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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
最弱と最強の出会い
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束の間の休息



「ふあぁ……」



「ちょっと、今日何度目のあくびよ」



 朝早くから車に揺られ、こうやってあくびをするのくらい許してほしい。窓の外では照りつける太陽がまぶしい。まさに雲一つない空というやつである。



 俺達は現在、車の中にいる。俺にエルシャ、アカリ、リーシャ、オルテリア、そしてキルデというメンバーだ。



 加えて、保護者という名目でオルテリアの家の執事さんが運転手を務めている。執事なんて生で初めて見たよ。



 で、何故休日の今日、このメンバーで出掛けているかというと……



『海よ! 海行きましょう!』



 何かに影響されたのか、突然エルシャがそんなことを言い出したのだ。みんなからも特に異議がなかったのでそのまま流れで今日、海へと向かうことになったのだ。



 せっかくの休みなんだから、神技冠祭での疲れを癒せよ……そう思ったが、最終的に着いてきてしまった辺り俺も実は行きたかったのだろう。



 それに、なぜかめちゃくちゃアカリに頼まれたし。



 ちなみに学園が違うキルデがいる理由は、幼馴染であるオルテリアきっての希望だ。恥じらいながらも意見を申し出る姿は、なかなかに可愛かった。



『そ、その……行くなら、キルデも誘っていいですの? べ、別にダメなら構いませんが……わ、私はその……一緒に、行きたいので……』



 わざわざ婚約者だからってだけで、こんな反応にはならないだろう。ということは、オルテリアはやはりキルデのことを本気で空いているのだろうな。



 キルデも羨ましい奴だな、こんな可愛い子に想ってもらえるとは。



「はぁあ、何かわくわくするわね。天界には、海なんてなかったもの」



「そうなのか。じゃあ海初めてなのか……ってことは泳げないんじゃ?」



 小声でもうきうき度を隠せていない。やっぱりこいつ人間界好きだろ……そう思う。ま、海というものがないというのなら初めての海にテンションが上がるのも無理はないが。



「おぉー!」



 次いで、窓に張り付き外を見ているエルシャの声が聞こえてきた。窓の向こう側には、青い海が広がっておりそれに歓喜の声を上げたってとこか。さて、いよいよやって来たな。



「来たわー! 海! 青い空! 白い砂浜! 広がる青い海!」



 たどり着いた車から真っ先に降り、海を目の前にしたエルシャは一人テンションマックスである。時折「うひょー」とか奇声を発している。



 気持ちはわからんでもないが、神様なのにこのテンションどうなの……



「すごい喜びようですわね……エルシャさんは、海が初めてですの?」



「あぁ、そうみたい」



 そうか、オルテリアとキルデは、エルシャの正体を知らないんだよな。子供のようにはしゃぐエルシャを見て、目を丸くしている。この二人になら、隠す必要はないんじゃないかな。



「何してるの!? さあ早く泳ぎましょ! イエーイ!」



「ちょっ、服服!」



 エルシャはアカリに海に引っ張っていかれそうになり、逆に女子更衣室へと連れられて行く。海で人は解放感になるというのは本当なのか……人じゃないけど。



 リーシャとオルテリアも向かい、残された俺とキルデは場所の確保に移る。水着はもう履いてきたし、脱げばいいだけ。男はこういう時楽だ。



 ちなみに、運転手の人は一緒にいるのではなく、車の中で待機している。保護者扱いなんだから、もっと近くの方がよくない?



「賑やかな方ですね、エルシャさん」



「賑やかってか、騒がしいだけだよ」



 場所を確保し、シートを敷きつつ荷物の準備。何か話題がないともたないと思っていたが、キルデの方から話しかけてくれた。それは今日騒ぎまくっているエルシャについてだ。



 賑やかか……あまり接点がないとそう見えるかもしれないが、普段から一緒にいるとただのうるさい奴だ。



「確か、お二人は同室でしたよね?」



「あ、あぁ……」



 オルテリアが話したのだろう、同室であることがキルデにも伝わってる。何も知らない人が、男女同室を聞いてはどうしたって誤解してしまうのではないだろうか。



「あの、俺とエルシャは別に……」



「わかってますよ。何か手違いがあったんでしょう?」



 すると俺が弁解する前に、キルデからわかってるとうなずかれた。おぉ、まさかこんなにも物分かりがいいとは……ありがたい!



「しかし、なかなか面白いですね……貴方と彼女が、同じ部屋とは」



 感激していた俺は、キルデが何かを呟いたのに気付くことはなく……



「それにしても……いいのかな。こんなまったりしてて」



 準備も一段落して、こんなことを言っていた。今まで神技冠祭で戦い続けていたため、球速は必要だ。にしても、まったりし過ぎじゃないかとも思い、空を見上げる。



 はあ、快晴だなあ。



「いいんじゃないですか? せっかくの休日ですし。それに……ゆっくりできるのも、あと少しですから」



 そんな俺の言葉に、キルデが答える。ま、それもそうかもしれないな。確かにこの休みが終わればまた始まるし、休む暇もないだろうから少しぐらいゆっくりしてもバチは当たるまい。



 あくまではめを外し過ぎないようにすればいいのだ。



「おーい! 着替え終わったわよー!」



 そこへ、エルシャの声が聞こえてくる。いつの間にか女性陣だけで水着を買いに行っていたらしいが……さてそんなものを選んだのだろう。ちょっとドキドキしてきた。

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