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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
最弱と最強の出会い
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伝説の力



 先生の後をついていく間も、俺はさっきまでのことを思い出していた。



 エルシャが神様であること……そして、エルシャは悪魔に狙われているらしいということ。これは本人から言われて理解はしているつもりだった。そう、つもりだった。



 けど実際に悪魔に襲われ……エルシャが、本当に神様なんだということを実感した。実のところ、まだ完全に信じていた訳じゃなかったのだ。ただ者じゃない、とだけ。



 だが実際に、神様であるエルシャは狙われ……さらには一緒にいた俺やアカリ、リーシャも殺されそうになった。アカリの言うように、先生が駆けつけてくれなかったら今頃俺達は……



 その先生は、一連の出来事について何らかの情報を持っているのは確かだ。



 結界を破壊するほどの力、悪魔や天使、魔界に天界の存在、そしてAランク上位のアカリが敵わなかった悪魔四神をまるで赤子扱いのあの力。



 ……何者なんだ、この人は。その答えが、ついていった先にあるのだろうか。



 そうやって悶々と考えていたのだが、俺の思考はその先生の言葉により中断させられた。



「さて……ここなら、邪魔が入ることもないし、誰かに話を聞かれることもないだろ」



 ついた場所。そこは、見慣れた光景……神力学園。その中にある、先生の部屋だった。



 “神力検査役”という役職を与えられている先生は、こうして自分の部屋を与えられている。そこに俺は度々お邪魔しているのだが……



 ……いつ来ても、散らかってるな。それによくわからない機械がごちゃごちゃしている。触らない方が良さそうだ。



「茶でも飲むか? といっても、茶葉を切らしていてな。茶はないんだ、あっははは」



 真面目なのかボケなのか、対して面白くもない自分の発言に、腹を抱えて笑っている。自分では面白いと思っているのか?



 茶葉がないのにわざわざそう言うということは、そうなのだろう。



「あの、先生……」



「そんなことはいいから、早く話して!」



 正直、面白くもない洒落に付き合うつもりはない。重要な話を、場所をうつして話すと言った。つまり、ここで先生が知っていることを話すということだ。



 そう言い寄ろうとしたら、俺の言葉を遮るようにエルシャが、先生に詰め寄る。



 俺の代わりに言った……わけではないだろうが、まあ俺が言う手間が省けたら、おそらくは、この場にいる全員がそう思っているはずだ。



「あぁ、そうだったな。だがまずは座るといい。長い話になる……立って聞かせるのも、辛かろうしな」



 そう促され、近くにあったソファーに座ることに。俺の右隣にアカリ、その隣にリーシャ。そして俺の左隣にはエルシャが。



 四人が座ったところで、正面のソファーには先生が座る。これで俺達四人と、先生が対面する形になった。



「では……そうだな、まずどこから話そうか」



 部屋に静けさが広がる……が、それも一瞬のことだ。話の構成を考えていたらしき先生であったが、そこで思い出したように、俺達四人を一人一人見て……



「確認だが……キミ達は、今回襲われた。全員がある程度の事情は知っている、ということでいいのかな?」



 こう聞いた。その質問に対しては全員が、頷く。



 当人であるエルシャはもちろん、彼女が学園に来るきっかけとなった出会いの日に、先生と共にエルシャから打ち明けられた俺とアカリも。



 そして、エルシャから打ち明けられた……というより、勘付いていたらしいリーシャ。彼女自身、天使と人間のハーフなのだから納得の所ではある。



 それぞれ認識の違いはあるだろうが、今回の件に関してはある程度の事情は、わかっているつもりだ。



 全員の共有認識でないのは、リーシャの正体についてくらいだろう。その、彼女の正体を彼女自身から打ち明けられたエルシャ、エルシャから話を聞いた俺。



 リーシャの正体について、アカリは何も知らないが、今回の件には関係ないだろうしな。



「……わかった。ならそうだな……あ、こちらから話すより、キミ達から質問してくれるか? その方がスムーズだろうし、質問の答えに関連して話を広げることも出来る」



 話をすると言ったばかりだが、質問を答える方がスムーズに進むと先生は言う。



 実際、ただ一方的に先生が話すよりも、俺達の疑問を先に解消させておいた方が、話を展開させやすいだろうからいい手かもしれない。



 それを聞くや、我先にとエルシャが口を開く。



「なら聞くけど……貴女は何者 ?正体は?」



 そしてそれは、おそらく全員が一番最初に聞きたかったことであろう。その質問に対し、先生は不敵な笑みを浮かべる。



「正体は、と聞かれると何度も言うが、人間だ。だがただの人間にこんな力は使えない……そう言いたいんだろ? 神力がAランク上位のヴィールズでも、あのザマだからな」



 その言葉に、アカリが悔しそうに歯を食い縛る。だがそれは、先生が嫌味を言ってるとかそんなのではないだろう。



 これはただの事実。それがわかっているからこそ、アカリも何も言わない。



「だが……Aランクより上の力があるとしたら、どうだ?」



 続いて先生の口から出たのは、耳を疑うものだった。Aランクより上の力……だって?



 ただ、聞いたことがある。Aランクを越える、Sランクという力を持った人間が過去に一人だけいたということを。



 ……待てよ? この言い方だとまるで……



「まさか、先生が!?」



「そう。学生時代私は、学園史上最強にして唯一の、Sランクという実績を叩き出した」



 想像は、現実へと変わる。衝撃の告白に、俺とアカリ、リーシャが言葉を詰まらせる。伝説とさえ言われていたSランクが目の前にいたことに。それが、先生だということに。



「ふぅん。正直そのランク付けってのっがピンとこないんだけど、さっきの戦いぶりからすごい力ってのはわかったわ。ただ、その力がすごいことと、貴女が事情通なのが結びつかないんだけど」



「事情通、というほどでもないさ。私が諸々に詳しいのも、聞いたからだしな」



「聞いた?」



 この中で一人、神力というものに理解があるわけではない……というより興味のないエルシャが、話を進める。



 その彼女に、事情に詳しいのは聞いたからだと答える先生。聞いたって、いったい誰から……



 それを聞く前に……先生の口から語られた言葉は、



「あぁ。とある天使に……な。私はその天使と、親友と呼んでもいい間柄だった」



 今度は、エルシャが言葉を詰まらせた。

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