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神殺しの弾丸  作者: 白い彗星
大罪魔獣
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厄介な悪魔たち



「やお……よろ……?」



 言葉の意味がわかっていないスカイくんは、目を回している。やっぱりこの子には早すぎだよいろいろ。



「え、えっと……とにかく、それぞれ一つずつ能力を持ってるんだよ」



 呼び名がどうであろうと、それが話し合いに影響するわけではない。むしろ呼び名があることで判別しやすいから、結果的にオルちゃんグッジョブ?



 言葉の意味としても、どうやらエドさんやユメちゃんには伝わってるようだし。私も使ってみよう。



「それぞれ……

『八百万の創造者』メルガディス

『八百万の消滅者』メルギィス

『時の増力者』ゴディルズ

……これが、三体の能力と名前だよ」



 ……思ったより恥ずかしいな、二つ名言うの。それで能力の中身がわかれば、まあいいんだろうけど。



「なるほど、厄介な能力だな」



「創造と消滅って、似てるけど関係あるの?」



「うん、どうやら姉弟らしいよ、この二体」



 厄介な能力を持っている、悪魔四神。実際にさっきメルガディスが現れた際、エドさんなんかはその圧倒的な力を感じたんじゃないだろうか。能力だけでなく、素の力も並の悪魔とは比べ物にならない。



 三体のうち、二体は姉弟の関係。うち一体はアカリちゃんとも因縁のある相手。うち一体はティファルダ先生の片腕を消滅させた相手。そして残る一体は、私のお父さんの仇だということ。



 それらも、話した。



「……で、厄介なのはバランダや悪魔四神だけではない、と」



 魔王であるヒロトを支える立場にある悪魔。バランダは立場は違うだろうけど、厄介なことに変わりはない。その厄介な立場の存在は、彼らだけではない。



 バランダと同じく、旅を初めて以降初めて知った悪魔。……いや、悪魔というのは語弊があるな。



「さっき現れた……」



「大罪魔獣……そう名乗っていたね」



 ……そう、大罪魔獣。そう名乗っていたのだ。その力は、悪魔四神にも劣らぬものがあった。同じく、悪魔四神のように独自の能力があるとも思われる。



「大罪って名前と、現れた怠惰という冠……これで想像出来るのは、七つの大罪、だね」



 七つの大罪と、想像されるその言葉に、みんな頷く。そう、『大罪』と『怠惰』のこの二つの単語から連想されるのは、七つの大罪という言葉だ。



 スカイくんとゴンちゃんだけは、わけもわからなそうに首を傾げているけど。



「怠惰……他に、色欲、暴食、嫉妬、強欲、憤怒、傲慢。この七つを罪として、総じて七つの大罪と呼ぶんだ」



 わからない一人と一匹に説明するように、エドさんは語る。それでも理解したとは言い難い一人と一匹は首を傾げたままだけど。



 『大罪』魔獣の『怠惰』が現れた今、そこに『七つの大罪』が関係してないとはどうしても思えない。そして、もしもその名の通りだとすれば……



「あと……六体いる、ってことなのかなぁ……?」



 考えたくはないが、怠惰以外の残り六……六体の魔獣がいるということになる。それも、ただ強いだけでなく、これまた厄介な能力を持ってるわけで。



「怠惰のような、独特の能力を他の六体も持っているとすれば、厄介どころの話じゃないな」



「怠惰は、自分以外の生物、武器の力を限界以上に引き出す、というものだったね」



 その名に合った……というべきか、怠惰らしい能力だ。自分で戦うのが面倒だから、他のものに戦いを任せる。



 ……だけならまだ良かったが、それだけではないのだ、しかも。



「自身の死に反応し、魔力を有している近くの生物に魂を移す……これが一番厄介だな」



「それも、魔物に戦わせるって能力から魔物がわいてくるのに制限はないし、本人の意思とは関係なしに魂が移るらしいしね」



 ……改めて考えると、ほんと面倒な能力だ。こんな能力を持った魔獣があと六体いるかもしれないと思うと、気が滅入る。……とはいえ、そんなことを言ってられないのも事実だ。



 滅入ろうが何だろうが、戦わなければいけない相手なのだから。



「それにしても……独特な能力を持っている悪魔四神に大罪魔獣、神力殺しのバランダとその部下だったテレポート使いのサラリア……強い悪魔ってのは、何かしら能力を持ってるものなのか?」



「……そうなのかも」



 強い悪魔だから何かしらの能力を持っているのか、何かしらの能力を持っているから強い悪魔なのか……多分、どっちもなんだろうな。



 魔王に悪魔四神、大罪魔獣……だけど、それを含めても、複数の悪魔の中でもおそらく一番厄介だと思う悪魔がいる。それは……



「ここまでも厄介な悪魔を挙げてきたけど、私としては……一番厄介なのは別にいると思う」



「別に? 魔王よりも?」



 魔王よりも厄介な存在という話……当然の疑問だ。その疑問に、私は頷く。その存在の名前を口にする前に、オルちゃんへと視線を送る。



 彼女は、私の意図を察してくれたのか、小さく頷く。それを見届けてから私は、口を開く。



「それは……魔王の多分、その次に実力者だと思う。悪魔達からは、"大参謀"って呼ばれてるらしい存在。名前は……キルデ・オスロ」



 告げたのは、ヒロトとは別の意味で私達……いや、オルちゃんと因縁のある男。その名前を初めて聞いただろうエドさん達はわからないだろうが、私達にとっては重要な意味を持つ相手だ。

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