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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
最弱と最強の出会い
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開催、神技冠祭!



「ん~! いい朝ね!」



 さてさて翌日……珍しく早く起きたエルシャが、カーテンを開け朝日を浴びながらうーん、と伸びをしている。珍しいこともあるもんだ。ホント珍しい。



 あれか、遠足が楽しみすぎて早く起きちゃった小学生か!



「ふぁあ……」



「ほらヒロト君! 何冴府抜けた顔してるの!」



 朝からキンキン声が頭に響く。それに余計なお世話だ、というかいつもはお前が府抜けた顔してるだろうが。



 やっぱり俺はどうしても、そんな風にテンションは上げられない……



「どうしたの? 暗いわね~、もしかして今日が楽しみすぎて寝れなかったとか!? お子様ね~!」



 何だこのハイテンション……ウザい。その台詞お前にだけは言われたくないんだけど。



 昨夜はキルデと少し話をして……落ち着いた、とまではいかないまでも散歩の前よりは心が穏やかになっていた。だから寝不足ということもないはずだ。



 だいたい、俺はいつも朝はこんな感じだ。俺が暗いんじゃない、こいつがウザいくらいにテンションが高いだけだ。



「ほら、朝ごはんよ朝ごはん! はーやーくー」



 その上、自分でやることなく朝飯をたかるとは、この野郎……こんなのが神だなんて、認めたくない。



「はいはい、っと」



 いつもは、朝飯ができてからやっと起きる……いや起こすというのに。何なんだこの異様な光景は。



 この寮に入ってから、一段と家事スキルが身に付いてきたように思う。ルームメートがいないから、一人でやるしかなかったが……



 同居人が出来たことで、いっそう家事に励むようになった。って主婦か俺は。



 こうなると色々大変さがわかってくる。寮に入る前……実家にいたときは、こんな苦労は……



 ズキッ



「っつ……」



 いてて……“また”これか。何なんだろう、この頭痛。どこか体でも悪いのかな? つっても、どこか明確に悪いところもないし健康体だと思うんだけどな……



「何してんのー?」



「何でもねえよ、っと」



 ま、頭痛っていっても一瞬頭が痛むくらいだし、大したことはないだろう。



 すでに痛みの消えた頭痛のことを考えるのはひとまず置いておいて。さて、今朝の飯はどうしたもんかな。材料は、と……



「…………ん、できたぞー」



 それからしばらくして、飯を作り終える。今日はいつもより多目に作ってみた。何せ気合い入れてかないといけないしな。



「おぉー、なかなか美味しそうじゃない。カツドン、ってやつでしょ?」



「よくご存じで」



 試合に勝つ……って安易な願掛けではあるが、何となくやりたくなってしまった。って、朝からカツなんてなんつー重いもんを作ったんだろう。



 そういや自分の手料理を誰かに食ってもらうのは、こいつが初めてだよな……一般的に見れば、神様に手料理を作って食ってもらってる?



 妙な気分だ。まあ美味そうに食ってくれてるからいいけどさ。



「そういえばさ、この変な機械に、自分の対戦相手が知らされるんだよね?」



 いただきますと言っ途端に早速食い付くエルシャが、唐突に今日の話題を振ってくる。



 どうでもいいけど、もうちょっと女の子らしい食べ方してくれないかな……食い方おっさんなんだけど。



「あぁ。俺もよくは知らないけど、ランダムに選抜されて誰と誰が戦うか決まるらしい」



 この、スマホに似た機械に、メールのように誰と誰が対戦するかという通知が届くらしい。



 だから自分だけでなく、他の誰が誰と対戦するのか、というのもわかるということだ。ちょー便利。



「へぇー、凝ってんのね」



「ちなみに、A~Dブロックに別れて試合が行われるらしい」



「A~D……神力のランクと同じなのね。あ、キミEだったね、ごめーん」



 ぷぷぷ、と口元を押さえている。絶対わざとだなこの野郎……殴りてえ。



 だが俺は寛大な心の持ち主だ。この程度じゃどうってことない。



「……狙ったのかは知らないけど、そうだな。まあ全校生徒がやるわけだから、それなりに会場がないと厳しいんだろ」



 世の中じゃ神力は、珍しい力とされているが……その珍しい力を持った者が集められる学園だ。だからそれなりに人数もいる。



「ふーん……これって、負けたらおしまいなの?」



「あぁ。トーナメント形式で、負けたらおしまい。ただこれは神力を測る行事だから、例えばAランクが格下に負ければ評価も見直されるし、逆に勝った方は評価が上がる」



「ほうほう」



「逆に、極端にDランクがAランクに負けても、かなり健闘すれば評価はそこそこ上がるってこと」



 詰まるところ、試合とはいってもあくまで神力の実力を測るためのものだ。だから言ってしまえば、試合に負けてもいいパフォーマンスができればいいという人もいる。



「ふーん……つまり……とにかく頑張れってことね!」



 ……こいつが理解してるのかは、わからないけど。



「そういうこと、かな」



 結構詳しく説明したと思うんだが……頑張れの一言で片付けられちまったぞ。



 こいつ理解してんのか? いや、神様なら頭はいい……はずだ。



「とにかく、勝てば目立つ……そういうことでしょ? 仕方ない、私が台風の目となってあげようじゃないの」



 理解しているのかいないのかいまいちわからないが、とりあえずノリノリだなこいつ。やっぱ人間界大好きだろ。



「お、そろそろ始まる頃だな……」



 空になった皿を洗いながらもしばらく話していたが、ふと気づくと結構時間は進んでいた。この時間帯なら、そろそろ……



「始まる?」



「あぁ、そろそろ第一回戦の選手が選ばれるらしい。それが届いたら、会場に入れるから他の人は応援するもよし、特訓するもよし……出場者以外は、基本自由時間だ」



 ……とはいえ、ほとんどの人は観戦するらしいがな。準備ならすでに済ませているから研究や、自分が戦うことになるかもしれない相手を見定めるために。



 ピロロロ……



「お、来たな」



 そんなこんな話しているうちに、早速届いたようだ。さてさて、記念すべき一回戦は誰と誰の試合になるのかな……?

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