それは、まるで鞭のように変形する。水の鞭ってやつだろう。



「なんだかあの子が鞭持つと女王様って感じね」



「どこに注目してんだお前は」



 隣からエルシャの茶々が入るが、軽くスルー。その間にも、今度はアカリが次の行動を起こしていたからだ。



 アカリは、自らの周りに複数の火の玉を出現させる。ちょうどバスケットボールくらいの大きさのそれが、宙に浮いている。あれで何をするのかは、俺でも想像がつく。



「いっくよー!」



 アカリが手を前に突き出すと、予想通り火の玉が一斉にオルテリアに向かって放たれる。複数の火の玉弾、単純なものに見えるが、アカリのそれは大きさも速さも段違いだ。



 並の攻撃や防御では防ぐことすらできないであろう一撃……いや複数の攻撃だ。



「ふん、そんなもの!」



 しかし、そんなもの関係ないと言わんばかりにオルテリアがその腕を振るう。同時に右手に握られていた鞭も舞い、火の玉へと打ち付けられる。



 すると、まるで風船が破裂したかのような音が響き、火の玉のうちの一つが消滅したではないか。



 しなやかな水の鞭を火の玉にぶつけ、消滅させた。それも一つだけにはとどまらない。続けて腕を振るうことで鞭が舞い、二つ目、三つ目と消滅させていく。



 火と水という相性もあるのあもしれないが、アカリの攻撃を一方的に消し去っていくとは。



 時間にして数秒。気づくと火の玉は、一つ残らず消え去っていた。 あの数を、数秒と待たずにさばききるなんてやはりオルテリアも並の実力じゃない。



「さすがだね、オルテリアちゃん」



「ふん、当然ですわ」



 自分の攻撃を全て防がれたというのに、アカリが笑みを浮かべているのが見えた。対してオルテリアも得意げだ。それでも、どちらも油断しているわけではない。



 なるほど、パワーのアカリにスピードのオルテリアか。うまいこと言うもんだ。この試合、ますます目が離せないな。

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