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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
最弱と最強の出会い
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曰く、粋な計らい



 この拳銃はというとついさっき……この部屋を訪れた時に先生から貰ったものだ。普通の拳銃とは違い、色は雪のように真っ白。先生曰く何の変鉄もない拳銃とのこと。



 護身用として持っておけだとか言っていたが。確かに、普通の人間相手にならただ拳銃を向けただけでビビるだろうが……神力使いばかりのこの学園じゃまったく意味がない気がする。



 まあ、ないよりはマシだが。



 普段はこうして、別空間に保管している。それを、俺が念じた時にその空間から出し入れできるようにとは、先生のアイデアだ。



 まるで、見えないタンスに物を出し入れするような……そんな感じだ。



「便利だろう。神力を使える人間なら誰でも簡単出し入れ、お手軽道具だ」



 何の変哲もない拳銃に唯一、空間出し入れ機能を追加したとのこと。ちなみに空間出し入れは、簡単そうだが結構難しいらしい。



 俺にはよくわからんが。そんな俺でも扱えるようにちょちょいと工夫してくれたらしい。



「良かったわね、神力使えるって判断されてるのね」



 神力が使えないと空間出し入れは反応しない。故に少しでも神力を使える俺も空間出し入れを利用できるが……この神に小バカにされてる感が否めない。



「俺は、これで戦えってことですか?」



「それはキミの自由さ。鈍器にするも良し、神力を弾丸として放つも良し。

 神力を“使う”ではなく“放つ”ことでキミにも神力を使用可能とすることができるんじゃないか……と思った私の粋な計らいだよ」



「それってえこひいきってやつじゃないの?」



 俺も少しだけ感じていたが、その疑問をエルシャがバシッと聞いてくれた。



「そう言われるとなぁ……まあこの拳銃は普通に売ってるものだし、ちょっとしたアドバイスとして見逃してくれ」



 困ったように(は全然見えないが)頭をかく先生から、驚きの言葉が返ってくる。え、これ売ってんの!? 市販品なのこれ!?こんな物騒なもん世の中に出回ってんの!?



 ……まあでも、口ではああ言いつつも先生なりの気遣いなんだろうか。そういうことにしておこう。



「ふぅん……ははーん、なるほど。何の変哲もないと言われつつ何かしら特殊なこの武器を手にしたことで隠された力が開花……こんな展開になるわけね?」



「いや何の話だ!」



「力を開放した弱者が強者に勝つ……王道ってやつね~、嫌いじゃないけど。やっぱ最初っからオレツェェよりも、そっちの方が私的に好みだわ」



 隣の神様は、またも妙なことを言い始めた。この神様は、何でこうも変なことばかり知ってるの?



 人間を見下す傾向にあったわりには、実は人間世界めちゃめちゃ好きなんじゃないの?



「とにかくだ。神技冠祭の説明も済んだことだし、私の用件はこれで終わりだ。てなわけでお前達は帰れ。私は眠い」



 話すことだけ話しといてずいぶんな言い草だ。先生はまるで虫を払うようにしっしっ、と手を動かしている。ホント自分勝手だなーこの人は。



「そっ。でもさ、私が言うのも何だけど、いいの?悪魔に襲われたの、昨日よ? なのにお祭りなんて……」



 帰れと言われて素直に従う神様ではないエルシャは、まだ気になっていたらしきことを問い掛ける。その疑問も最もであろう。



 あんなことがあったのだ、そんな学園行事なんかしていていいのかと。



 対して、眠りを邪魔されたからかチッ、と舌打ちした先生は口を開く。態度悪すぎだろこの人。



「だからこそさ。ヴィールズも言っていただろう、強くなれば…と。この神技冠祭で、他の者と競いあうことでいっそう己の力を高めることもできる。お互いを高めあうことができる。

 それに、こんな時だからするのさ」



「ふぅん……」



 本当にそう思っているのか、それとも今思いついたものなのか……多分両方だろうな、を語る先生。その理論はわりとしっかりしており、思わずなるほどとつぶやくものだった。



 普通に特訓するってのも、やっぱり限界があるしな。やはり、人と高めあうことで自分も強くなれるのだろうというのが、修業パートの醍醐味である。

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