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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
最弱と最強の出会い
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悪化する激闘



 先生の拳を受けたメルガディスは、よろよろと後退る。このまま勝負が決まってくれないかと期待したが、どうやらそうもいかないらしい。



 ダメージはあるようだ。だがメルガディスは、その表情に苦悶どころか笑みを浮かべていた。何だか不気味だ。



「あは、ははは……! やりますねぇ……効きましたよ今のは!」



 次に高笑いを上げたかと思えば、その背中からバサッ、と悪魔を象徴させる、黒い翼が出現した。漫画とは違い実際に見るそれは、何とも禍々しく感じた。



 気のせいか、翼が出現してから力が増しているように感じる。さっきまでは、全然本気じゃなかったってことか?



「いいでしょう、貴女も殺して差し上げますよ」



 新たな標的に先生が加わる。直後、メルガディスの体から黒い物体が表れ、それがまるでオーラのように身に纏う。さらにオーラを、右手の集中させていく。



 手のひらを先生に向け、それに合わせるように手のひらのオーラも広がっていく。そのオーラ……空間と言った方がいいかもしれない。空間から、次々と黒いレーザーが放たれていく。



 あんな無数のレーザー、防ぐ他に手はない……と、思っていたのだが。



「……」



 それを、先生は神力で防ぐ……ではなく、単なる身体能力で避けてていく。しかも大振りな動きでなく、首を動かしたり体を捻ったりする小さな動作で。



「なっ?」



「遅いな。あくびが出るよ」



 無数のレーザーを避けた先生に対し、次にメルガディスは膨大な闇の力を集中させ、闇の塊となった巨大なそれを放つ。



 あの力は……今までの攻撃とは比べ物にならない。やはりアカリとの戦いでは手を抜いていたのか?



「人間ごときにこの力は破れませんよ!」



 豪語する奴の言う通り、確かにあの力とまともに撃ち合うのはアカリでも難しい。かといって、逃げようにもここは結界の中……それに逃げ切れる気がしない。



 最悪の事態が想像され、額に冷や汗が流れる。



 しかし……焦る俺とは裏腹に、闇の塊と向き合う先生は笑みさえ浮かべていた。とんでもないピンチなのに、あの余裕は……?



「ふん、気でも触れましたか! そのまま塵に……」



 闇の塊はそのまま、先生に衝突……した。だがその光景に、メルガディスは言葉を詰まらせる。奴だけでなく俺も、エルシャも……言葉を失った。



 目にした先では……驚くべきことが起こっていた。



「こんなものか? 悪魔よ」



 何と、あの強大な攻撃を……受け止めていたのだ。しかも、片手で。当たれば人一人どころか、周辺を巻き込んで消し飛ばしそうなそれを



「バカな……何者ですか、貴女は……」



「だから何度も言ってるだろう……学園の先生だ。ほら、返すぞ」



 先生は、何の気なしに受け止めていた攻撃を、メルガディスへと跳ね返す。呆気にとられていたのか、避ける動作もなくメルガディスはそれを受け止める。



「くっ……おぉおお!」



 受け止めても押されていたが、驚くことに闇の塊がその身に吸収されていく。そして、闇の塊は消え失せた。



「はぁっ……自分の技くらい、対処できますよ」



「そうか……なら、これはどうだ?」



 技を跳ね返しても、奴自身の攻撃ならば効きはしないというわけか。それに対して、先生が次に行った行動。それは……



 ……一瞬、何が起こったかわからなかった。……が、気がついた次の瞬間には、メルガディスの左腕が吹き飛んでいたのだ。あまりにも自然に、あっさりと。



「がっ……あぁあああぁ!?私の……腕がぁあ!!」



 これにはさすがのメルガディスも、絶叫を抑えきれない。吹き飛んだ左腕……それを取り戻そうと手を伸ばすが、その時にはすでに、左腕は跡形もなく消し飛んでいた。



 何が起こったのか。ふと先生の方を見ると、無表情のまま……ただ、手をかざしていた。まさかその手の先から何か攻撃でもして、腕を吹き飛ばしたのだろうか?



「お、おのれぇ……」



「さて……次は、どこを消し飛ばしてやろうか?」



 恐ろしいまでの力の差が、そこにあった。アカリを追い詰めたメルガディス、終始余裕な態度だった奴の姿は、もうない。



「ありえない……人間の力ではない……」



「失礼だな、人間だよ。私は」



 悪魔を気圧す先生の姿は、これまで見てきたものとはまるで違うものだった。先生が一歩近づく度に、メルガディスは一歩下がる。状況は、完全に先生に戦況が傾いていた。

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