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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
最弱と最強の出会い
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今大会の目玉



 海から戻り、刹那の休日が終わりを告げた。次に待っていたのはトーナメント大会の続きで、心身リフレッシュした各々が出場している。



「おらぁああああ!!」



 そこには当然俺もいる。『神力を打ち消す』神力が発現した俺は、次々と対戦相手を破っていた。



 今もこうして、俺の放った拳が見事相手の顎下にヒット、そこから突き上げるようにして拳を振り上げたために相手が吹っ飛んでいく。。



『そこまで! 勝者、ヒロト・カルバジナ選手ー! 学園最弱がまさかのダークホース! その頭角を表してから、順調な進みを見せているー!』



「よっし!」



 この力のおかげで、学園最弱の身でありながら未だ勝ち進むことができていた。



 まだそこまで強い奴と当たってないのもあるが、この力に翻弄される相手は多い。何せ自分の力を打ち消されるのだからな。



 その隙をついて得意の体術に持ち込むのが俺の主流戦法となってきていた。



 どんな規模の攻撃であろうと、防御であろうと……神力を消し去られては、相手も手立てがない様だ。今まで神力にかまけて、自身の体力とかろくに鍛えてなかったのだろう。



 ま、この学園でそんなことしてる奴の方が珍しいんだけどな。



「ヒロト、お疲れさま!」



 会場から出ると、アカリがねぎらいの言葉を掛けてくれる。



 海での一件ですっかりアカリを意識してしまっている俺はあの日以来、うまく目を合わせられずにいた。



「お、おう……サンキュ」



 今までこんなことは一度もなかったのに、一度意識してしまうとこうも変わるものなのか……!



 そんな俺を、エルシャはニヤニヤと、リーシャは何だか不思議そうな目で見ている。



 当然俺の気持ちは誰にも話してないのだが……エルシャには、気付かれてそうな気がする。リーシャも、「まさか」といった顔をしている。



 俺ってそんなわかりやすい?



 ピロロロ……



 そんな時だった。神技冠祭の次なる対戦カードを知らせる着信音が届いたのは。正直、助かった……何か妙に気まずい雰囲気だったしな。



「お、おっとー、次は誰かな、と」



 自分でも下手なごまかし方だなとは思いつつも、対戦カードを確認するために機器へと視線を向ける。そこに、書かれていたのは……



『Aランクアカリ・ヴィールズ選手、Aランクオルテリア・サシャターン選手 1時間後A会場にて』



「なにぃ!?」



 そこに記されていたのは、おそらく本大会一番の目玉となるであろう組み合わせであった。 それを見て、思わず声が漏れてしまうが仕方あるまい。



「ど、どうしたのヒロ……」



「どうしたのじゃない! これ見ろこれ!」



 いつか来るとは思っていたが、覚悟も何もないままにだから驚いてしまった。手渡した機器を見ているアカリも、同じ気持ちのようだ。



「………えぇええええ!?」



 案の定、どこから出しているのかと思うような声を上げる。



「わわ、これ……わわ、わえー!?」



「落ち着け! 混乱しすぎだ!」



 当然だが、俺以上に混乱しているのがわかる。何を言おうとしているのかわからない。



「ふーん……アカリちゃんとオルテリアちゃん、か。一年生にして学園トップの実力を持つ二人が、今ここに来てぶつかるわけね!」



「説明口調ありがとう! あとお前すげー楽しそうな!」



 盛り上がっているエルシャは、完全に楽しんでいる。確かに見てみたいカードではあったため、俺も実はテンションが上がっているのだが内緒だ。



「そんなあ……け、決意したばっかなのに……」



 対するアカリが切なそうな顔で、何かを呟いている。決意とか聞こえたが、何か決めたことでもあるのか?



 その後ろから、リーシャが肘でアカリを突っついている。それが何を意味しているかわからないが、何やら顔を真っ赤にしたアカリは一歩踏み出し……俺との距離を詰める。



「ひ、ヒロト!」



「は、はい!」



 まるで、これから決闘でも申し込まれるのかというほどの迫力。それに押され、でかしこまった言い方になってしまった。



「あ、あの……わ、私! オルテリアちゃんに勝つから!」



「お、おう」



「それから……ゆ、優勝したら……ヒロトに、言いたいことがあるの!」



 まるでトマトのようになりながら、アカリは告げる。これが漫画だったら、目がばってんになっていたことだろう。それほどまで慌てていて、言葉をまくしたてている。



「言いたいことって……今じゃダメなの?」



「だ、ダメ!」



 言いたいこと……今ではダメだという。ふむ、何だかわからんが……アカリがそう決めたなら何も言うまい。



「その決意やよし。でもアカリちゃん。『優勝したら言いたいことぅ』があるなんて、それフラグだよ?」



「そっ……それは……って、不吉なこと言わないでよ! 私は……」



「優勝ですか、それは大きな目標ですわね。ですがそれ以前に、私との勝負に集中してもらいたいですわね?」



 不吉だなんだとギャアギャア騒ぐ中、この場にない声が響く。その声と口調はよく知るものであり、共に海に行ったメンバーの一人でもある。



 そして今回のアカリの対戦相手でもある……



「お、オルテリアちゃん……!」



 腰まで伸びた青い髪を風になびかせ、腕を組んで仁王立ちしたオルテリア・サシャターンであった。

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