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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
異なる冒険
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厄介な相手



 二刀目が、振り下ろされる。相手の攻撃を防ぐ術がないベルは覚悟を決めたように目を閉じるが、いつまで経っても衝撃はこない。



 それはそのはずだ。ベルが恐る恐る目を開けると……



「ふム……」



「ただ見てるだけなわけないだろ!」



「あぁ、ベルにばっかかっこいい真似させられるか!」



 何かが、悪魔の手を攻撃ごと弾く。それは地上で待機していた仲間による援護攻撃で、悪魔の二刀目の『見えない剣』を弾いたのだ。



 結果として、ベルを襲っていた攻撃は弾かれた。ベルと同じように飛べなくても、こうして援護することは出来る。もっとも、それは神力を使える奴らがやれることで……



「くっ」



 神力が使えない、武器すらベル達の手を借りなきゃ満足なものを得られない俺はこうして地上で陣取っているしかない。



「なるホど、実にいイ。共に力ヲ合わせて相手を打チ破る……素晴ラシい。そして……それが、粉微塵に打ち砕ケる様も」



「! みんな、すぐに逃げろ……!」



 これだけの人数差を前に、怯むどころか不敵な笑みを浮かべる悪魔。同時に、どこか焦った様子のベルが俺達に呼びかける。



 何を慌てているのか……その意味は、考えるまでもなく目の前に現れる。



「きゃあ!」



「ユウキ!?」



 背後から、ユウキの悲鳴が聞こえてくる。その声に反応するように振り向くと、悲鳴の正体を知る。



 そこに、見たこともない人物が立っており、ユウキを突き飛ばしていたのだ。長身で、腰まで伸びた色素の薄い白髪。さらには褐色であり、その存在感が際立っている。



「お前……誰だ! あいつの仲間か!?」



「……」



 問いかけても、返事はない。ただその虚ろな瞳が、宙を舞っているのみだ。



「イやいや申し訳なイ。辛うジて残ったゼロとレイのデータを合わセて一つノ肉体に収メたせいか、言語能力に支障ガ出てしマッてね」



 返事が、というより言語能力がない理由を悪魔が話しているが、何を言っているのかわからない。ゼロだのレイだのデータだの言っているが、わかるのはこいつも敵ということだ。



 それにしても、見た目はまるっきり人間の体……そういえばさっき、あの魔物を試験体と言ってたし、まさかあいつ……!



「まさか魔物を作り出したのはお前か! こいつも、人間の体を使って……!」



「おォッと、勘違イは困る。確かにアレを試験体と言っタが、そレはアレだけ。魔物を喰ラい強化スル魔物……実験は成功ダ! それに人間ノ体ナゾ使わなクテも、ソノ程度の肉体を造り出スなんて造作もナい」



 ……つまり、あの魔物を喰らう魔物は、あの悪魔が作り出した存在ってわけか。実験って言ってたから、その辺にいる魔物を改造でもしたのか?



 それに、人間の体を作り出す技術も持っているようだ。あれはさしずめ人造人間ってとこか……あの悪魔、変な見た目してるくせにかなり厄介な相手じゃないか!



「……」



「くそっ……強い!」



 俺達は一斉に襲いかかるが、人造人間は余裕の表情で避けていく。無表情だから表情も何もないのだが。



 それに、戦闘力のあるリーダーやベルの助けは望めない。あっちもいっぱいいっぱいだし、俺達だけで何とかするしかない!



「っ! 足が……!」



 みんなと同じく、俺も立ち向かっていくのだが歯が立たず。だが諦めることだけはすまいと立ち向かい続けていたのだが、受けたダメージが足にきたのか体勢が崩れてしまう。



 その隙を見計らったかのように人造人間は俺に狙いを定め……右手の平から、レーザーのようなものを放ってきて。



「しまっ……!」



「危ない!」



 それが当たれば確実に死ぬ……心臓目掛けて放たれたレーザーは狙いが狂うことなく俺を襲う……が。



 何かに、いや誰かに体を押された。その衝撃で横に吹っ飛び、レーザーからの軌道からは外れる。だがそれは、俺を押した誰かが軌道中に入ってしまったということで。



 その誰かは……



「ピルカ……!?」



 魔物から助けた先ほどとは、まるで逆の光景。ピルカが俺を突き飛ばし助け……直後、レーザーがピルカの左足を貫いた。

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